大谷翔平『50-50』達成! ホームランと盗塁のMLB記録

2024-09-20
読了時間 約5分
(SN illustration)

大谷翔平はもうすべてを成し遂げたと思っていた矢先、さらにMLB史上前例のないことを達成した。

同一シーズンに50本塁打と50盗塁を記録した選手はこれまでいなかったが、ロサンゼルス・ドジャースのスーパースターは、日本時間9月20日(現地19日)のマイアミ・マーリンズ戦で6安打、3本塁打、2盗塁、10打点を記録し、MLB史上初の「50-50」クラブに加わった。大谷は「40-40」に続き「50-50」も同日達成となった。

ドジャースは大谷が昨年9月に肘の手術を受けて今季は投球できないため、2024年は大谷の価値が例年より限られる可能性があることを知っていたが、それでもオールスターに4回選出された大谷は3度目のMVP獲得に向けて素晴らしいシーズンを過ごしている。「50-50」達成は、日本のスーパースターにとって歴史に残るシーズンの締めくくりとなるだろう。

『スポーティングニュース』は、大谷の今季成績、大谷の本塁打と盗塁のペース、MLBのシーズン最多記録などをまとめていく。

2024年 大谷翔平の成績

試合 打率 本塁打 打点 盗塁 OPS OPS+
153 .301 53 123 55 1.024 186

大谷翔平の本塁打ペース

大谷は9月20日(現地19日)のマーリンズ戦で50、51盗塁と、3打席連続となる49、50、51号ホームランを放ち、MLB史上初の「50-50」を達成した。

関連記事:【9/22見どころ】大谷、イチローの記録までM4|MLB2024ロサンゼルス・ドジャース対コロラド・ロッキーズ(外部配信)

この4年間で大谷が達成したことを振り返っても、50本塁打は大谷にとって初めてのことだ。2023年までの自己最多本塁打は、ロサンゼルス・エンゼルス時代の2021年に記録した46本塁打だった。大谷は50本塁打に到達する前にすでにその記録を上回っており、今シーズンは「50-50」という誰も成し遂げなかった記録を打ち立てている。

加えて、大谷はドジャース史上初めてシーズン50本塁打を打った選手となった。それまではショーン・グリーンが2001年に49本塁打で球団記録を保持していた。

大谷翔平の盗塁ペース

大谷は55盗塁を記録しており、シーズン終了までに57盗塁を達成するペースだ。

大谷は9月20日にマイアミで行われたマーリンズ戦で、初回に二塁打で出塁すると、ウィル・スミスの打席中に三盗を成功させ、シーズン通算50盗塁に到達した。その後、スミスの犠牲フライで大谷はホームに生還した。

もちろん、オオタニが「50-50」以上追い求めているなら、シーズン後半にさらなる盗塁を試みることも考えられる。ドジャースはナショナル・リーグ西地区で2位サンディエゴ・パドレスと3.5ゲーム差のリードを保っており、レギュラーシーズン終了の数日前に地区優勝を確定させる可能性があり、大谷に記録を追いかけるチャンスを与えている。

しかし、大谷は個人的な偉業よりも勝利を重視することを明らかにしているので、記録達成のためだけに不必要なリスクを冒すことはないだろう。

[AD] MLBグッズをAmazonでチェック!

Scroll to Continue with Content

「50-50」クラブ入り

大谷はMLB初の「50-50」クラブ入りを果たした。MLBの歴史上、同一シーズンに50本塁打と50盗塁を達成した選手はいなかったため、ドジャースのスーパースターは歴史に名を残すことになった。

今までで最も近い記録は「40-40」クラブで、しかもそれほど近い記録でもない。

アレックス・ロドリゲスは1998年に46盗塁を記録したが、それでも50本塁打には8本も足りない42本塁打でシーズンを終えた。アルフォンソ・ソリアーノは2006年に46本塁打を記録したが、41盗塁では「50-50」には到底及ばない。2023年、ロナルド・アクーニャJr.は41本塁打でシーズンを終え、こちらも50本塁打には遠く及ばなかった。

