伝説の域に入りつつある投手・大谷翔平の圧倒的な成績を数字で解説

2022-07-09
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Getty Images

大谷翔平が球場に現れるたび、いつでも新たな歴史が作られる可能性が生まれる。

ロサンゼルス・エンゼルスが擁するこの二刀流スターは、ひとりで投手と打者を同時にこなし、しかも人々の期待を軽々と上回り続けている。そして、7月6日(日本時間7日)のマイアミ・マーリンズ戦でもそれは起こった。

この日の試合に先発登板した大谷は、マーリンズ打線を1失点(自責点0)に抑え、チームの5-2での勝利に貢献した。これで4試合連続での自責点0となる先発登板である。

「特に変わったことはしていません。一番重要なことは必要なときに狙った通りのボールを投げられたことでしょう。チームの一員として、勝った試合に投げられたことは大きかったと思います」と大谷は通訳を通じてAP通信に語った。

大谷は今シーズンのここまで、マウンド上で素晴らしい結果を残している。スポーティングニュースではとくに最近の数字を詳細に分析し、球界全体を見渡しても、大谷がどれほど他に類を見ない存在であるかを明らかにした。

自責点0連続記録

自責点という概念が正式な記録としてアメリカン・リーグで使われ始めたのは1913年のことである。スポーツ関連データ解析サイト『Stathead』によると、同一シーズン内で4試合連続(合計20イニング以上)の自責点0を達成した記録は133個ある。

そのなかで、大谷が挙げた40奪三振は第8位である。対戦打者打率の.132は26番目に低い。再び『Stathead』によると、連続した4試合で自責点0と奪三振40個を達成した投手は大谷を含めて8人しかいない。

投手 シーズン イニング数 奪三振数
レイ・カルプ 1968 36 43
ヨハン・サンタナ 2004 29 41
R.A.ディッキー 2012 34.1 42
クレイトン・カーショウ 2014 32 44
クレイトン・カーショウ 2015 34 45
クリス・セール 2018 24 43
マックス・シャーザー  2021 29.2 41
大谷翔平 2022 26.2 40

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そして大谷は打者から空振りを奪うことでも安定している。直近の先発登板3試合で、大谷は連続して10個以上の三振を奪った。MLBの歴史において、3試合連続で自責点0と奪三振10個を達成した投手は6人しかいないことを『Stathead』は指摘している。

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投手 シーズン イニング数 奪三振数
レイ・カルプ 1968 27 34
ノーラン・ライアン 1972 30 31
ジョン・ラッキー 2006 24.2 30
クレイトン・カーショウ 2015 26 38
ジェイコブ・デグロム 2018-19 21 34
大谷翔平 2022 20.2 34

そして、それだけではないのだ。

先発登板したマーリンズ戦では、大谷は打者として2打点を挙げ、盗塁も1個成功させた。米スポーツ専門局『ESPN』は同一試合内で奪三振10個、2打点、1盗塁を達成した選手は史上初めてだと報じた。

大谷はいつでも好投手だった。しかし、今シーズンの投手成績は次元が違う。野球関連データ解析サイト『Fangraphs』によると、大谷の投手としての3シーズン成績を比較すると以下のようになる。

シーズン イニング数 防御率 FIP 奪三振率 与四死球率
2018 51.2 3.31 3.57 29.9% 10.4%
2021 130.1 3.18 3.52 29.3% 8.3%
2022 81 2.44 2.43 34.4% 6.2%

別の野球関連データ解析サイト『Baseball Savant』は打者・大谷の打球速度と予測出塁率(xwOBA)は95番目の百分位数(訳者注:percentile、数字を小さい順に並べたとき、初めから数えて全体の %に位置する値)であるとしている。そして投手・大谷としての数値はそれぞれ74番目と91番目なのである。

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大谷が最優秀選手賞(MVP)を受賞した昨シーズンは打者としてのパフォーマンスが投手としてのそれを上回っていた。fWARの数値は打者としては5.1、投手としては3.0 だったのだ。ところが、今シーズンは打者としてのfWARが1.6 で、投手としては2.6である。

毎年のように、大谷は野球界に新たな驚きを生み出している。直近の先発登板記録も、大谷が他の誰とも異次元レベルの選手であること証明する直近のデータに過ぎない。

(翻訳:角谷剛)

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