総合格闘技イベント「RIZIN」のナンバーシリーズ『RIZIN.47』が、2024年6月9日(日)、国立代々木競技場・第一体育館で開催される。
本記事では、真夏の祭典『超RIZIN.3』に先立ち、堀口恭司vsセルジオ・ペティスやクレベル・コイケvsフアン・アーチュレッタといったビッグマッチが含まれる注目の『RIZIN.47』について、新たな情報が発表され次第、随時更新予定だ。
⬛RIZIN.47│第1弾カード発表は超RIZIN並のビッグカードが2つ
2024年4月19日に『RIZIN.47』の第1弾カードが緊急発表され、まずは3試合が明らかとなった。
▼堀口恭司 vs セルジオ・ペティス
このマッチアップは、約2年ぶりのリマッチとなる因縁カードだ。2021年12月に開催された『Bellator 272』のベラトール・バンタム級タイトルマッチで両者は対戦。序盤、堀口が優勢に試合を進めていたが、4Rにペティスのバックハンドブローが堀口のアゴを捉え、仰向け失神KOという衝撃的な逆転劇をたどった。
今回の対戦はバンタム級契約で、ケージではなく、堀口に一日の長があるリングでの戦いとなる。現在フライ級の堀口にとっては「バンタム級の忘れ物」といえるペティスとの再戦は、「この機を逃したらもうやれるかわからない」という思いでオファーを受けた。
自身のYouTubeチャンネルに投稿した動画で「しっかり綺麗に勝つ」と言い切った堀口だが、パッチー・ミックス戦以来の再起戦となるペティスが再び一発で持って行くのか。どのような展開になるか、一挙手一投足に注目だ。
▼クレベル・コイケ vs フアン・アーチュレッタ
クレベルは、前フェザー級王者ヴガール・ケラモフとの対戦を期待されていたが、ケラモフは現在も母国アゼルバイジャン当局に(フーリガン行為により)勾留されており、代わって、昨年大晦日大会での朝倉海戦における体重超過とKO負け以来の再起戦となるアーチュレッタとの対決が実現した。
元王者同士の対決は、クレベルは柔術を、アーチュレッタはレスリングをバックボーンに持つこともあり、「組み」と「寝技」の攻防が肝となりそうなカード。榊原信行CEO曰く、クレベルにとってアーチュレッタは、ケラモフ以上に厄介な相手になると発言しているが、果たして結末が待っているのか。
また、アーチュレッタは『Bellator』下での契約ではなく『RIZIN』との直接契約での試合となり、「骨を埋める」気概を持って再起に臨むアーチュレッタにどのような影響を及ぼすのかもポイントだ。
▼カルシャガ・ダウトベック vs 関鉄矢
ダウトベックにとって、RIZINでの試合は2018年9月に開催された『RIZIN.13』での朝倉未来戦以来となる。未来戦後に怪我の影響もあってドクターストップによりTKO負けで2連敗を喫したものの、その後、破竹の6連勝を記録し、現在5連続KO勝利中。直近の試合では、PANCRASEやONE Championshipで知られる松嶋こよみを1回TKOで葬っており、カザフスタンの鉄拳として大化けを遂げた。
対するは約1年ぶりの復帰戦となる関鉄矢。『ハマのアイアン・アロー』の異名を持つ、ボクシングを得意とする殴り屋だ。RIZINには2022年から参戦するが、競合の多いフェザー級で存在感を示すには、今勢いのあるダウトベック撃破は至上命題だろう。ボクシング出身ストライカー同士によるKO必至のファイトが期待される。
⬛RIZIN.47│第2弾カードは宇佐美が約1年2か月ぶりの復帰戦、上田幹雄が初の海外勢を相手に
『RIZIN.46』の余韻が残る5月1日、『RIZIN.47』の第2弾カードの発表で、以下3試合が決まった。
▼徳留一樹 vs 宇佐美正パトリック
それぞれ長いブランクからの復帰戦。徳留は、元PANCRASEライト級王者で、2021年の『RIZIN.27』以来、約3年ぶりにMMAに復帰。一方、宇佐美は昨年、MMAとキックボクシングの試合で連敗し、今回の試合で再起を狙う。徳留は戦略と経験を活かして宇佐美を圧倒できるのか、それとも宇佐美が成長を見せ、徳留に隙を与えず攻勢を仕掛けるのか。技巧派の徳留と、パワーヒッターの宇佐美、どちらが復帰戦で勝利を収め、RIZINライト級で生き残るのかが見どころだ。
