シカゴ・ブルズはこの夏、ニコラ・ブーチェビッチらと延長契約を結んだ。
ブルズの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。
主な新戦力
- ジェボン・カーター(ガード/フリーエージェント)
- トーリー・クレッグ(フォワード/フリーエージェント)
主な退団選手
- パトリック・ベバリー(ガード)
- デリック・ジョーンズJr.(フォワード)
昨シーズン
ブルズはプレイオフ進出まであと1勝だった。これが、彼らの昨シーズンを総括している。沈むことも上昇もできず、中位をさまよう典型的なチームだった。これが普通でなかったのは、ブルズはデマー・デローザン、ザック・ラビーン、ニコラ・ブーチェビッチと、オールスター級の選手を3人擁するチームだからだ。だが、それだけの主軸にまずまずサポーティングキャストをそろえながら、ブルズはそれ以上の順位に上がることができなかった。
デローザンとラビーンのコンビは試合のたびに合計50得点をあげ、ブーチェビッチは平均17得点&11リバウンドのダブルダブルを達成。アレックス・カルーソも守備で堅実なシーズンとした。この4人が安定した土台となり、多くの試合でブルズにチャンスを与えたのだ。ただ、最も落胆させられたひとりが、成長が進まなかったパトリック・ウィリアムズだ。
ラビーンを巡るトレードの噂も多かったブルズだが、高額契約や健康に関するちょっとした懸念などが理由か、いくつかのチームがためらったことで、ブルズはトレードせず。だが、2月中旬に6連敗を喫し、中位で終わる運命が定められた。
夏の総括
オフシーズンでブルズはあまり多くを得なかった。これは少々驚きだ。ブルズは新たな(そして改善された)アイデンティティーを必要とする平凡な数少ないチームのひとつだからだ。
それでも、トレーニングキャンプが近づく中で、昨季40勝をあげたチームの主力メンバーは残っている。デローザン、ラビーン、ブーチェビッチである。
ブーチェビッチには無制限フリーエージェントでどこか別のチームに移籍する選択肢があった。しかし、彼が選んだのは、慣れ親しんだブルズに残り、それによって得られるお金を手にすることだった。平均ダブルダブルを記録する効率的なポストプレイヤーではあるが、まもなくゆっくりと衰え始めるかもしれない32歳のセンターと、ブルズは3年5000万ドル(約74億5000万円/1ドル=149円換算)の契約を結んだ。
そのほか、ブルズはアヨ・ドスンムやコービー・ホワイトとも延長契約を結んだ。若くて成長中のガードたちだ。間違いなくローテーションプレイヤーであり、時折素晴らしい試合をすることができる。ただどちらも、それ以上の選手になれると示せていない。
実質的に、ブルズは大きな補強をしなかった。そしてサラリーキャップのために、ラビーンかデローザン、あるいはその双方をトレードするまで、それは実現しないだろう。ブルズはベストプレイヤーたちの市場価値を把握しようと方々に連絡し、それほど高額ではないと知ったのかもしれない。
その場合、ブルズはシーズン40~45勝をあげられるだけの力はあるが、トレードで大きな見返りを得られるほどの試算ではない2選手と続けることになる。よって、次の知らせまで維持だ。トレードデッドライン(トレード期限)までに何かが変わるかもしれない。
今夏のブルズに関するその他の唯一のニュースは、深刻な知らせだった。以前からのひざの問題で、ロンゾ・ボールが正式に2023-2024シーズンを欠場することになったのだ。彼のキャリアは危機に瀕している。
簡単に言えば、おそらくはプレイイン・トーナメント出場が限界のブルズは、大きな補強なく新シーズンを迎え、以前からの同じメンバーで続けるということだ。近いうちに大改革があるかもしれない。だが、この夏にそれはなかった。
原文:30 teams in 30 days: With options limited, Bulls run it back(抄訳)