大谷はすでにシーズンで52本塁打と52盗塁を記録した初の選手となっていて、さらに記録を更新している。

MLBのシーズン最多本塁打記録

大谷にとって50本塁打は素晴らしい偉業だが、50本、あるいはそれ以上でも、1シーズンの歴代本塁打記録のトップには届かないだろう。

バリー・ボンズは2001年に73本塁打を放ち、シーズン最多本塁打記録を保持している。ステロイドの使用を認めていない、あるいは強く疑われていない選手のみに絞るなら、シーズン本塁打記録7位に位置する2022年のアーロン・ジャッジの62本塁打まで下がらなければならない。

選手名 本塁打 チーム
バリー・ボンズ 73 サンフランシスコ・ジャイアンツ 2001
マーク・マグワイア 70 セントルイス・カージナルス 1998
サミー・ソーサ 66 シカゴ・カブス 1998
マーク・マグワイア 65 セントルイス・カージナルス 1999
サミー・ソーサ 64 シカゴ・カブス 2001
サミー・ソーサ 63 シカゴ・カブス 1999
アーロン・ジャッジ 62 ニューヨーク・ヤンキース 2022
ロジャー・マリス 61 ニューヨーク・ヤンキース 1962
ベーブ・ルース 60 ニューヨーク・ヤンキース 1927

大谷はジャッジに追いつくだけの時間はないと思われるが、50本塁打はそれ自体が珍しいことだ。

2008年以降、シーズン50本塁打を打った選手は、アーロン・ジャッジ、マット・オルソン、ピート・アロンソ、ジャンカルロ・スタントン、クリス・デービス、ホセ・バティスタと6人のみでほんの一握りだ。さらに、大谷が達成した50盗塁と50本塁打は前例がない。

MLBのシーズン最多盗塁記録

50盗塁も大谷にとってはかなりの快挙だが、シーズン記録である138盗塁や近代野球以降の記録である130盗塁には遠く及ばないだろう。

選手名 盗塁 チーム
ヒュー・ニコル 138 シンシナティ・レッズ 1887
リッキー・ヘンダーソン 130 オークランド・アスレチックス 1982
アーリー・レイサム 129 セントルイス・ブラウンズ 1887
ルー・ブロック 118 セントルイス・カージナルス 1974
チャールズ・コミスキー 117 セントルイス・ブラウンズ 1887
ビリー・ハミルトン 111 カンザスシティ・カウボーイズ 1889
ビリー・ハミルトン 111 フィラデルフィア・フィリーズ 1891
ジョン・ウォード 111 ニューヨーク・ジャイアンツ 1887
ビンス・コールマン 110 セントルイス・カージナルス 1985
ビンス・コールマン 109 セントルイス・カージナルス 1987
アーリー・レイサム 109 セントルイス・ブラウンズ 1888
リッキー・ヘンダーソン 108 オークランド・アスレチックス 1983

シーズン盗塁記録の多くは、野球が現在とは大きく異なっていた近代野球以前に樹立されたものだが、2023年に50盗塁以上を記録した選手は、その年ナショナル・リーグMVPを受賞したロナルド・アクーニャJr.の73盗塁を含め3人いる。

今季はエリー・デラクルーズが64盗塁でMLB全体トップに立ち、2010年以降、60盗塁以上を記録した選手には、ディー・ストレンジ=ゴードン、マイケル・ボーン、ジョナサン・ビラーがいる。

しかし、逃れられない事実は50本塁打でこれを達成した選手はいないということだ。「50-50」を達成した大谷はさらに別次元の存在ということになるだろう。

注目記事:大谷翔平の最新成績&ランキングまとめ(外部配信)

原文:Shohei Ohtani 50-50 stats tracker: How Dodgers star can make MLB history with home run, stolen base totals in 2024(抄訳)
※本記事は国際版記事を翻訳し、日本向けに編集した記事となる。翻訳・編集:佐藤瑞紀