▼スパイク・カーライル vs キム・ギョンピョ
実力者同士の熱戦が予想されるカードだ。カーライルは2022年以降、3連敗中だが、その中にはベラトール王者のAJ・マッキーやRIZIN王者のホベルト・サトシ・ソウザなどの強豪が含まれる。対するキム・ギョンピョは、最近では同じく『RIZIN.47』に出場予定の宇佐美パトリックやラギモフを1Rで下し、RIZIN2連勝と波に乗る選手だ。今年2月には怪我で欠場し、今回がその怪我からの復帰戦となる。
連敗からの再起を目指すカーライルと、勝利の勢いを保ちたいギョンピョ。二人の強豪海外勢ファイターによる激しい戦いに注目だ。
▼上田幹雄 vs シェミスラブ・コバルチェク
上田は昨年『RIZIN.45』大晦日大会で、格上とされていたスダリオ剛を2回TKOで破り、注目を集めた。今回、RIZIN大会では初めて海外選手と戦う。相手は、ポーランドの格闘技団体『KSW』の新星、シェミスラブ・コバルチェクだ。ここまでのプロ戦績は3戦全勝、全てKOで勝利しているアマチュアエリートだ。
この試合は、『BKFC』(ベアナックル・ファイト・チャンピオンシップ)に続く、海外団体とのクロスプロモーション第二弾カードとして位置づけられている。両団体間での交流を経て、元々KSWデビュー戦が予定されていたコバルチェクを、ポーランドからの刺客として、RIZINで先行デビューさせることになった。
上田は以前から「海外の選手と戦いたい」と公言していたため、その実力がどこまで通用するのか。対するKSWのプロスペクト、アマチュアMMAで20勝(一本×3、KO×2)2敗というコバルチェクの実力もどの程度なのかも、見どころとなる。
⬛RIZIN.47|ベイノアにお仕置きマッチ、中央アジアの強豪を武田が迎撃
5月12日にはジョニー・ケース vs “ブラックパンサー”ベイノア、5月13日にも武田光司 vs ラジャブアリ・シェイドゥラエフが急遽発表された。
▼ジョニー・ケース vs “ブラックパンサー”ベイノア
好試合が多かった『RIZIN.46』の中で、フルラウンド「お見合い状態」のまま終わり、唯一ブーイングの嵐となったベイノア vs 井上雄策。「2人ともこのままなら二度と(RIZINで)使わない」と酷評していた榊原CEOに、両者が公開謝罪した流れで、まずはベイノアが実力者ジョニー・ケースとの査定試合という名の『お仕置きマッチ』を戦うことになった。
ベイノアは井上戦で、米国AKAでの武者修行の成果を見せることなく不毛な打撃戦に固執したが、今回の相手となるケースは、元UFCファイターでありプロボクサー経験を持つ強敵。中途半端な戦略は通じない相手にどう戦うのか。修行の成果を発揮できるのか、それとも……。
▼武田光司 vs ラジャブアリ・シェイドゥラエフ
榊原CEOがシェイドゥラエフとの契約と『RIZIN.47』参戦を公表したあと、誰が「10戦10勝10KOのキルギス人ファイター」の最初の相手になるのか話題となっていたが、『漆黒のヘラクレス』武田光司がその相手となった。武田は『RIZIN LANDMARK 9』でのフェザー級転向初戦で、萩原京平を『塩漬け』にして得意の組みの強さを見せつけたばかり。自身と同じくレスリングをベースにするシェウドゥラエフ迎撃にいの一番で声をあげた。
シェイドゥラエフは、ここまでの10戦すべてで2Rまでに決着させており、チョーク系統の極め技だけでなく、打撃でもKOできるオールラウンダーだ。参戦にあたり「俺の前に立ちはだかる奴らはみんなぶっ潰す」と豪語しており、武田戦がRIZIN制圧の第一歩となってしまうのか、それとも武田が門番としてせき止め、ただの幻想であったことを証明するのか、楽しみな一戦となる。
■RIZIN.47|梅野源治が肘ありのオープフィンガーグローブで緊急参戦!
