超RIZIN.2緊急参戦のホベルト・サトシ・ソウザとは?|MMA戦績・経歴

2023-07-28
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(RIZIN FF)

ホベルト・サトシ・ソウザが7月30日(日)の『超RIZIN.2』Bellatorライト級GPに緊急参戦する。因縁の相手AJ・マッキーの代打という形ながら、世界進出の再チャンスに飛びついた。静岡県に根を張る日系ブラジル人としてRIZINの看板を背負ったサトシ・ソウザのプロフィール、戦績を紹介する。

告知:7/30『超RIZIN.2』パトリッキー・ピットブルvsサトシなど注目カードを速報予定!

Bellatorライト級GP緊急代打参戦で大晦日の雪辱を果たすか

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2022年大晦日、「RIZIN vs. Bellator全面対抗戦」(RIZIN.40)の大将戦に抜擢されたRIZINライト級王者ホベルト・サトシ・ソウザは、元Bellatorフェザー級王者AJ・マッキーを迎え撃った。

「(私が)Bellatorの選手と対戦したいと思っていたことは、みんなも知っているだろうし、このチャンスを嬉しく思っています。日本のために、RIZINのために戦うことを約束します」

戦前、サトシはこう豊富を語っていたが、Bellatorの若手トップスターの世界レベルの実力に判定負け。試合後は淡々とした表情だったが、5月6日『RIZIN.42』での再起戦でスパイク・カーライルを判定に下すと、大晦日の黒星が大きな重荷になっていたことを涙ながらに告白した。

次戦は8月以降と思われていたが、7月30日の『超RIZIN.2』のBellatorライト級GP1回戦に出場予定だったAJ・マッキーが大会1週間前に負傷欠場。代わりに白羽の矢が立ったのがサトシだった。

試合までわずか1週間というタイミングながら、RIZINのため、そして自分自身のため緊急オファーを快諾。榊原信行CEOとBellatorとの間での調整の末、試合はそのままライト級GP1回戦として行い、サトシがパトリッキー・ピットブルに勝てばBellator現地大会での準決勝に進むことが確認された。

大晦日に黒星を喫した因縁の相手の代打という形で大きなチャンスを得たサトシ。『超RIZIN.2』で形を変えた雪辱を果たせるか、大注目となる。

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日系ブラジル人のサトシ・ソウザは、18歳のときに日本に移住し、2人の兄弟とともに静岡県浜松の地で鍛錬に励んできた。ブラジリアン柔術のエキスパートであり、サブミッションマジシャンでもあるサトシが、RIZINのトップスターになった経緯について紹介する。

柔術の魔術師、RIZIN王者までの長い道のり

ホベルト・サトシ・ソウザは、ブラジルで過ごした幼少の頃から父アジウソンの教えで柔道とブラジリアン柔術を学び、日本に渡った3兄弟の長兄マウリシオ・ダイ、次兄マルコス・ヨシオを追うようにして静岡県浜松市へと移住。兄弟は同地で『ブルテリア格闘技ジム』を設立し(現在は磐田市でも活動)、今は亡き父から学んだ『ボンサイ柔術』の伝道と鍛錬に励んだ。

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サトシはブラジリアン柔術世界選手権初制覇後(計3度優勝)、DEEPのグラップリング部門『DEEP X』に2007年頃から参戦。2013年に中国のMMA団体『Real Fight Championship(REAL)』でMMAプロデビューを果たしたが、柔術界では兄マウリシオをもしのぐ才能を発揮。数々の大会で制し、ほぼ敵なし状態となっていた。桜庭和志が創設したグラップリングチーム戦イベント『QUINTET』への連続参戦を経て、ついに2019年、RIZIN入りを果たす。

■柔術界の未知の強豪から初代RIZINライト級王者へ

RIZIN入り以前のMMAキャリアは『REAL』での活動のみ知られ、柔術における数々の経歴から「未知の強豪」の扱いだったが、RIZINデビュー戦で北岡悟、第2戦では廣田瑞人という元DEEP王者相手にTKOで連勝した。2019年10月、サトシは3戦目となったRIZINライト級トーナメント 1回戦でジョニー・ケースにMMAキャリア初黒星。MMAキャリア9戦無敗の記録を破られたが、その後、RIZINで5連勝を遂げて見事に挽回していく。

