2022-2023シーズンのNBAレギュラーシーズンは残り3週間を切ったが、ウェスタン・カンファレンスの順位がどうなるかはまだまだ分からない。
西地区はほとんどシーズンを通じて常に混戦状態だった。そしてデンバー・ナゲッツ、サクラメント・キングス、メンフィス・グリズリーズが抜け出しているだけだ。
彼らから下は、9チームが3つのプレイオフ進出枠と4つのプレイイン・トーナメント出場枠を競っている。そして過去に学んだように、プレイオフ進出を決めるのとプレイイン・トーナメントを戦うのとでは大きな違いがある。
かかっているものは大きい。では、ポストシーズンに向け、最も重圧を感じているのはどこだろう？
現在のNBAの順位表
（現地3月20日終了時点）
ウェスタン・カンファレンス
| シード | チーム | 成績 | ゲーム差 |
| 1. | ナゲッツ* | 48-24 | — |
| 2. | グリズリーズ | 44-27 | 3.5 |
| 3. | キングス | 43-28 | 4.5 |
| 4. | サンズ | 38-33 | 9.5 |
| 5. | クリッパーズ | 38-34 | 10 |
| 6. | ウォリアーズ | 37-36 | 11.5 |
| 7. | マーベリックス | 36-36 | 12 |
| 8. | ウルブズ | 36-37 | 12.5 |
| 9. | サンダー | 35-36 | 12.5 |
| 10. | ジャズ | 35-36 | 12.5 |
| – | レイカーズ | 35-37 | 13 |
| – | ペリカンズ | 34-37 | 13.5 |
| – | ブレイザーズ | 31-40 | 16.5 |
*プレイオフ進出確定
※ヒューストン・ロケッツとサンアントニオ・スパーズはプレイオフ不出場確定
NBAプレイイン・トーナメント出場を巡る重圧
重圧なし：ジャズ、サンダー
この2チームは開幕から10試合の時点でポストシーズン進出を競うとは思われていなかった。
ユタ・ジャズとオクラホマシティ・サンダーは予想を上回り、プレイオフ進出で予定を先んじていることを証明する機会を得ている。かつて再建とみなされていたことが、今では刷新と評すのがぴったりであり、今後大きな興奮をもたらす源となるはずだ。
サンダーはポストシーズンを戦うことになろうがなるまいが、その将来にとって損害にはならない。ロッタリーピックを逃すことになるかもしれないが、来季は初日の影響が近年のドラフト指名で最も大きくなるチェット・ホルムグレンが加わる。
ジャズはプレイオフに進出した場合も、ドラフト指名権をたくさん手にしている。だが全体として、球団が成長するための若いタレントを多く抱える素晴らしい立場にある。
そしてプレイオフを逃した場合でも、今季の成果や実績が失われることはない。簡単に言えば、何があっても、ジャズとサンダーの双方にとっては、ウィンウィンということだ
やや重圧：ペリカンズ
ある時点で西地区のトップにも立ったペリカンズだが、その後はケガに苦しめられた。
ザイオン・ウィリアムソンの存在で、ペリカンズは昨季のプレイイン・トーナメントの成功からさらに築き上げると見られていた。だが、ウィリアムソンが離脱し、ブランドン・イングラムらの負傷により、彼らは後退している。
シーズンの早い段階で期待が高まったのは、手遅れになる前に救わなければいけないというプレッシャーになった。だが、チーム最高の2選手が長期間不在なのは、こういう展開となったことの言い訳ではなく、もっともな理由と言えるだろう。
期待や負傷、その他の問題など、様々な状況により、ペリカンズは独特な立場にある。
重圧大：サンズ、クリッパーズ、マーベリックス、ウォリアーズ、ウルブズ、レイカーズ
その他の4チームと違うのは、フェニックス・サンズとロサンゼルス・クリッパーズだ。今季はともに正当なタイトル候補であり、勝ち進んでいくための最高のポジションを手にしなければいけないというプレッシャーが大きい。
両チームのロスターが擁するタレントを考えれば、それはまったく理にかなっていることだ。
一方、ディフェンディングチャンピオンのゴールデンステイト・ウォリアーズには、タイトル防衛というプレッシャーがあり、スイッチを入れることができるはずだと期待されているだろう。今季の彼らはロードで苦しんできた。プレイオフではどのシリーズでも必要なことだ。
ダラス・マーベリックスはルカ・ドンチッチという世代を代表するタレントを擁し、さらにトレードデッドライン（トレード期限）を前にカイリー・アービングを獲得したことで、成功への期待値がすぐに高まった。両者のかみ合い具合は微妙で、ケガもあったが、すでに歴代有数という存在に向かっているドンチッチを抱える中で勝たなければいけないというプレッシャーは大きい。
ロサンゼルス・レイカーズについては、彼らはレイカーズなのだ。彼らはとにかく卓越を期待される。そしてチームはアンソニー・デイビスとレブロン・ジェームズを生かすべく、トレードデッドラインにマリーク・ビーズリー、ディアンジェロ・ラッセル、ジャレット・バンダービルトを獲得した。ジェームズの負傷で期待値が下がったかもしれないが、2年連続でポストシーズン進出に失敗すれば、今回は失望とみなされるだろう。
最後になったが、決して軽んじられないのが、ミネソタ・ティンバーウルブズだ。オフシーズンに彼らはジャズからルディ・ゴベアを獲得した。カール・アンソニー・タウンズの負傷は痛手となったが、2人のビッグマンの相性はよく言っても複雑で、アンソニー・エドワーズの成長も妨げた。
今後のドラフト指名権も非常に少なく、即座にウルブズはすぐ勝つためにうまくやらなければならない。彼らは、いずれ勝つために動いたのではなかったのだ。
原文：Western Conference Play-In race: Lakers, Mavericks running out of time to make tournament（抄訳）