3月25日(月/日本時間26日)、ロサンゼルス・ドジャースの練習施設に用意された会見場に登場した2人、そのうちのひとりは誰もがその名を知っていたが、もう1人は初めて公の舞台に姿を現した人物だった。
この会見は、長年にわたって大谷の通訳を務めてきた水原一平氏が賭博の負債を返済するために大金を盗んだとされる一件でドジャースに解雇されて以来、大谷が初めてメディアの前で口を開く場として、全米はもとより、世界中から注目を集めていた。
会見に臨む大谷の横にいたのは、ドジャースのスタッフであるウィル・アイアトン氏だ。アイアトン氏はこの5年あまり、ドジャースのチーム内でもどちらかと言うと目立たない存在のスタッフだった。
そんなアイアトン氏がどうして今回抜擢されたのか。彼の経歴、日本語と英語のバイリンガルになった背景を紹介していく。
大谷翔平の新しい通訳は誰?
大谷の言葉を英語へと訳す大役を担ったのはウィル・アイアトン氏だ。長年にわたってドジャースのチームスタッフとして働いてきた人物である。
アイアトン氏は日本の東京生まれで、もともと日本語を話す環境で育った。10代後半にハワイへ移住すると、野球選手として成功を収め、オクシデンタル・カレッジ、メンロー・カレッジ(ともにカリフォルニア州)でプレーした。2012年にメンロー・カレッジを卒業生総代として卒業した直後、アイアトン氏は野球フィリピン代表としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも参加している。
その後、テキサス・レンジャーズ、ニューヨーク・ヤンキースでインターンとして勤務した後、2016年、前田健太(現デトロイト・タイガース)の通訳としてドジャースで働き始めた。以来8年間、アイアトン氏はチームスタッフとして、パフォーマンス・オペレーションのマネジャーを含む様々な業務を歴任してきた。
チーム関係者の間では『ウィル・ザ・スリル』の愛称で親しまれ、過去には選手たちを盛り上げるダグアウトでのダンスを編み出したりもしている。
この大変なタイミングでMLB屈指のスター選手の事実上のスポークスパーソンとなったアイアトン氏、この先は忙しくなること間違いないだろう。
※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。翻訳・編集:石山修二