NBA記者の戦力分析:長距離ショットを強化したキャバリアーズ|NBA 2023-2024シーズン

2023-09-16
読了時間 約2分
(NBA Entertainment)

クリーブランド・キャバリアーズはこの夏、マックス・ストゥルースやジョージ・ニアンを獲得し、長距離ショットを強化した。

キャバリアーズの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。


主な新戦力

  • マックス・ストゥルース(ガード/トレード)
  • ジョージ・ニアン(フォワード/フリーエージェント)
  • イマニ・ベイツ(ガード/ドラフト)

主な退団選手

  • ジェディ・オズマン(フォワード)

昨シーズン

ドノバン・ミッチェルが強烈なデビューを飾った昨季、キャバリアーズはレブロン・ジェームズが退団してから初めて上位に浮上した。元ユタ・ジャズのミッチェルは、平均28.3得点、4.3リバウンド、4.4アシストを記録。重要な局面での活躍や、時にチームをけん引するなど、キャバリアーズの期待どおり、そしてそれ以上の出来だった。ミッチェルの存在感やリーダーシップ、スターの力は、成長途上だった若きキャバリアーズが強く必要としていたことだ。

ミッチェルとともにダリアス・ガーランドも平均21.6得点、7.8アシストを記録。ガーランドがもっとショットを打つにふさわしい場面もあったが、多くの試合でキャバリアーズは最高のバックコートコンビをそろえることができた。

ほかの選手たちも貢献した。特に、守備意識の高いビッグマンコンビのエバン・モーブリーやジャレット・アレン、そしてキャリス・ルバートだ。キャバリアーズは元ドラフト1巡目指名のアイザック・オコーロに対して我慢し、成長は遅いままだったが、そのオコーロやほかの選手たちが層に厚みをもたせ、キャバリアーズは51勝をあげた。


夏の総括

ストゥルースにとっては激動の近年だった。ドラフト指名外だった彼は、ボストン・セルティックス、シカゴ・ブルズで続けられず、マイアミ・ヒートでも当初は苦しみ、最低限の契約を結んだかたちだった。だが、それから一転する。2022年に活躍し、NBAファイナル2023まで勝ち進んだチームで先発のポジションを手にした。収入にもつながり、ヒートと4年6300万ドル(約93億2400万円/1ドル=148円換算)の契約を結んだ。

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堅実な選手として長期的な実績がない者にとっては好条件だ。だが、キャバリアーズはストゥルースがすぐにローテーションの上位選手として、チームの順位を上げるのに役立ってくれると信じている。ストゥルースの3ポイントショットは通算成功率37.1%で、不安定になることもあり得るが、リズムに乗っている時は相手の守備から敬意を払われるに値する。

長距離ショットの向上は、コビー・アルトマンGMが優先してきたことだ。2022-2023シーズンにフィラデルフィア・76ersで長距離シューターとして活躍したニアン(通算3P成功率40.3%)を獲得するチャンスに飛びついている。

突如として、キャバリアーズはミッチェルの周辺にフロアを広げられる2選手を手に入れたのだ。イースタン・カンファレンスのトップクラスに競り勝っていくために必要だった条件を満たせたことが願われる。なお、ニアンはジャズ時代にミッチェルとはチームメイトだった。

また、アルトマンGMはルバートと2年3200万ドル(約47億3600万円)というリーズナブルな延長契約を結んだ。キャバリアーズはこれでウイングの層に厚み、モーブリーとアレンのフロントコートにバランスを持たせている。オコーロが延長契約を望むなら、成長を早めなければいけないというメッセージにもなるだろう。

キャバリアーズは2022年にインディアナ・ペイサーズとのトレードでルバートを獲得した際、今年のドラフト1巡目指名権を手放していた。2巡目で指名したがベイツだ。スカウンティングレポート次第で、眠れる宝石になるかもしれないし、Gリーグ行きになるかもしれないと、賛否両論ある選手である。

NBAに至るまで、ベイツは厳しい道のりを歩んできた。大学を転々とし、数年前の高校時代にかけられたあまりに大きな期待に応えることに苦しんできたのだ。欠点は、まるでスパゲッティのような細さで、鋭いドリブルはなく、ショットのセレクションにも疑問符がつく。一方の長所は、向こう見ずなプレイでなければ、才能は明らかという点だ。

キャバリアーズにとって、2巡目での指名で失うものはなかった。サマーリーグでベイツはまずまずの出来だったようだ。ロスター入りし、将来に向けて育てられる可能性はある。

つまり、この夏のキャバリアーズに大きな動きはなかったが、彼らにそれは必要なかったということだ。目指したのは、いくつかの穴をふさぎ、東地区で5番手、6番手というチームの層をより厚くすることだった。そして、彼らはそれを達成したのだ。

原文:30 teams in 30 days: Cavaliers add perimeter shooting after early playoff exit(抄訳)