殿堂入りしているニューヨーク・ニックスのレジェンド、ウィリス・リード氏が80歳で亡くなった。
3月21日(日本時間22日)、ニックスは「彼をチャンピオンの中のチャンピオンとした比類なきリーダーシップ、犠牲をいとわない姿勢や仕事ぶりなど、彼が残してくれた基準を保つために、我々はずっと努力していきます。彼のレガシィ(遺産)は永遠に生き続けます」と発表している。
1964年のNBAドラフトでニックスに全体8位で指名されたリードは、同球団での10シーズンを通じて伝説的なキャリアを築いた。
新人だった1964-1965シーズン、リードはオールスターチームに選出され、新人王を受賞。その後もさらに6回のオールスター選出、5回のオールNBA選出を誇り、1969-1970シーズンのMVPにも輝いている。
リードは1970年と1973年のニックスの優勝に貢献。両シーズンでファイナルMVPに選ばれた。1970年のNBAファイナル第7戦、ニックスが優勝を決めた試合の前に、トンネルから足を引きずるリードが登場した場面は、NBAの歴史に残る瞬間のひとつだ。
1973-1974シーズンを最後に引退したリードの背番号19は、ニックス初の永久欠番となった。
引退後、リードは指導者に転身し、1977-1978シーズンにニックスを率いた。1981年から85年まではクレイトン大学で指揮を執り、1985年から88年までNBAでアシスタントコーチを務め、ニュージャージ・ネッツを率いた1988-1989シーズン途中に指導キャリアを終えている。
1982年に殿堂入りしたリードは、1996年にNBA史上最も偉大な50人のひとりに選出。2021年の創立75周年記念チームにも選ばれた。
訃報を受け、バスケットボール界からは追悼の声が上がっている。
NBAコミッショナーのアダム・シルバーは、声明で次のように話した。
「ウィリス・リードは究極のチームプレイヤーであり、見事なリーダーでした。1970年代初頭にニックスを優勝チームとした勝者のスピリットを体現するウィリスの姿は、NBAに関する私の最も古くて大好きな記憶です。彼は素晴らしい情熱と決意でプレイしていました。1970年のNBAファイナル第7戦で周囲を刺激するカムバックを果たしたことは、今でもあらゆるスポーツにおいて最も象徴的な瞬間のひとつです。リーグMVPと2回のNBAファイナルMVPに輝き、NBA創立50周年と75周年の記念チームに選ばれたウィリスは、一貫性を強く誇った素晴らしい選手でした。現役引退後はコーチ、チームエグゼクティブ、そして誇り高き歴史的黒人大学卒業生として次世代を導きました。ウィリスの妻、ご家族、多くのご友人とファンに心よりお悔やみ申し上げます」
また、ドック・リバースは「シンプルに偉大な人でした。リーダー、勝者でした!」と述べている。
原文:Willis Reed dies at 80: NBA world mourns loss of Knicks icon and Basketball Hall of Famer(抄訳)