ケビン・デュラントのトレード要求やカイリー・アービングの出場停止処分、負傷から復帰したベン・シモンズのスロースタートに、スティーブ・ナッシュ・ヘッドコーチの解任と、シーズンスタート時に荒れたブルックリン・ネッツは、タイトルを競うチームからはほど遠いと思われた。
だが、12月に入ってネッツはジャック・ボーン現HCの下、イースタン・カンファレンスの2位と再生した。23勝12敗はボストン・セルティックスに続くリーグ2位の成績だ。ネッツは2006年の14連勝以来となる今季リーグ最長の10連勝を達成している。
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復活劇の中心にあるのは、デュラントとアービングのダイナミックなプレイだ。そしてその2人のスターが得点を積み重ねていく中で、ネッツは攻守両面において大きく向上した。コート上での彼らのパフォーマンスは、まさに机上で我々が期待していたチームのそれのようだ。
ここ20試合のネッツは17勝3敗。ネッツの広報によると、20試合における成績としては球団最高の記録だ。ここでは、その好調を裏付ける4つの重要なスタッツを見ていこう。
123.4:絶好調の攻撃
10連勝における得点力はすさまじい。オフェンシブレーティングは123.4で、2位のニューヨーク・ニックスに100ポゼッションあたり3.7点差をつけてリーグ首位の数字だ。
ネッツは極めて効率よくショットを決めている。フィールドゴール成功率は51%でNBAトップ。3ポイントショット成功率は39.1%で、これもNBAトップの数字だ。1試合平均27.1アシストは、ゴールデンステイト・ウォリアーズとデンバー・ナゲッツに続くリーグ3位となっている。
17.5:シモンズのネットレーティング
見出しとなってきたのは、デュラントとアービングだ。一方で、シモンズも攻守両面において最もインパクトを及ぼした選手のひとりだった。『NBA.com Stats』によると、ネットレーティングは17.5とチームトップの数字だ。
その多才さでペリメーターからビッグマンのマークまでスムーズにこなし、ヘルプディフェンダーとしても破壊的なシモンズは、守備で試合を変えてきた。ディフェンシブレーティングは106.7とチームトップで、オフェンシブレーティングも124.2とスターターではトップの数字を記録している。
シモンズのプレイが向上したことについて、アービングは「笑顔で楽しみ、競争心を出す彼を見ていると、それだけで彼が自分らしくいられているんだと思える」と話した。
「そうやって自分らしくいられて、僕たちが支えていると信頼してくれている時の彼は、最高の自分でいられると思う」
59.7:好調のデュラント&アービング
リーグ最高のコンビは誰か。今季、この議論で必ず名前があがるのが、デュラントとアービングだ。
10連勝を飾る中で、アービング(29.8得点)とデュラント(29.9得点)は合計で1試合平均59.7得点をあげている。両選手とも、非常に効率的に得点しているのだ。
今季のネッツで目立ってきたのはデュラントだが、アービングは重要な局面になると別次元だった。
第4クォーターに平均9.1得点はリーグトップの数字だ。さらに10連勝中はこの数字が12.0得点に跳ね上がる。
12月28日(日本時間29日)、アトランタ・ホークスに勝利した試合後、アービングは「クォーターごとに自分たちの役割を果たそうと僕らが信頼し合っているのは素晴らしいことだ」と話した。
「全員がチームの一員として、自分がコートに立っている時はアグレッシブでありたいと望んでいると思う。でも、僕は特に、第4Qが勝利をもぎ取るタイミングだと分かっているんだ」
「チームメイトやコーチングスタッフが信頼してくれて、ありがたく思っている」
7:クラッチタイムが好調
ホークス戦は最後のポゼッションまでどうなるか分からない展開の末、ネッツが108-107と競り勝った。ネッツは試合終盤に見事な実行力を見せ続けている。
10連勝のうち、6試合は6点差以内の勝利だった。また、10試合のうち7試合はクラッチゲーム(5点差以内で残り5分を迎えた試合)でもぎ取った白星だ。
2022年のネッツは残りあと1試合。新たな攻撃のリズムと実行力を見いだしたネッツは、優勝への希望を取り戻し、ますます勢いに乗りそうだ。
原文:Four key stats to know from the Brooklyn Nets' league-best 10-game win streak(抄訳)