日本時間10月21日(現地20日)、スコシアバンク・アリーナで渡邊雄太が所属するトロント・ラプターズと、八村塁のワシントン・ウィザーズが2021-22シーズン初戦で対決する。渡邊と八村の欠場が発表され、待望された日本人対決の実現はならなかったが、両チームともにロスターに大きな変化があっただけに要注目の一戦となる。
勝負のポイントは司令塔対決
とりわけウィザーズのスペンサー・ディンウィディーと、ラプターズのフレッド・バンブリートの司令塔対決は見逃せないポイントだ。ウィザーズはラッセル・ウェストブルックをロサンゼルス・レイカーズに放出し、カイル・クーズマ、モントレズ・ハレル、ケンテイビアス・コルドウェル・ポープなどの実力者を加えたが、なかでもディンウィディーはウェストブルックの後釜として大きな期待が懸かる。
昨季は右膝前十字靭帯を部分断裂してほぼ全休するも、プレシーズンではペイント内へのドライブや3ポイントシュートなどアグレッシブに攻め、平均13.5点を挙げた。ターンオーバー数も4試合でわずか6回とミスが少なく、ウェストブルックとは対照的な試合運びが光る。ブラッドリー・ビールの新相棒として、エースをどこまで気持ちよくプレイさせることができるか実力の見せ所だ。
対するラプターズはチームの象徴的存在だったカイル・ラウリーがマイアミ・ヒートに移籍。今季からリーダー役は生え抜き6年目のバンブリートが担う。プレシーズンでは状況に応じて得点やプレイメイクのバランスを取って、巧みにチームをコントロールしたが、「史上最高のラプター」と尊敬する師匠ラウリーが抜けた穴を果たして本番でも埋められるか。その真価が問われる。
ウィザーズは課題の守備が勝利へのカギ
ウェス・アンセルドJr.を新指揮官に招聘したウィザーズは、守備の改善が今季の大きな課題だ。しかし、4戦全敗だったプレシーズンではディフェンシブ・レーティングがリーグ最下位(112.4)と問題はまだ解決していない。
ただ昨季20位(14.4)だった平均ターンオーバー数は13.8回と減少。指揮官は開幕前の会見で「ターンオーバーを減らせば、守備をしっかりと整えることができる。今季はそこに焦点を置く」と昨季多かったミスからの失点を減らすことがレベルアップに繋がると説明したが、開幕戦で実行できるか見ものだ。
一方のラプターズは、プレシーズンでオフェンスが好調だった。オフェンシブ・レーティングは8位(108.2)、3ポイント成功率は5位(37.1%)、アシストは9位(25.4)と、仕上がり度の高い状態でシーズンに乗り込む。
とりわけ好調なのはOG・アヌノビーだ。4試合でチームトップの平均19.2点、FG成功率52%、3ポイント成功率54.2%と得点源として躍動。向上したボールハンドリング力を駆使してペイントへ果敢に攻め込むなど、中心選手としての自覚が芽生えたことを印象付けるプレシーズンだった。エースのパスカル・シアカムが開幕に出遅れるため、その分積極的に攻めていくことが求められるが、今季のブレイク候補に挙がる24歳は周囲の期待に応えられるか。
八村、渡邊の2人は不在だが、変化のオフを過ごした両軍による一戦は必見。11月4日(同3日)に予定される次回の直接対決をより楽しむためにも、まずはその戦力をチェックしよう。