[コラム]29年の歴史に幕を閉じた“ザ・パレス”の10大モーメント(青木崇)

2017-04-27
読了時間 約1分

1988年11月5日のデトロイト・ピストンズ対シャーロット・ホーネッツ戦から29年。2017年4月10日のワシントン・ウィザーズ戦は、レギュラーシーズンで1164試合目、“ザ・パレス”ことパレス・オブ・オーバーンヒルズで行なわれる最後のNBAゲームとなった。

“バッドボーイズ”(ピストンズ2連覇時代の愛称)で2連覇を果たしたときと変わらず、スターター紹介の曲はヨーロッパの『ファイナル・カウントダウン』。2万人を超える観客で埋まるプレイオフでこのイントロが流れると、ザ・パレスは殺伐さと熱気に包まれた空間へと変貌する。

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レギュラーシーズンとまったく違う雰囲気での戦いで、アウェイのチームが勝利を手にするには、心身両面でピストンズを上回るタフさが求められた。それは、1991年のマイケル・ジョーダンとブルズ、2006年のマイアミ・ヒート、2008年のボストン・セルティックスが、いずれもNBAタイトルへの道を開いた際、ザ・パレスでピストンズから勝利を手にして成し遂げていたものでもある。2005年と2006年にヒートのアシスタントコーチとしてピストンズとのプレイオフを戦った現指揮官のエリック・スポールストラは、「あんな雰囲気はほかになかった。観客たちは準備万端で、騒々しく、厄介だった。でも、楽しい戦いでもあった」と振り返る。

ピストンズがザ・パレスでの29年間に残した成績は、レギュラーシーズンが732勝432敗、プレイオフが75勝32敗。バッドボーイズのキャプテンだったアイザイア・トーマスが「数多くの素晴らしい思い出がある」と語るように、12年間ミシガン州を拠点に取材してきた筆者も、多くの名勝負やハプニングを間近で目にしてきた。ザ・パレスの数々の名場面を独断で10個選んでみた。

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文:青木崇 Twitter: @gobluetree629

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