NBA記者の戦力分析:クリッパーズの成功はレナードとジョージの健康次第|NBA 2023-2024シーズン

2023-09-14
読了時間 約2分
(NBA Entertainment)

ロサンゼルス・クリッパーズは不本意な結果に終わった昨シーズンのプレイオフの雪辱を果たそうとしている。

カワイ・レナードとポール・ジョージに期待がかかるクリッパーズの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。


主な新戦力

  • コービー・ブラウン(ガード/ドラフト)
  • ケニオン・マーティンJr.(ガード/フリーエージェント) 

主な退団選手

  • エリック・ゴードン(ガード)

昨シーズン

カワイ・レナードが負傷した。

これはクリッパーズのシーズンを総括しているだけでなく、ここ数年の総括でもある。そしてそれが、レナードとポール・ジョージの加入以来、このチームがまだそのポテンシャルを発揮できていない理由だ。

レナードは、今回は右ひざの半月板を断裂し、シーズン終了後にひざのクリーニングが必要となった。レナードの負傷したタイミングは最悪だった。ロサンゼルスで行われたフェニックス・サンズとのウェスタン・カンファレンスのプレイオフ・ファーストラウンドシリーズで、レナードは欠場するまでの最初の2試合で1試合平均34.5得点、6.5リバウンド、6アシストと大活躍したが、クリッパーズはシリーズ5戦で敗退した。

ジョージは右ひざの挫傷でこのシリーズを欠場しており、これは本人たちと同じくらい球団にとってもフラストレーションの溜まるものだった。

昨シーズン、レナードはレギュラーシーズン52試合に出場。彼はクリッパーズ加入後、レギュラーシーズンにつき57試合以上出場したことがない。ジョージは昨シーズン、レギュラーシーズン56試合に出場したが、レナードがひざの手術で戦列を離脱した2021-22シーズンには31試合しか出場していない。要するに、この2人は健康面で息が合っていないのだ。

この2人がラインナップに入ったり入らなかったりするため、クリッパーズはサポート役の選手に翻弄された。

そんな中、ロサンゼルス・レイカーズでの苦い経験から離れ、同じ街の違うチームに移ったラッセル・ウェストブルックが予想外の活躍を見せる。彼はキャリア晩年にこの地で自らを高め、ポストシーズンでは非常に良いプレイをしたのだ。

ほかに安定していた選手は、ベンチから1試合平均17得点をあげたノーマン・パウエルだけだった。ボーンズ・ハイランド、マーカス・モリス、エリック・ゴードンは取り上げるまでもないほど凡庸で、一方、クリッパーズに加入したばかりのジョン・ウォールは散々でシーズン31試合後にトレードされている。

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夏の総括

ここでニュース速報だ。レナードもジョージもケガが完治し、2023-24シーズンに向けた準備ができている。休養と回復が必要だった2人のスター選手に数か月休みがあったおかげだ。

ニュースにならなかったこともある。両スターともこの夏、チームから契約を延長されなかった。トレーニングキャンプまでの間に変わる可能性があるが、迷いがあることが状況を顕著に物語っている。クリッパーズが2人について、特にレナードに対して様子見していることは誰も責められない。両者とも2024-25シーズンがオプションになっているため、何も成し遂げられなかった場合のリスクもいくらかある。

また、クリッパーズはその時までに新社屋に移転することも心に留めておいてほしい。彼らにとって最大の悪夢は、新アリーナでそこそこのチームがプレイすることだ。それはビジネス上、良いことではないだろう。

要するに、2人がコンビを組んで以来、チームオーナーのスティーブ・バルマーは莫大な現金と資産の支出に対する見返りをまだ受け取っていないのだ。レナードとジョージが身体を壊すことなく、プレイオフを含めたシーズンを乗り切ることができない限り、クリッパーズが優勝争いに加わる可能性がないことは誰もがわかっている。

この2人の話はもうやめよう。ロスターに登録されていないが、開幕戦のラインナップに加わる可能性のある選手について話そう。ジェームス・ハーデンはどうだ?

ロサンゼルス出身の彼はフィラデルフィア・76ersからの出たがっていて、クリッパーズが希望の行き先と言われている。トレードに関してクリッパーズと76ersの間にはまだ何も起きていないが、可能性はまだ残っている。もしもクリッパーズにハーデンが加入したら、自らショットを生み出せるスター選手が3人揃うことになる。ハーデンが加われば、クリッパーズは本格的に優勝候補に昇格するだろう。もちろん、全員が健康であればの話だが。

ハーデン獲得のためにはテレンス・マンが犠牲になるかもしれないし、ハーデの契約は1年だけだ。それに、ハーデン、レナード、ジョージの3人が円滑にプレイできる保証はない。しかし、一か八かやってみる価値がある。

この夏のチームの正式な動きは物足りない印象だった。クリッパーズはウェストブルックと再契約したが、これは双方にとって理にかなっていた。ウェストブルックはNBA史上最大級の減俸(マックス契約からベテランミニマム契約へ)を飲むことになるが、彼はロサンゼルスで家族のもとにいることができ、クリッパーズでは心が平穏なので彼はそれを受け入れるだろう。

延長契約を結んだメイソン・プラムリーも戻ってくる。プラムリーはシーズン中盤に獲得した好選手で、ピック&ロールとリバウンドでも貢献した。彼は貴重な選手だ。一方のゴードンは、税制上の理由でフリーエージェントとなり、サンズと契約している。

クリッパーズは1巡目指名権を持っていたことも付け加えておきたい(オクラホマシティ・サンダーがクリッパーズのすべての1巡目指名権を所有しているわけではないのだ)。その指名権は、ルーキーシーズンを育成に費やすことになるであろうコービー・ブラウンに使われた。

トレーニングキャンプが始まったら、クリッパーズはチームについてもっともなことを言うだろう。しかし、もしそこにハーデンがいたら、彼らはさらに多くを語ることだろう。

原文:30 teams in 30 days: Clippers hope healthy star tandem translates into success
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc