大谷翔平はこれ以上ない最高の形で『50-50』クラブという新たな称号を生み出した。
現地時間9月19日(木)のマーリンズ戦、大谷は6打数6安打(3ホーマー)10打点2盗塁という歴史的なパフォーマンスでMLBの新たなマイルストーンを樹立した。
ロサンゼルス・ドジャースにとってMLB制覇という最高の結末を迎えるか、失意のシーズンに終わるかはこの先のポストシーズン次第だが、少なくとも10年7億ドル(約1008億円、1ドル=144円換算)という超大型契約でドジャースに加わった大谷の1年目は、その期待に充分応える一年だったと言えるはずだ。
大谷は今季、けが人が続出したドジャースにありながら本塁打、打点で自己ベストを更新し、MLBでも最も結果を残した選手の一人となった。大谷自身が肘の手術から回復を遂げている途中のシーズンでありながら、コンディションを維持し、プレーし続けたことは特筆すべきだろう。
ここでは、『50-50』という数字がMLBの歴史の中でどれだけ傑出した記録なのかを見ていく。
MLBの『50-50』クラブとは?
大谷は『50-50』クラブの史上最初のメンバーだ。MLBでは過去、1シーズンに50本塁打50盗塁を記録した選手はいない。『46-46』を記録した時点ですでにMLBの歴史の中でも大谷に肩を並べるものはなくなっており、そこから先は前人未到の領域となっていった。
大谷が『50-50』を達成する以前から、MLBには40本塁打40盗塁を記録した『40-40』クラブに5名のメンバーが名を連ねている。だが、今となってはそのいずれも大谷の数字には遠く及ばない。
例えば1998年のアレックス・ロドリゲス(当時シアトル・マリナーズ)は46盗塁をマークしたが、ホームランは42本にとどまり、50本塁打には8本も及ばなかった。2006年のアルフォンソ・ソリアーノ(当時ワシントン・ナショナルズ)は46本塁打を打ったが盗塁は41個、2023年のロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)も73盗塁と飛び抜けた数字を残したがホームランは41本、いずれも『50-50』には程遠い数字だった。
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大谷翔平の今季の成績
試合数 | 打率 | 本塁打数 | 打点 | 盗塁 | 出塁率 | OPS |
154 | .301 | 53 | 123 | 55 | .384 | 1.023 |
今季の大谷の数字、53本塁打、55盗塁、123打点は全てキャリアハイの数字だ。打率、出塁率、OPS(On-base plus slugging、出塁率+長打率)は昨シーズン、自己ベストを達成している。
盗塁に関して言えば、大谷の2023年までのベストは26盗塁(2021年)、積極的な走塁は今シーズンの大谷の新たな武器となった。昨シーズン、投手のピックオフが制限され、走者に有利になった時でも、大谷の盗塁数は135試合で20個にとどまっていた。
MLBの『40-40』クラブのメンバーは?
1シーズンに40本塁打40盗塁を達成した『40-40』クラブのメンバーは、大谷を含め6人しかいない。
選手 | チーム | シーズン | 本塁打 | 盗塁 |
大谷翔平 | ドジャース | 2024 | 53 | 55 |
ロナルド・アクーニャJr. | ブレーブス | 2023 | 41 | 73 |
アルフォンソ・ソリアーノ | ナショナルズ | 2006 | 46 | 41 |
アレックス・ロドリゲス | マリナーズ | 1998 | 42 | 46 |
バリー・ボンズ | ジャイアンツ | 1996 | 42 | 40 |
ホセ・カンセコ | アスレチックス | 1988 | 42 | 40 |
大谷以外の5人の記録を見ても、『50-50』に迫る数字を残した選手はいない。
『40-40』クラブのメンバーの中でも、本塁打、盗塁のいずれかで50以上の数字を残したのは、73盗塁を記録したロナルド・アクーニャJr.一人しかいない。だが、彼のホームラン数は41本、50ホーマーには程遠かった。ホームランで最も50本に近づいたのは2006年のソリアーノで46本、だが盗塁数は41個だった。
大谷はすでに『50-50』を超えて、『53-55』まで到達、1試合ごとにMLBの歴史を塗り替え続けている。
※大谷の成績は日本時間9/25時点。
※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。翻訳・編集: 石山修二(スポーティングニュース日本版)