とくに2021年6月には、パトリッキー・フレイレを判定で下したトフィック・ムサエフを倒し、初代RIZINライト級王者となった。試合前のサトシは、世界的にはまだまだ無名に近く「アンダードッグ」であった。だが、そんな疑念を晴らす勝利で世界タイトルを獲得したことは、このブラジル人にとってスペシャルなことだった。遅咲きのMMAスターとしてベルトと注目を手にしたサトシは、MMA専門メディア『MyMMANews.com』に「とてもハッピーな気分だ」と語った。

「この試合は私にとって、とても重要なものなんだ。多くの人が私がこの試合に勝てるとは思っていなかった。Instagramで多くの人が『誰が(ソウザが)勝つなんて思うか』っていう風に言っていたから面白いよね。95%の人々が彼(ムサエフ)が勝つと予想し、私の勝利にはわずか5%しかつかなかったんだからね。この試合は私の人生を変えたよ」。

ソウザはその後、矢地祐介(2021年12月)とライバルのジョニー・ケース(2022年4月)に勝利し、2度の王座防衛に成功。そして2022年大晦日、RIZIN vs. Bellator全面対抗戦の大将として、AJ・マッキー戦に臨んだ。RIZIN初代ライト級王者として、Bellatorの中心選手であるマッキーの技術力に得意の柔術スキルを抑え込まれる場面もあったが、打撃で応戦するなど、メインイベントに相応しいハイレベルなMMAマッチを展開した。

■悪夢の大晦日敗戦を払拭したカーライル戦を経て、急転直下のチャンス到来

マッキーに0-3の判定負けを喫し、キャリア2敗目となったサトシだが、試合後の多くのファンからメッセージを受けとったこともあり「大きなショックはない。負けたけどモチベーションが上がった」と話した。「もっと世界のトップと戦いたい」と意欲を燃やすサトシの再起戦が5月6日の『RIZIN.42』に決まった。次の相手もBellatorからの刺客スパイク・カーライルだった。

元UFC戦士のカーライルを3-0判定で下したサトシは、試合後の勝利者インタビューで、大晦日にRIZIN王者としてマッキーに負けた重圧から、本当は心理的に追い込まれていたことを涙ながらに告白。改めてファンに大晦日敗戦を謝罪した。温かい歓声を浴びたサトシは、この再起戦での勝利で精神的にも解放された。

次戦は8月以降と思われていたが、因縁のマッキーが7月30日『超RIZIN.2』のBellatorライト級GP1回戦(対パトリッキー・ピットブル)を負傷欠場することになり、試合の1週間前というタイミングながら大晦日敗戦の雪辱を期し、緊急オファーを快諾した。

相手のパトリッキーは現在37歳で連敗中だが、元Bellatorライト級王者の実力者だ。しかし、サトシはそのパトリッキーに勝ったムサエフを1ラウンドで葬っている。パトリッキー撃破でBellator現地大会進出が決まる。

■柔術の魔術師が繰り出す必殺の三角絞めを見逃すな

サトシはパウンドでの勝率も高いが、やはり最大の強みは柔術家としての極め技にある。全15勝のうち10勝が「1本勝ち」によるもの。とくに「三角絞め」を得意とし、そのバリエーション「腕ひしぎ三角固め」も危険なシグネチャームーブだ。下からの引き込みやバックを取った瞬間は見逃せない。

ホベルト・サトシ・ソウザ:プロフィール・戦績

  • 氏名:ホベルト・サトシ・ソウザ(Roberto Satoshi Souza / Roberto de Souza)
  • 出身地:ブラジル・サンパウロ(日本在住地は静岡県)
  • 生年月日:1989年9月19日(33歳)
  • 身長:180cm
  • リーチ:185cm(72in)
  • 体重:71.0kg(ライト級)
  • 所属:ボンサイ柔術
  • MMA総戦績:15勝2敗(うちRIZIN戦績8勝2敗)
  • MMAタイトル歴:
    • 初代REALスーパーライト級王座
    • 初代RIZINライト級王座

原文:Who is Roberto de Souza? Record, bio of MMA star and RIZIN champion
翻訳・編集:スポーティングニュース日本版編集部 神宮