9月23日(日本時間24日)、ワシントン・ウィザーズの八村塁がキャピタル・ワン・アリーナで実施されたチームのメディアデーに出席し、記者会見に登場した。以下、会見でのメディアとの質疑応答の抜粋。
※前半は英語、後半は日本語での質疑応答。英語部分は翻訳、質問は要約。
みんなにわかってほしいのは、僕たちも人間なんだということ
――日本への旅で最もエキサイトしていること。
八村:ひとつ心配しているのは、フルに過ごせるのは4日しかないことです。日本に行って、いろいろ見ようと思ったら、1週間半くらいは必要だと思うので。それでもいくつかのものを見にいけるとは思います。チームのみんなのためにディナーを計画しています。そのディナーは楽しんでもらえるでしょうし、中心地にある店を選んだので、みんなに違う文化に触れてもらえるはずです。それ以外にも自由な時間が少しあって、いくつか違うものを見てもらえるでしょう。
――元ウィザーズのジョン・ウォールがメンタルヘルスに苦しんできたことを告白したが、それはリーグ全体にとってどういう意味があると思うか。
八村:(メンタルヘルスの件は)難しいことです。僕は今季が4年目ですが、NBAについてひとつ学んだのは、スケジュールとプレッシャー(が大きいこと)です。毎日、トップアスリートを相手にプレイするのは、普通のことではありません。それができる僕たちは特別で、だからこそここにいるのですが、みんなにわかってほしいのは、僕たちも人間なんだということです。私たちのメンタルヘルスにもフォーカスしてほしいですし、今、多くの人たちがそれぞれのストーリーをシェアしているのはいいことだと思っています。
――今夏のオフシーズンを振り返って。
八村:(今夏が)人生で初めてのオフシーズンでした。日本にはオフシーズンがありません。バスケをするなら1年中バスケをして、野球をするなら1年中野球をします。(アメリカとは)少し違うんです。だから、僕にとってこれが初めてのオフシーズンであり、自分自身のことに集中し、練習もできました。コーチと一緒に(練習し)、チームともコミュニケーションをとり、次のシーズンに向けていいオフシーズンが過ごせました。
――WNBAワシントン・ミスティックスでプレイした町田瑠唯の活躍について。
八村:今夏、僕がここにいる間に何度か彼女に会いました。僕と彼女は同じ名前です。「ルイ」はそんなによくある名前ではないので、変な感じでした(笑)。彼女がここに来ると聞いてとても嬉しかったです。NBAとWNBAは世界最高級のリーグです。僕と彼女という日本人が同じステージに立てたのは名誉なことなので、ハッピーでした。
――昨季向上した3ポイントショットについて。
八村:3Pは自信がついたことが大きいのでしょう。今夏を通じてまた練習してきました。ご存知の通り僕はミッドレンジのプレイが好きですが、3Pを打つことによって、そういった自分の好む場所に行って、シュートを打ったりといった僕のゲームがより容易になります。3Pは僕が次の段階に進むのを助けてくれます。
――3P以外に課題とすべき点。
八村:チームのケミストリー(を養成すること)です。僕の1年目から、毎シーズン、新戦力が加わって来て、そういう選手たちに適応してきました。今季も大きなステップになります。オフシーズンを経験して迎えられる初めての年であり、チームケミストリーを磨くために1か月前にはLA(ロサンゼルス)でミニキャンプを張りました。これまでにはできなかったことです。僕にとっても、チームにとってもよかったですし、オフにはもっとそういうことができるといいと思います。僕とチームの助けになるはずです。
※以下、日本語での質疑応答。
――今季はウィザーズとの契約の最終年であり、来年にはFIBAバスケットボールワールドカップもあるということで、大切な1年になる。今季にかける気持ちは。どんなプレイをみせたいか。
八村:契約の年というのもあると思うんですけど、僕の目標としてはチームが勝てるように(したい)。去年もプレイオフに出ていないので、それに向けてやっていくだけです。その後に僕の契約のこととかワールドカップのことがついてくると思う。まずはこのシーズンに向けてしっかりと集中したいと思います。
――日本代表のトム・ホーバス・ヘッドコーチとは話したか。
八村:1回、こちらに来てくれたので、そのときに話しました。
――具体的に課題は与えられたのか。
八村:いや、そこまでは(なかった)。何回か会ったことはあるんですけど、(男子代表の)コーチになってからは会っていなかったので、最初の段階として挨拶程度です。
――来週のジャパンゲームズでは日本のファンにどんなプレイを見せたいか。
八村:楽しみにしています。ジャパンゲームズは僕がドラフトされてから、ずっと話していたこと。コロナもあって、全然できなかったので、今年ここまで来れて、日本の皆さんの前でNBAゲームができるっていうのは僕にとっても嬉しいです。すごく楽しみなことなので、皆さんにも楽しみにしていてほしいです。
編集協力:杉浦大介 @daisukesugiura