フィラデルフィア・76ersとのトレードでブルックリン・ネッツに加入したベン・シモンズは、試合に復帰する具体的な日にちを明言することを避けた。だが、元オールスター選手のシモンズは2月15日(日本時間16日)、ネッツでのデビューに向けて「準備を始めている」と話した。
10日(同11日)のトレードでジェームズ・ハーデンらと引き換えにネッツに加入してから初めて公に話したシモンズ。古巣となった76ersとペンシルバニア州フィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・センターで対戦する3月10日(同11日)の試合に出場するつもりか問われると、シモンズは「そう願っている」と答えた。
フィラデルフィアでの状況に関するここ半年の報道について問われると、シモンズは「僕が本当に話すのはこれが初めてだよね?」と述べている。
「この6か月、みんな何か言っていたけど、誰も何かは分かっていなかった。だから、否定的に言うことは本当にできない。知らなかっただけなんだからね」
「僕は自分が知らないことで誰かを貶めようとしたりはしない人間だ。男として、自分はそうじゃない。最初から家族や友人たちは支えてくれていた。76ersで仕事する友人もたくさんできたんだ。だから、決して個人的なことじゃない。とにかく自分の幸せのため、自分が必要とする場所に行くためだった」。
8月にトレードを志願したシモンズは、10月第2週に76ersに合流したが、その後ドック・リバース・ヘッドコーチから追放されたと報じられた。結局、メンタルヘルスの問題に取り組むために再びチームを離れることになったシモンズだが、今回、「メンタルヘルスの件とトレードは何も関係ない。ひとりの人として自分が対処していたことのひとつだ」と話している。
2021年のイースタン・カンファレンス・セミファイナル第7戦以来となる試合への復帰の道のりに関して、シモンズは「肉体的にはこの6カ月も取り組んできた。だから、フィジカルはかなり良い状態だと感じている」と述べた。
「精神的には、良くなっているところだ。進めているところだよ。でも、正しい方向に向かっていると思う」。
ネッツのスティーブ・ナッシュ・ヘッドコーチも、14日(同15日)に「コート内外で快適になるよう、肉体的な準備にここで取り組んでいけば、精神的にもプレイする準備が整うと思う」と話している。
それがいつになるかは、現時点では不明だ。
トレードの数時間前に電話でケビン・デュラントと話したというシモンズは、トレードを求めることになった状況について、「長年にわたる様々なことの積み重ねで、自分が自分じゃないと思うようになり、自分らしくあるため、人として幸せでいるための場所に戻る必要があると分かった」と話した。
「僕にとっては、それが大きかった。バスケットボールのことじゃない。お金とかでもなかった」
「自分でありかったんだ。自分のレベルのバスケットボールをすることに戻り、自分らしくありたかった。ファンとかコーチのことじゃないし、誰かのコメントでもない。あのシリーズ(カンファレンス・セミファイナル)以前から対処していた個人的なことだったんだ。球団は分かっていた。僕は対処し続け、コートに戻るための正しい場所に来た」。
復帰について、シモンズは「まだ日にちは決まっていない」と話した。一方で、毎日トレーナーとトレーニングし、ウェイトリフティングやピラティスをして、コートでは3on3や4on4に参加している。
シモンズは「みんなの歓迎は素晴らしかった」と述べ、「ここまではとにかく非常にポジティブな経験だった」とつけ加えた。そして、「この経験すべてがある意味で現実じゃないみたいだった」とも認めている。
デュラントやカイリー・アービングと組むことについては、「怖いことになるね」と話した。
「僕らが望んでいるペースでプレイすれば、現実じゃないみたいになると思う」。
この半年のことから、シモンズは一部のファンが自分のメンタルヘルスを疑うかもしれないと理解している。だが、悪気はないものととらえるという。
シモンズは「僕が笑っていることを彼らは喜ぶべきさ」と述べた。
「この6か月は暗い日々もあった。このチーム、この球団に来ることができ、この状況をとにかく喜んでいる。みんな自分が言いたいように言うだろう。この6か月もそうだった。そういうものだ。いつだって、人はみんなそれぞれの意見を持つものだ」。
原文:Ben Simmons introduced in Brooklyn, is ramping up for return(抄訳)