5月25日に『超RIZIN.3』の追加カードが発表されると同時に6月9日に開催される『RIZIN.47』で梅野源治 vs 魚井フルスイングの対戦が急遽発表された。
▼梅野源治 vs 魚井フルスイング
2023年10月の『RIZIN LANDMARK 6』以来となる梅野源治が、キックボクシングルールの肘ありオープンフィンガーグローブで参戦することを発表した。
また、この試合の発表とともに年内にMMAに挑戦することも明かした梅野。
今回発表されたこの対戦カードは、会見の2日前に榊原CEOからオファーがかかり、今後のMMAの試合を見据え、まずはオープンフィンガーグローブの立ち技での試合が提案されたとのこと。
このオファーを快諾した梅野は、「みなさんに肘を見せたい」と意気込みを表したが、RIZINでの過去の試合ではまだ肘を使っていない。
対するはMMAを主戦場にする豪快なハードパンチャー魚井フルスイングだ。
これまでMMAルールで戦ってきた魚井だが、今回キックボクシングルールでの試合は初となる。
魚井フルスイングは、「このルールなら立ち技でも十分に勝機があると感じた」と自信を示している。
MMAでは4連敗と連敗続きだが、この試合を通してMMAの厳しさを突きつけるのか、はたまた梅野の爆肘が炸裂するのか注目カードだ。
以降、新たな発表があり次第、追記・更新される。
⬛RIZIN.47 対戦カード(全カード試合順確定)
- 第1試合目:RIZIN MMAルール 5分3R(71.0kg)
- 徳留一樹 vs 宇佐美正パトリック
- 第2試合目:RIZINオープンフィンガーグローブキックボクシングルール(※肘有り):3分3R(62.0kg)
- 梅野源治 vs 魚井フルスイング
- 第3試合目:RIZIN MMAルール:5分3R(71.0kg)
- ジョニー・ケース vs “ブラックパンサー”ベイノア
- 第4試合目:RIZIN MMAルール 5分3R(66.0kg)
- カルシャガ・ダウトベック vs 関鉄矢
- 第5試合目:RIZIN MMAルール 5分3R(71.0kg)
- スパイク・カーライル vs キム・ギョンピョ
- 第6試合目:RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)
- 武田光司 vs ラジャブアリ・シェイドゥラエフ
- 第7試合目:RIZIN MMAルール 5分3R(120.0kg)
- 上田幹雄 vs シェミスラブ・コバルチェク
- 第8試合目:RIZIN MMAルール 5分3R(66.0kg)
- クレベル・コイケ vs フアン・アーチュレッタ
- 第9試合目:RIZIN MMAルール 5分3R(61.0kg)
- 堀口恭司 vs セルジオ・ペティス
※上記カードは、大会運営の都合や選手の体調等の理由で変更される可能性がある。
⬛RIZIN.47:概要(日程・会場)
- 正式大会名:Yogibo presents RIZIN.47
- メインイベント:堀口恭司 vs セルジオ・ペティス
- 開始時刻:2024年6月9日(日)12:30開場(予定)/ 14:00開始(予定)
※上記時間は大会運営の都合で前後する - 試合会場:国立代々木競技場 第一体育館(東京都渋谷区)
⬛放送予定(テレビ中継・インターネット配信)
『RIZIN.47』では、ABEMA、U-NEXT、RIZIN 100 CLUB、RIZIN LIVE、スカパー!(スカパー!番組配信)で、PPVライブ中継される。
ネット配信系は前売り税込5000円、当日税込5500円、アーカイブ税込3300円。スカパー!は税込5000円。プラットフォームによっては独自の割引施策が実施される。
ABEMAは、有料会員(ABEMAプレミアム)初回登録の上でのPPVチケット購入で1500円がキャッシュバックされる。
U-NEXTは、キャンペーンページからの有料会員初回登録(31日間無料)で、PPVチケット購入に使える600円分のポイントが手に入る。
テレビ地上波・BSでの放送予定、また、DAZN(ダゾーン)、Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)、SPOTV NOW(スポティービーナウ)、TVer(ティーバー)、Lemino(レミノ)といったスポーツ配信実績のあるサービスでの配信予定はない。
⬛現地観戦チケット
4月15日(月)正午(17日18時まで)にファンクラブ先着先行、RIZIN 100 CLUB先着先行の販売が開始される。オフィシャルサイト先着先行が4月19日(金)正午(19日18時まで)に始まり、一般販売(イープラス、チケットぴあ、ローソンチケット)は4月28日(日)10時からとなる。