NBA記者の戦力分析:若さと健康で好転を望むホーネッツ|NBA 2023-2024シーズン

2023-09-20
読了時間 約3分
(NBAE via Getty Images)

2022-2023シーズンをケガなどで翻弄されたシャーロット・ホーネッツは、チームに若さと健康を取り戻し、新シーズンに向けて楽観的な構えだ。

ホーネッツの2023-2024シーズンの戦力について、『NBA.com』のショーン・パウエル記者が分析する。


主な新戦力

  • ブランドン・ミラー(ドラフト)
  • ニック・スミスJr.(ドラフト)

昨シーズン

ホーネッツにとって昨シーズンはほぼ失敗だった。健康を維持できず、十分な勝利を得られなかったが、それ以外はすべて順調だった。

スターガードのラメロ・ボールはケガのため36試合しかプレイできず、彼のいないシャーロットは同じチームではなかった。彼はホーネッツのベストプレイヤーであり、スタイリッシュなプレイメイカーとして周囲を高めることのできるホーネッツの未来なのだ。

そして、マイルズ・ブリッジスだ。彼は11月、2022年6月の事件に起因する家庭内暴力の重罪1件に不抗争の答弁をした。彼は主に法的な問題でシーズンを全休し、ホーネッツは彼が貢献する1試合平均20.2得点を逃した。NBAは最終的に彼に30試合の無休出場停止処分を下したが、昨シーズンはプレイしなかったため、20試合を消化済みとみなしている。

ブリッジズとボールのいないホーネッツはリーグでも最低のオフェンシブ・チームのひとつで、通算成績がそれを物語っている。


夏の総括

ビクター・ウェンバンヤマのいるドラフトで全体2位で選手を選ぶことが危険なのは、誰を選んでも1位指名ほど確実なものではないからだ。サンアントニオ・スパーズがウェンバンヤマを指名した後、ホーネッツの時間が迫っていた。

ホーネッツが指名権をトレードしないと決めた時点で、実質的に2人の選手に絞られた。ミラーか、スクート・ヘンダーソンか?

ほとんどのNBA関係者にアンケートを取ったら、ホーネッツの選択は正しくなかったというのが総意だろう。ホーネッツのファンの間では、ミラーが選ばれたとたん、非公式ながらはっきりとした冷ややかな空気が流れた。それは好意的な見方だった。ヘンダーソンはより刺激的なオプションであり、ミラーは無難なオプションだった。ボールの隣に強力な副操縦士がいないホーネッツの現状を考えると、このチームにはシズル感をもたらすことができる選手が必要なのだ。

ミラーが劣っているというわけではない。実際にはむしろ逆だ。彼は大学で最高のプロスペクトだったし(ヘンダーソンはNBAのGリーグに在籍)、自身のゲームに磨きがかかった多才なフォワードでNBAへの移行も問題なさそうだ。彼のシューティングの動きは奇妙に見え、その範囲は疑わしいが、それぐらいしか気になるところはない。

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ミラーを選んだもう1つの理由として議論されるのは、ヘンダーソンはボールを必要とするポイントガードで、彼とボールがフィットしたかはわからないということだ。

フロントラインの助っ人といえば、ホーネッツはブリッジスの復帰を(なんとなく)歓迎している。この14か月間、彼は何事もなく過ごしていたと言っても過言ではない。彼の法的トラブルのせいで、NBAのどのチームもこの制限付きFAの選手に高額な契約オファーを出そうとはしなかった。それはホーネッツも同じだった。

つまり、2シーズン前は優秀で、5年1億7300万ドル(約256億円/1ドル=148円換算、以下同)のマックス延長契約の可能性があったブリッジスは、はるかに、かなり低い金額で落ち着くしかなかったのだ。

1年800万ドル弱(約1.2億円)という金額で。

ブリッジスは自身の行為を謝罪し、2023-24シーズンの最初の10試合を(無休出場停止処分の一環で)欠場する。

そしてついに、この夏シャーロットから2つのビッグニュースが飛び込んできた。

まず、ボールが7月にホーネッツと5年2億6000万ドル(約384.8億円)の延長契約を結び、それによって若きプレイメイカーであるボールを今後何年もチームに引き留めることになった。昨シーズンはケガで出遅れたが、ボールはコート上で大きなインパクトを残し、オールスターに返り咲く準備ができている。

2つ目は、マイケル・ジョーダンが8月に球団のオーナーを辞めたことだ。これはちょっとした驚きだったが、ほんのちょっとだけだった。

驚きだった部分は、財政的な観点から考えたら売却する必要はなかったことだ。実際のところ、NBAの次のテレビ契約が2025年に確保され、30チームすべての価値が上がる前になぜ売却するのか?意外でなかった部分は、13年間のオーナーだった期間、常にプレイオフ進出やリーグで存在感を示すことに苦戦するチームの舵取りにジョーダンが明らかに疲れていたことだ。

2010年に2億7500万ドル(約407億円)で球団を購入した後、彼は40億ドル(約5920億円)の評価額で過半数の株を売却し、かなりの利益を得たので問題はないだろう。彼が去ったことで、NBAには黒人の過半数オーナーが不在となった。

良いニュースなのは、ホーネッツはようやく、オーナーよりも優れたバスケットボールのスキルを持つ選手を見つけることができることだ。

原文:30 teams in 30 days: Hornets hope infusion of health, youth will spark turnaround
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc