6月12日(日本時間13日)に行われたNBAファイナル2023第5戦、マイアミ・ヒート対デンバー・ナゲッツの一戦は、ナゲッツが94-89で勝利し、シリーズ4勝1敗として球団初優勝を飾った。
ひざの負傷で過去2シーズンを棒に振り、復帰した今シーズンに優勝を果たしたナゲッツのジャマール・マレーが、試合後に報道陣の質疑に応じている。
――この2年の旅路について聞かれた時、目に涙を浮かべていた。あの瞬間はどう思ったのか。
本当に言葉にするのが大変だった。今もそうだよ。抑えられなかった。とにかく現実じゃないみたいだったよ。一度にすべてがきたんだ。これまでの道のりやみんなとのお祝い、その瞬間を楽しむことや、リハビリを思い出したり、子どものころの自分を振り返ったりね。
とにかく自分が生涯かけて取り組んできたことだったんだ。マイク(マイケル・ポーターJr.)が言ったと思うけど、真のバスケットボールマンはみんな、この舞台に立って試合を戦い、この瞬間にいたいと思うものだ。振り返ると、リハビリでは歩くこともできなかったり、階段を昇ったりした。1か月や2か月じゃない。長い期間だ。様々なことが頭をよぎった。たくさん泣いた。本当にたくさん、血と汗と涙を流してきたんだ。
とにかく自分を完全に信じた。僕を完全に信じてくれるチームがいた。それで十分だった。とにかくこういう光景を見ることができたのは素晴らしい。
――もうここに来て長いが、初優勝は球団とファンにとってどういう意味があるだろうか。
観客で分かるでしょう。とにかく興奮だよ。僕たちのホームコートが最高なのは理由がある。シーズンを通じて感じていた。僕らが傷ついた、ここ数シーズンもね。とにかく彼らは僕たちのためにそこにいてくれたんだ。エネルギーがない時は、彼らが与え、もたらしてくれた。いくつかショットを決めたり、普段以上の気迫を見せるためのエネルギーを与えてくれたんだ。本当に助けてもらった。だからこそ、みんなホームでのプレイが大好きなんだよ。
このファンにはいくら叫んでも足りないくらいだ。デンバーの街、クロエンケファミリーのことを思うとうれしい。本当に、本当に、僕らはこれを勝ち取ったんだ。
現実じゃないみたいだよ。今はこういう質問に答えるのが大変だ。
――あなたのリハビリの過程はひとつの旅だった。多くの人があなたを疑った。言うべきことは?
僕もそうだったと言わざるを得ないさ。自然なことだよ。自分を疑う時は、好転させる方法を見つけようとするものだ。どんなスポーツでも、どんなケガでも、どういうキャリアでも、困難に直面した時には、その終わりを迎えた自分を思い描くんだよ。
ザック・ラビーンは大きな助けとなってくれた。リハビリ中に話したんだ。まだこれをしているのか、どう感じるべきなのか、何を期待すべきなのか、とかね。ダニーロ・ガリナーリやビクター・オラディポ、クレイ・トンプソンといった選手たちは、やれると示してくれた。
全力で取り組めばどうにかなると分かって、とにかく自分も若くして困難を経験した小さい子どもたちにとってのインスピレーションになりたかった。必要なのは心構えなんだ。僕はそういう心構えで育ってきた。とにかく、ひざの前十字じん帯断裂を経験してきて、こうやって達成できたのは信じられないよ。夏も本当の仕事に取り組めず、復帰したばかりのシーズンだったんだ。
僕はまだこれからだ。まだ痛い日もあったりする負傷明けのシーズンにこれができるなら、またやれるはずだと分かっている。