NBAの球団はチームを率いる頼れるポイントガードなくして成り立たない。ここ数年ニックスに浮上していたこの問題の答えを、球団はやっと見つけたようだ。
ニックスはこの夏、26歳のジェイレン・ブランソンと4年1億400万ドル(約194億6千万円/1ドル=139円換算)で契約し、事実上、ブランソンに球団の将来を委ねるというコミットメントをしたことで話題になった。その結果、ブランソンはニックスの長い歴史における開幕戦の11番目の先発ポイントガードとなった。期待されているのはもちろん、今度こそ成功することだ。
序盤の結果を見る限りでは、ニックスのブランソンの起用は正しかったことを示唆している。
サンプルサイズは小さいが、ブランソンの序盤の印象は重要だ。なぜなら、それは、ニックスがここ数十年で最も安定したクリエイターを獲得したという長期的な意味を持つためだ。
クリエイター、ジェイレン
「スコアラー」や「プレイメイカー」ではなく、ここで「クリエイター」という表現を使っていることに注目してほしい。それは、ブランソンが自分自身とチームメイトのためにクリエイトすることによって、スコアラーとプレイメイカーの両方の役割を十分に果たしているからである。
ニックスとしてプレイした10試合で、ブランソンは1試合平均19.7得点(フィールドゴール成功率50.7%)、7.3 アシスト、4.0 リバウンドを記録している。その上、1試合平均のターンオーバー数は2以下だ。
まだ時期尚早ではあるが、過去40年の間にニックスの先発ポイントガードを50試合以上務め、1試合平均少なくとも15得点、6アシストを記録した選手は4人しかいない。直近は2010-11シーズンに1試合平均17.1得点、9.0アシストをあげたレイモンド・フェルトンだ。
ブランソンの効率性から言えるのは、彼がやっていることは持続可能であることで、それは彼がそのリストの5人目になる可能性が十分にあることを意味している。
ブランソンがまだ自分のスタイルを模索し、チームメイトと一緒にプレイする方法を学んでいる状況でここまで良い感じだとしたら、ニックスファンはこれから起こることに期待を膨らませてもいいだろう。
未来のポイントガード
ブランソンの契約の期間でわかるように、彼への投資は長期的なものだ。ブランソンは今回の契約の最終年に29歳になる。それはつまり、今後数年のうちに延長契約を獲得するか、あるいは再契約の時期が来たらまた大型契約を獲得する可能性があるということだ。
ブランソン(26歳)を含め、ニックスのロスターには26歳以下の選手が12人いる。たとえば、RJ・バレット(22歳)、クエンティン・グライムズ(22歳)、イマニュエル・クイックリー(23歳)、キャム・レディッシュ(23歳)、ミッチェル・ロビンソン(24歳)、オビ・トッピン(24歳)などだ。簡単に言うと、ブランソンは、ほぼ同じタイムラインで成長していく若手グループの年長のリーダーになる。
今シーズン、ブランソンがニックスの中核となる3選手とより強い絆を築いていくの同様に、ニックスの若手コア選手の育成と成長における彼の影響力は、今後何年にもわたり感じられることだろう。
ブランソンがニックスにフィットするのは、彼がチームメイトの成長を助けることのできる統率力のある天性のリーダーという仕事に適役だからだ。過去に一度、カンファレンス・ファイナルに進出したことのあるブランソンは、ニックスを2000年以来到達していないレベルまで導くために必要なものがわかっている。そしてそこへ導く過程で、ファンの希望を少し取り戻すことができる。それだけを取っても、大きな意味がある。
2022年のオフにブランソンがニックスに加入したとき、明らかに彼はニックスに来たいと願い、ニックスは彼に来てほしいと願っていた。そのお互いの願望とブランソンの勝者としての経歴が結びつくことによって、この組み合わせは成功につながっていくだろう。
原文:In Jalen Brunson, the Knicks have found their point guard of the present and future
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc