ロサンゼルス・クリッパーズのトップは9月22日(日本時間23日)、チームの優勝の可能性を巡り、運命を最も左右するような点について楽観的な見解を示した。
それは、スター選手であるカワイ・レナードと、彼の健康状態にほかならない。レナードは右ひざの前十字靭帯修復手術からの回復を目指し、2021-22シーズンを全休している。
クリッパーズのバスケットボール運営部代表であるローレンス・フランクは、チームの練習施設で「彼は素晴らしい感じだ」と話した。
「彼はすべてに参加するつもりだよ」
レナードの才能と仕事習慣、そして回復ぶりを楽観しているものの、クリッパーズの計画は本人と異なる。レナードはこのオフシーズン、フランクが「とてもコントロールされたバスケットボール」と表現したトレーニングに参加してきた。フランクによると、チームのメディカルスタッフはそのレナードに、トレーニングキャンプ中に5on5で競うことを許可したという。だがフランクは、トレーニングキャンプやレギュラーシーズンである程度レナードの起用を限定すると示唆した。
フランクは「慎重を期していく」と述べている。
「一歩ずつ進めるアプローチとなるだろう」
クリッパーズは9月27日(同28日)からラスベガスでトレーニングキャンプを開始。9月30日(同10月1日)からプレシーズンマッチに臨む。これらの練習や試合にレナードがどれくらい出場するかは不明のままだ。フランクは、バック・トゥ・バック(2日連続試合)が15回のレギュラーシーズンを含め、レナードの仕事量がどれくらいになるかは分からないとした。
フランクは「彼がどうするか、あるいは何をしないか、我々が予測することはない。私が知るのは、彼がすべてをやりたがっているということだけだ」と話している。
「それから『これは彼の肉体にとって最善なのか?』と把握していくよ。ある日はそれが最善かもしれない。次の日は再評価が必要かもしれない。カワイやメディカルチームのフィードバック次第だ」
クリッパーズが慎重なのは、レナードの健康が、昨季のプレイオフを逃したチームが新シーズンのプレイオフで勝ち進めるか(そしてNBAファイナルまでたどり着けるか)を最も左右し得るからだ。
2021年のユタ・ジャズとのウェスタン・カンファレンス・セミファイナル第4戦で負傷したレナードは、昨季のレギュラーシーズンとプレイイン・トーナメントの2試合を欠場した。ジャズとの第4戦からシーズン終了まで、クリッパーズは負傷とCOVID-19(新型コロナウイルス)関連で387試合も欠場があったのだ。ポール・ジョージも(主に右ひじのケガで)51試合を欠場し、ニューオーリンズ・ペリカンズとのプレイイン・トーナメントもCOVID-19陽性で欠場した。
以降、フランクはジョージの右ひじが「100%健康」で、「極めて目的意識が高く、意欲的で生産的なオフシーズン」を過ごしたと称賛した。レナードについても、強化トレーニングやコート上でのドリル、午前7時からの映像研究など、5時間に及ぶこともしばしばのワークアウトで「目的意識に満ちた仕事」をしてきたと満足している。
フランクは「健康な時の準備と同じメンタリティーでリハビリに臨んだ」と話した。
「カワイは知識欲がおう盛で、ケガやリハビリに関するすべて、そして最善の方法を学びたがる。日々のアプローチで分かるんだ。それこそ、勝つために大切なことだよ。派手でしゃれたことじゃないんだ。多くの場合、以前よりも健康になり、以前より向上するために必要なのは、単調な日々の奮闘に毎日励むことなんだよ」
レナードの復帰を楽観しているものの、クリッパーズは回復の最終段階に関して慎重であり続けるつもりだ。今回のケガの前にも、レナードは様々な問題への対処と適切な回復のために、2019-20シーズンの15試合、2020-21シーズンの20試合を欠場している。
10月20日(同21日)のロサンゼルス・レイカーズとの開幕戦に出場したとしても、レナードが回復に要した期間(16か月半)は、大半の選手が前十字靭帯の負傷から復帰するのに要した期間(12~15か月)より長くなる。それでも、クリッパーズは、慎重に対処しなければ軟部組織のケガがいかに選手の肉体に影響するかに気を配っているのだ。
フランクは「コンスタントにコミュニケーションをとり、彼の現状を見ている」と述べた。
「選手が本当に進めたがり、すべてをしようとする時が最も大変だ。とにかく見極め、話し合う。全員が同意できるのは、『何が目標でそれを達成するための最善策は何か』という点だ。こういう深刻なケガからの復帰では、近づいた時に少し注意しなければいけないんだよ」
原文:KAWHI LEONARD CLEARED FOR 5-ON-5 DRILLS AS CLIPPERS REMAIN CAUTIOUS(抄訳)