ヒューストン・ロケッツは、イメイ・ウドカ・ヘッドコーチを新たに招へいした。
ロケッツの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。
主な新戦力
- イメイ・ユドカ(ヘッドコーチ)
- アメン・トンプソン(ガード/ドラフト)
- キャム・ウィットモア(ガード/ドラフト)
- フレッド・バンブリート(ガード/フリーエージェント)
- ディロン・ブルックス(フォワード/フリーエージェント)
- ジョック・ランデール(センター/フリーエージェント)
- ジェフ・グリーン(フォワード/フリーエージェント)
主な退団
- スティーブ・サイラス(ヘッドコーチ)
- KJ・マーティン(フォワード)
昨シーズン
開幕から3勝14敗とつまずき、以降も回復することはなく、18戦17敗も喫するなど、ロケッツにとっては厳しいシーズンだった。若手が多く、コーチに対してあまり敬意を見せず、コート上でたくさんのミスを犯し、ショットを決められず、トレードデッドライン(トレード期限)でまったく重要な動きがなく、実質的に次のドラフトで上位に位置するチームにあることだ。
ドラフトといえば、2022年の1巡目指名ジャバリ・スミスJr.は、NBAへの移行に苦しんだ。ショットを決めるのに苦労し、かなり早くからずっと弱点を露呈。シーズン最後の2か月で改善を見せた。
しかし、彼だけではない。このチームはターンオーバーが多く、守備力が低い。通常、それはトラブルにつながる。ジェイレン・グリーンとアルペレン・シェングンに輝くところもあったが、それ以外は、NBAの他チームから楽勝相手とみなされていた。
夏の総括
このオフシーズン、ロケッツにやるべき仕事はたくさんあった。その問題のすべてをこのオフシーズンで解決できたと言っては大げさだ。
それは、新シーズン次第でもある。だが、2023年の夏がロケッツにとっていかに忙しかったかは否定できない。本当に選択肢が多くなかったことによるところが大きいだろう。資金や複数のドラフト1巡目指名権を使い、ロケッツは必死に昨シーズンとは違う位置に立とうと取り組んだ。
バンブリートと3年1億3000万ドル(約192億4000万円/1ドル=148円換算)の契約を結び、NBAを驚かせたのは、そうせざるを得なかったからというところが大きい。ほかのどのチームよりもはるかに高額な報酬を払わなければ、再建中のロケッツがバンブリート級の選手を獲得することはできなかったのだ。
ただ、お金のことを別にすれば、バンブリートはロケッツが最も必要としていた条件を満たす選手である。クレバーで安定したポイントガードであり、3ポイントショットをもたらす(昨季はトロント・ラプターズで苦しんだが通算成功率は37%)。そして成熟していて、ベテランの存在感を発揮してくれる。
同じく資金を投じ、バンブリート以上に驚かせたのが、ブルックスの獲得だ。全般的な見方でいえば、タフネスやどんな選手でも守ろうとする意欲から、ブルックスとの契約はプラスと思われる。メンフィス・グリズリーズでの昨季は、イメージという点ではひどかった。プレイオフでレブロン・ジェームズとトラッシュトークを繰り広げ、そのロサンゼルス・レイカーズとのシリーズで精彩を欠いたことで嘲笑の的になっている。
ロケッツは昨季デンバー・ナゲッツで優勝したグリーンを戻し、ロッカールームにリーダーシップを加えた。フェニックス・サンズでベンチスタートから良いプレイをしたランデールとの契約で、フロントコートにサイズをもたらしている。
だがおそらく、ロケッツのラファエル・ストーンGMは、ドラフトで最高の仕事をしたと言えるだろう。トンプソンとウィットモアは有望だ。前者は攻守両面で優れ、伸びしろが大きく、気質も期待できる。一方、後者はトップ5指名が予想されていた選手だ。メディカルやパーソナリティーの問題で20位指名となったが、ロケッツにとっては重要ではなく、迷わず指名。サマーリーグではMVPに輝いた。
これらのピースをまとめる任務を託されたのが、サイラスに代わってヘッドコーチとなったウドカだ。個人的な規律の問題でボストン・セルティックスでの仕事を失った彼には皮肉だが、この若いグループに規律を求めるべきであり、そうしなければならない。
いずれにしても、ウドカのコートとしての資質は議論の余地がない。その点で信頼度が高いことは、特に次のステップを踏み出したいと願っている球団において役立つことだろう。
原文:30 teams in 30 days: Rockets look to take next step as rebuild continues(抄訳)