MLB2021年シーズン最初の数日間が引き起こした15個の過剰反応

2021-04-06
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野球ファンは気が早い。すぐにシーズンについて決定的な判断を下したがる。中にはわずか数試合を見ただけで早くもシーズンは成功するかあるいは失敗すると決めつける人もいる。それはこれからの約180日間を楽しく過ごせるか、それともフラストレーションを溜める日々になるかの分かれ道に他ならない。

162試合の長丁場では何が起きてもおかしくないし、そうでなくても好不調の波はいくつかやってくる。シーズン最初の1週間に目にしたことは絶対の真理ではありえない。だがそれでも野球ファンは大胆な結論に飛びつきたがるものだ。そしてその結論は多くの場合とても愚かしいものになる。

さて、MLB2021年シーズンの最初の4日が終了した(※元記事は4月5日公開)。ここまで我々が目にした15個の過剰反応は以下の通りだ。

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― ボルティモア・オリオールズが世界中を驚かせる。 オリオールズを球界最低チームだと予想する向きは多かった。ポストシーズンに進出する確率は文字通りゼロ・パーセントだとされていた。ところがこのチームは3連勝でシーズン開幕ダッシュを果たした。次の目標:1982年のアトランタ・ブレーブスと1987年のミルウォーキー・ブリュワーズが達成した開幕13連勝だ。1988年のオリオールズにも異存はないだろう(訳者注:1988年シーズンのオリオールズは開幕後21連敗でスタートし、シーズン107敗を喫した)

― フィラデルフィア・フィリーズは勝敗でシーズンを終えるかもしれない。 フィリーズは昨年度ナショナル・リーグ東地区の覇者ブレーブスを開幕シリーズ3連勝で下した。3試合で与えた得点はわずか3点である。かつて不安視されていた救援投手陣だが、調子は極めて良いようだ。ロブ・マケルヘニー(訳者注:フィラデルフィア出身の俳優)が言った通り、フィリーズの完全シーズンを妨げるものは何もない。

ー フレディ・フリーマンの受賞はまぐれ当たりだった。 このブレーブスのベテラン打者はシーズン開幕後9打数0安打だ。出塁率は.250に過ぎない。なぜブレーブスはこんな選手の契約を延長したいと思うのだろうか?

― 新しいニューヨーク・メッツは永遠に見ることはできない。 メッツは4月5日(日本時間6日)にようやくシーズン初戦を迎える予定だ(訳者注:チーム内に複数の新型コロナウイルス感染者が出たことによって、開幕後3試合が延期された)。だが、どうもこのチームには何か悪いものがついている。メッツのファンには良いことは起こらない。

― ニューヨーク・ヤンキースはやはりダメだ。 ヤンキースは1勝2敗でシーズンを滑り出した。打撃陣はお粗末極まりなく、アメリカン・リーグ東地区では最下位の5位につけている。誰もクビになっていないことが不思議なくらいだ。

― シカゴ・ホワイトソックスもダメだ。 ホワイトソックスは開幕戦こそ勝利したものの、現在は1勝3敗に沈んでいる。このまま大敗のシーズンに向かっている。トニー・ラルーサ監督を起用した実験は失敗に終わった。

ー ロサンゼルス・ドジャースは良いが、今年はそれほどすごくはない。 ドジャースはなんとコロラド・ロッキーズを相手に星を落とした。開幕戦で見せたコディ・ベリンジャーとジャスティン・ターナーの走塁ミスはドジャースの快進撃が終わったことを示す大きな証拠になる。

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― 4勝0敗のヒューストン・アストロズは再び全米で人気の野性的なチームになる。 今シーズンの最良ストーリーになる可能性がある。

― シカゴ・カブスも帰ってきた! カブスは現在シンシナティ・レッズと並んで1位タイだ。だが、それは長くは続かないだろう。レッズの得失点差(+9)はナショナル・リーグでトップだからだ。10月はレッズのものになることを覚悟しなくてはいけない。

― 新人のヤーミン・マーセイディーズは史上最高のシーズン打撃成績を挙げるペースだ。 シカゴ・ホワイトソックスのマーセイディーズ(メルセデス)はここまで打率.643、OPSは1.643だ。シーズン開幕8打数8安打はかつて誰も達成したことがない。驚異的な選手だ。今後の歴史的な活躍を見逃さないようにしよう。

だがもしマーセイディーズが失速したとしても、心配するには及ばない。なぜなら

― エリック・ホズマーも史上最高のシーズン打撃成績を挙げるペースだ。 サンディエゴ・パドレスのホズマーはここまで打率.636、OPSは2.030だ。驚異的な選手だ。今後の歴史的な活躍を見逃さないようにしよう。

― 一方で、ホズマーのチームメイトであるフェルナンド・タティス・ジュニアはたったの打率.188だ。 タティスは過剰評価されていた。新人の頃の野球カードを持っているなら、今すぐ売り払うべきだ。

― 大谷翔平こそが今ではロサンゼルス・エンゼルスを代表する選手だ。 マイク・トラウトは今でも良い選手だ。しかし、二刀流選手の大谷はもっとわくわくさせてくれる。数字はウソをつかない。大谷はここまで2本のホームランを打っているが、トラウトはゼロである。それに加えて、大谷は4月4日(同5日)の試合で101マイル(約162.5キロ)のボールを投げているのだ。

― トロント・ブルージェイズの2世選手で良いのはブラディミール・ゲレーロ・ジュニアだけだ。 ゲレーロは打率.333と着実であるし、ホームランも1本打っている。ボー・ビシェット(打率.167)とキャバン・ビジオ(打率.083)はどちらも期待外れだ。極めて残念であるが、そもそも彼らをあれほどまでに持ち上げるべきではなかったのだ。

― オークランド・アスレチックスは球界最低のチームだ。 アスレチックスはここまで0勝4敗である。そして得失点差はMLB最低のマイナス26点だ。マネーボールの時代は終わった。

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この数試合の結果でどんな気分であったとしても、少しは気を静めた方がよいだろう。10月が近づくにつれて、選手たちもチームも段々と落ち着くべきところに落ち着いてくるものだ。だからこの数試合の後であなたが良い気分であるか、あるいは悪い気分であったとしても、実際の彼らは見た目より良くも悪くもないのだから。

(翻訳:角谷剛)