MLBファンは2022年にお化けを見ることになる。
2019年シーズン以来初めてとなる”正常な野球シーズン”が戻ってくることを心待ちにしている方々は、まだもう少し我慢が必要なようである。MLB選手会と球団オーナーたちは物議を醸してきた延長イニングでの自動ランナーを今シーズンにも適用することに合意したと、ニューヨーク・ポスト紙が報じたのだ。
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そのルールとは、延長イニングで2塁に自動(または「お化け」)ランナーを置くことである。パンデミックによって短縮された2020年シーズンに初めて導入された。それ以来、このルールは現在も存続しており、野球の伝統を重んじるファンからの怒りをかってきた。
この新しく、そして戻ってきたルールについて詳しく解説しよう。
MLBはなぜ延長イニングの特別ルールを維持するのか
ほとんどのファンはこのルールに反対であるが、選手たちと経営側が合意する数少ない例でもある。選手、監督、リーグ機構、球団オーナー、その誰もがこのルールを好んでいる。オーナーたちが2022年レギュラーシーズンにこのルールの適用に合意することはほぼ確実と見られている。
それにはいくつかの理由がある。
試合がより早く終了する可能性が高くなることは、MLBが取り組んでいる試合時間の短縮に繋がる。試合がより早く終了すれば、出場する選手と投手の数は少なくて済む。監督たちは162試合の長丁場となるシーズン途中の1試合で多くの選手を使うことを好まない。そもそもこのルールは、新型コロナウイルスの影響で短縮された2020年に、MLBの健康と安全に関するガイドラインの1部として導入されたものだ。2021年にも適用され、そして少なくとも2022年になっても存続することになる。
延長イニングで2塁にランナーを置くルールには議論がある。それでも、ルール導入以来、MLBでは延長イニングに突入した試合時間が短くなっていることも事実である。
ファンと原理主義者たちは概ねこのルールに否定的であるが、選手と監督たちには受け入れられているのだ。
「これが伝統的な野球の姿ではないことは知っている。しかし、投手を故障から守り、選手が翌日の試合に備えられるようにするためには、いい方法だと思う。この2年間で自動ランナーのルールがあったことを本当に好ましく思っている。これによって試合は面白くなったし、スピードアップにも繋がった。投手を温存できるし、翌日の試合で選手が足りなくなることを心配しなくてもよくなった」とアリゾナ・ダイヤモンドバックスのトーリ・ロブロ監督は言った(USA Today紙の記事)。
2022年シーズンのMLB新ルール
延長イニングの自動ランナーに加えて、いくつかのルールが2022年シーズンに導入されることが報じられてきている。
- いわゆる「大谷翔平ルール」は、ある選手(大谷のように)が投手と指名打者(DH)の両方で先発ラインアップに登場し、投手として降板した後もDHとして試合に出場することを可能にする。
- シーズンの最初の1か月に限り、ベンチ入り枠が26人から28人に拡大される。春季トレーニング期間が短縮されたことに対応する措置である。
- ダブルヘッダーは9イニング制に戻る。直近2シーズンのダブルヘッダーは7イニング制で行われていた。
(翻訳:角谷剛)