NBA記者の戦力分析:初優勝を果たして連覇を目指すナゲッツ|NBA 2023-2024シーズン

2023-09-29
読了時間 約2分
Getty Images

デンバー・ナゲッツは昨季、球団史上初の優勝を果たした。

ナゲッツの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。

主な新戦力

  • ジュリアン・ストローサー(ガード・フォワード/ドラフト)
  • ハンター・タイソン(フォワード/ドラフト)

主な退団選手

  • ブルース・ブラウン(フォワード)
  • ジェフ・グリーン(フォワード)
  • トーマス・ブライアント(センター)

昨シーズン

ナゲッツはニコラ・ヨキッチが再びMVP級のパフォーマンスを披露(今回は受賞に至らなかったが3年連続の出来だ)。そしてようやく健康になった周囲のサポーティングキャストの助けもあって、球団史上初の優勝を果たした。

ひざのケガで1シーズン超を欠場したジャマール・マレーは、平均26.1得点をあげ、プレイオフで活躍した。腰の問題を乗り越えたマイケル・ポーターJr.は、レギュラーシーズンで3ポイントショット成功率41.4%を記録している。彼らとヨキッチ、そしてチーム最高の守備を見せるアーロン・ゴードンで主軸を形成した。

ケンテイビアス・コールドウェル・ポープやブラウンら新加入選手も役立ち、ほかの選手たちもタイミングよく活躍。ナゲッツは安どのため息をつくことができた。これまでの数シーズンでもナゲッツがもっと健康だったら、どうなっていたのだろうか。

安定していたのはヨキッチだ。再び世界最高の選手であることを見せつけた。あまりにスキルフルで、クレバーであり、直近では断固たる姿勢も示して、この機会を逃させなかった。3年連続MVPは逃したが、代わりにファイナルMVPを受賞している。


夏の総括

優勝パレードの時は、マイケル・マローン・ヘッドコーチがファンにブラウンはどこにも行かないと話すなど、喜びに浸っていた。

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だが、それは願望でしかなかった。もっとはっきり言えば、アルコールが入っての発言だった。サラリーキャップでがんじがらめのナゲッツは、ブラウンと延長契約を結ぶことができなかったのだ。だから問題は、リングを手にしたブラウンが街を離れるかどうかではなかった。彼がどこに行くかだったのだ。

ブルースがナゲッツに加入した時は、リーグ全体でフリーエージェント市場の資金が潤沢でなく、手にすることができるのはせいぜい中級レベルのサラリーだった。そういった状況では、選手が優勝を競うチームと短期契約を結ぶことが少なくない。2022年のブラウンもまさにそうだった。2年目がオプションの2年契約を結び、自分に賭けたのだ。

そして、彼は大きく勝った。優勝チームにおける重要なピースとなり、契約をオプトアウトして、インディアナ・ペイサーズと高額契約を結んだのだ。彼にとってはうまくいった。

ただ、ナゲッツにとってもそれは同じだ。現在のチームはまだ良い状態にあり、大きなアップグレードをまったく必要としていないからである。さらに2023-2024シーズンは、クリスチャン・ブラウンらがより重要な役割を担おうと競う準備を整えている。ナゲッツはレジー・ジャクソンと再契約を結び、ローテーションにベテランガードをとどめたが、ドラフト以外の動きはそれくらいだった。

そのドラフトでは、ストローサーとタイソンを手に入れた。前者はゴンザガ大学で堅実なキャリアを送り、ブラウンがもたらしていた要素をいくつかもたらす。6フィート8インチ(約203センチ)のフィジカルを誇るビッグマンのタイソンは、サマーリーグで堅実だった。レギュラーシーズンでも成功できれば、一定の出場時間を競うかもしれない。

どこかでナゲッツはマレーと延長契約を結ぶ必要がある。だがそれ以外、この夏で解決が必要なような大きい問題はまったくなかった。

ディフェンディングチャンピオンなら、自分を追いかけるライバルたちが忙しく動く中で、おおよそ穏やかなオフシーズンを過ごすものだ。ナゲッツはブラウンをとどめることができなかった。だが、ほとんど戦力ダウンしていない。

原文:30 teams in 30 days: Nuggets primed to defend 1st championship(抄訳)