MLBも熱視線注ぐ村上宗隆:三冠王候補の米国進出時期は?

2022-08-27
読了時間 約3分

MLBではニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジが60本塁打達成に近づき日々話題になっているが、日本球界ではヤクルトスワローズの村上宗隆が記録的なペースで本塁打を量産し、三冠王達成も有力視されている。このジャパニーズスーパースラッガーは一体何者なのか、MLB進出時期はいつ頃になるのか、米野球界からの視点でデイビッド・サッグス(David Suggs)記者が伝える。

米野球界も注目する村上宗隆の驚異のHR量産ペース

本塁打が放たれたときにバットから響く快音ほどワクワクする音は他にない。現在のMLBで最も多くこの音を生み出しているのはニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジだ。ジャッジは今シーズンここまでの121試合で48本の本塁打を打っている(8月25日終了時点)。

地球の裏側にはもうひとり、ジャッジと似た成績を挙げている野球界のスターが存在する。日本プロ野球(NPB)に出現した若き天才打者、村上宗隆は112試合で45本の本塁打を打っている(8月26日終了時点)。現在、最もMLBから注目を集めている打者である。村上が現在のペースで本塁打を打ち続けると、シーズン58本になる計算だ。もしシーズン60本の大台に到達するとしたら、NPBでは2013年にウラディミール・バレンティンが達成して以来の記録になる。

村上宗隆とは何者なのだろうか。メジャーリーグにやって来る可能性はあるのか。日本の最も新しい天才打者をスポーティングニュースが紹介する。

関連記事:アーロン・ジャッジの本塁打数をデータで徹底予測! 歴代強打者たちの記録を破れるか?

村上宗隆とか何者か

村上宗隆は僅か22歳である。セントラルリーグのヤクルト・スワローズに所属する3塁手だ。村上は桁外れのパワーを持っている。2017年のNPBドラフトで1巡目指名を受けて以来、これまでに149本の本塁打を記録している。しかも、それを世界で2番目にレベルが高い野球リーグと広く信じられているNPBでやってのけているのだ。ちなみに、大谷翔平がNPB時代の5年間で放った本塁打は48本である。

村上は左打席から無理なくフィールドの全方向に打球を飛ばすことができる。疑う余地なく、NPB最強の打者だ。現在の打撃成績は打率.326、出塁率.463、長打率.723であり、NPBでは1986年のランディー・バース以来の三冠王を狙える位置にある。

村上の活躍は今年急に始まったわけではない。2021年には39本の本塁打を打ち、OPSは.974だったのだ。

下の動画を見てほしい。村上がいかに優れた打者なのかがよく理解できるはずだ。選球眼も良く、NPBでの4シーズンすべてで70個以上の四球を選んでいる。チャンスにも強い。昨シーズンは176wRC+を積み上げ、セントラルリーグの最優秀選手賞(MVP)に選出されている。

Scroll to Continue with Content

それらすべての要素を含めて、いつか日本から出る日を待たれる打者たちのなかで、村上は最高ランクに属するひとりである。6月の成績はまさに伝説的だった。23試合に出場して、打率.410、出塁率.515、長打率.940、14本の本塁打を打ち、35打点をあげたのだ。

類まれなバット・スピードと柔軟性を兼ね備え、村上は大谷、松井秀喜、そしてMLBでは新人の鈴木誠也ら、日本人スラッガー伝説を継承していく選手のようだ。

関連記事:【米国記事翻訳】完全試合達成の日本人・佐々木朗希とは何者か…MLBにやって来る可能性は?

いつになれば村上宗隆をMLBで観ることができるのか?

村上を早くMLBで観たいと願うファンは多いだろうが、まだしばらくは待たなくてはいけない。村上は今シーズン中に22歳の誕生日を迎えた。MLBの国際フリーエージェントに関するルールでは、村上の契約金額の上限は制限を受ける。たとえ村上がNPBでRuthian(訳者注:ベーブ・ルースにちなみ、対抗馬を大きく引き離す打撃成績を挙げること)級の活躍をしても、MLBではそれに相応しい金額を受け取ることができない。

従って、村上をMLBで観られる日はすぐにはやって来ないだろう。大谷は23歳で、鈴木は27歳で、それぞれMLBの初シーズンを迎えた。村上がどうなるかは、現時点では分からない。

日本のスター投手である佐々木朗希と同様、少なくともあと2年は、村上がメジャーリーグでプレイすることはないだろう。

原文: Who is Munetaka Murakami? 22-year-old Japanese phenom could be next NPB star to draw MLB attention
翻訳:角谷剛
編集:スポーティングニュース日本版編集部

▶プロ野球を観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう