NBAのトレーニングキャンプが始まった。
10月18日(日本時間19日)に開幕する2022-23シーズンに向け、オフシーズンに新たに誕生した興味深いコンビをチェックしていこう。
ミッチェル&ガーランド(キャバリアーズ)
彼らはこの夏、自分たちがチームメイトになるということを知らずにワークアウトに参加している。その中で、ダリアス・ガーランドはクリーブランド・キャバリアーズに加入することになるドノバン・ミッチェルを刺激していた。
ガーランドとの夏のワークアウトについて、ミッチェルは「自分がかなりうまいシューターだと思っているけど、彼もまさにそうだね」と述べている。
「彼についていこうとしているよ。ワークアウトで彼はレベルアップしなければいけないと思わせてくれた。毎日のワークアウトや練習でそれができれば、同じチームになった今、試合になったらスペシャルだろうね」
9月1日(同2日)にミッチェルがキャバリアーズにトレードされ、ガーランドとは得点力のあるダイナミックなバックコートコンビになるはずだ。守備面での効果に疑問があるのは当然だが、キャバリアーズのJB・ビッカースタッフ・ヘッドコーチはジャレット・アレン、エバン・モーブリーという、運動能力のある2人のビッグマンでバックコートを守るつもりだ。
カニングハム&アイビー(ピストンズ)
運動能力のあるダイナミックな21歳のケイド・カニングハムと20歳のジェイデン・アイビーは、今後数年にわたってデトロイト・ピストンズの先発バックコートコンビになるかもしれない。少なくとも、現時点ではそれがプランだ。直近2年のドラフトで全体1位と全体5位で指名された彼らは、長くオールスターに選出される潜在能力を秘めた新星たちである。
アイビーはスピードと爆発力、切れ味鋭い攻撃力をもたらす。ボールのないところでのプレイ経験も豊富(パーデュー大学ではボールを支配していたが)。これらの特長は、カニングハムの冷静で洗練されたプレイメーク能力とうまくかみ合うはずだ。
もうひとつのアイビーの特長は守備だ。新人にしては高いレベルで守ることができる。それはおそらく、攻撃で主なプレイメーカーとしてエネルギーを費やすカニングハムの重圧をある程度和らげてくれるはずだ。
ピストンズは2022年ドラフト全体13位指名のジェイレン・デューレン、2020年ドラフト全体16位指名のアイザイア・スチュワート、同全体19位指名のサディック・ベイもいるだけに、コンビではなくトリオを話題とすべきかもしれない。いずれ、スターター全員がドラフト1巡目指名選手のみとなることもあり得る。
グリーン&スミスJr.(ロケッツ)
サマーリーグでの出来で、今年のドラフトで全体3位指名されたジャバリ・スミスJr.に対する印象が悪くならなかったことを願う。今季、ジェイレン・グリーンと一緒になることで、彼は違う選手になるだろう。
ラスベガスでのサマーリーグで、スミスJr.はフィールドゴール成功率37.7%、3ポイントショット成功率25.9%だった。だが、守備では多才ぶりを披露している。経験あるNBAのタレントと一緒にプレイし、グリーンによってもっとうまく有利なスポットでボールを持てるようになれば、スミスJr.の数字は良くなっていくはずだ。
2021年のドラフトで全体2位指名されたグリーンも、昨季序盤は苦しんだ。だが、レギュラーシーズン最後の9試合では平均30得点近くを記録し、オールルーキー・ファーストチームに選出されている。
ロケッツはゆっくりと再建しているところだけに、グリーンはすでにファンに忍耐を求めている。スミスJr.が良い位置でショットを打てるようになることで、新シーズンに再建へのスピードを速めることができるかもしれない。ショットが決まるようになるまでも、スミスJr.には安定した守備の力がある。
ヤング&マレー(ホークス)
サンアントニオ・スパーズでデジャンテ・マレーと一緒だったことで、アトランタ・ホークスのランドリー・フィールズGMは彼がトレイ・ヤングといかに合うかを見抜いていた。今オフシーズン有数の大きな取引で、ホークスはダニーロ・ガリナーリやドラフト1巡目指名権3つを手放し、マレーを獲得した。NBAで有数のペリメーター・ディフェンダーであるマレーは、攻撃でもトリプルダブルを達成できる選手に成長を続けている。
マレーは攻撃でヤングに続くクリエイターになる。それにより、ヤングはもっとボールを持たないプレイができるようになるだろう。昨季、ヤングはキャッチ&シュートの3P成功率が48.1%だった。マレーが加わったことで、スクリーンから決めるショットが昨季以上になるはずだ。
ディフェンスではマレーがすぐにペリメーターでのカバー力を高めてくれ、それは守備の破たんを最小限に減らすはずだ。マレーがホークスに何をもたらせるか、ジョン・シューマン記者が映像で分析している。
タウンズ&ゴベア(ティンバーウルブズ)
ルディ・ゴベアの入団会見で、ミネソタ・ティンバーウルブズのクリス・フィンチ・ヘッドコーチは彼を「球団にとって完璧なタイミングで完璧にフィットする選手」と表現した。獲得するために手放した資産のすべてを考えれば、そうでなければならない。2020-21シーズンの23勝から昨季46勝と向上したウルブズは、ゴベアが自分らに足りない、次のレベルに至るのに必要なピースと信じている。
攻撃でのゴベアはロブパスから安定して相手の脅威になる。彼は強力なスクリナーであり、昨季の3Pコンテスト覇者であるカール・アンソニー・タウンズが、2021-22シーズンの1試合平均試投4.1本よりもっと自由に3Pを打てるようになるはずだ。そして守備に関して、年間最優秀守備選手賞を3回受賞したゴベアはいつもの役割を担うだろう。
2億2400万ドル(約302億4000万円/1ドル=144円換算)の延長契約を結んでから、タウンズは「(ゴベアの)トレードがあった」と述べている。
「もう時間の猶予はない。これ以上言い訳はなしだ。僕たちは今、成し遂げなければいけない。優勝するか、終わりかだ」
リラード&グラント(ブレイザーズ)
デイミアン・リラードは昨年、東京オリンピックで金メダルを獲得したアメリカ代表でジェレミー・グラントと一緒にプレイした。1年以上にわたってポートランド・トレイルブレイザーズが追いかけていたと報じられるグラントを好んでいたのだ。
ブレイザーズはジョー・クローニンの下で、7月に2年のマックス延長契約にサインしたリラードを中心としたロスターをつくろうと、いくつかの手を打ってロスターを大きく見直した。
オフシーズン最初の動きとなったグラントの獲得について、リラードは「ジェレミー獲得は大きかったと思う」と楽観している。
「ウィングの深みが必要だ。運動能力のある多才な選手がいなければいけない。デンバー(ナゲッツ)やオクラホマシティ(サンダー)では勝ち越したチームでプレイし、ピストンズではそれ以前よりも大きな責任を背負った。それでより優れた選手になったと思う」