マイク・トラウトが大谷翔平の信じがたい活躍について語る:「もう何にも驚かなくなったよ」

2022-07-22
読了時間 約3分
(Getty Images)

ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平が、現地時間7月19日のオールスターゲームでドジャーズのクレイトン・カーショウ相手に球宴初ヒットを放った。この1か月でリアル二刀流として驚異的な数字を叩き出しており、兄貴分であるマイク・トラウトをしても、「もう驚かない」と舌を巻くしかないようだ。スポーティングニュースのRyan Fagan記者がリポートする。

兄貴分トラウトが舌を巻く大谷翔平の活躍

ロサンゼルス ― 大谷翔平は2021年シーズンにブレイクし、最優秀選手賞(MVP)に輝いた。前例のないシーズン成績は正真正銘、狂気の沙汰とも呼べるほどの高い標準を設定したはずだった。しかしながら、この1か月間に大谷が野球界で成し遂げたことは、またしても正真正銘、信じがたいものだった。

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6月21日(日本時間22日)、大谷は指名打者として8打点を挙げた。

6月22日(同23日)、大谷は先発投手として13個の三振を奪った。

7月19日(同20日)のオールスター・メディア・デイにおいて、ロサンゼルス・エンゼルスのスーパースターであるマイク・トラウトはスポーティングニュースに対し、「翔平が何を成し遂げても、もう驚かなくなったよ」と言った。

7月6日(同7日)、マイアミ・マーリンズに先発登板した大谷は投手として10個の三振を奪っただけではなく、打者としては2打点と1盗塁をあげた。これを成し遂げたのは近代以降の野球史上で大谷だけである。

「僕はもう驚かないよ」とトラウトはスポーティングニュースに話した。同じことを繰り返し述べることに飽き飽きしていたのかもしれない。

7月13日(同14日)、ヒューストン・アストロズ戦に先発した大谷は投手として12個の三振を奪っただけではなく、打者としては三塁打を打ち、2打点を挙げた。

「毎晩のように何かが起きるよ」とトラウトは述べた。あるいはいらだっていたのかもしれないが、それを表に出すことはなかった。

記者のツイート:大谷がフリーバッティングで柵越えを放つところをスローモーション撮影したもの

そして大谷はオールスターゲームでも特別なことをやってのけた。試合開始直前、アメリカン・リーグの1番打者として打席に向かった大谷は、中継テレビ局「Fox」のアナウンサーであるトム・バードゥッチに呼び止められ、ライブでの質問を受けた。クレイトン・カーショウに対して、どのような作戦を考えているかと問われると、大谷は英語でこう答えた。

“First pitch, first swing. That’s it.”  (「初球にスイングする。それだけです」)

そして、大谷はその通りにしてのけた。カーショウの初球を叩き、センター前にライナーのヒットを放ったのだ。

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「オールスターゲームで初球をカーブで入るわけにはいかないからね。ホームランにならなかった分だけ、僕の勝ちかな」とイニング後にカーショウはレポーターに話している。

もっとも、その次に起きたことはあまり良くない驚きだった。大谷はカーショウに牽制で刺され、せっかくのシングルヒットが台無しになってしまったのだ。

大谷は3回にまわってきた次打席ではやや慎重だった。ジョー・マスグローブに6球を投げさせ、四球を選んだ。大谷のオールスターでの出番はこれで終わった。もっとも、試合中に行われたこの記者会見を除いては、である。

大谷は投手としては出場しなかった。ナショナル・リーグの打者たちはほっと胸を撫で下ろしていたかもしれない。

そう述べるには理由がある。大谷の2021年シーズンと2022年シーズンここまでを比較すると、投手としての側面により大きな成長が見られるのだ。まずは基本的な数字を比較してみる。

2021年、大谷は防御率3.18、FIP 3.52 、9イニング平均の奪三振数は10.8個、与四死球数は3個だった。2022年ここまで、それらの数字は防御率2.38、FIP 2.27 、9イニング平均の奪三振数は12.7個、与四死球数は2.3個、なのである。要するに、すべての面で良くなっているのだ。

そして驚くべきことに、大谷はますます調子を上げているのだ。

「大谷が直近6試合の先発登板でやってのけたことは、今までに見たことがないよ。それまで投げなかった球種も投げ始めて、それを効果的に織り交ぜている。カーブは時速108キロくらいなのに、速球は時速163キロくらいなのだろう。その球速の差は信じられないよ。しかも、どの球種でもストライクを取れるのだから」とトラウトはスポーティングニュースに語った。

その直近6試合の先発登板で、大谷は39回2/3イニングを投げ、防御率0.45、失った自責点は僅かに2点だ。打たれたヒット数(20本)の約3倍の三振(58個)を奪っている。直近4試合の奪三振数は13、11、10、そして12である。

「それに大谷はその場で微調整できるからね。スライダーが上手く行かない日はフォークを投げる、みたいにね。それほどの多彩な武器を持てるというのは、特別な才能なのさ」とトラウトは続けた。

その直近6試合の先発登板をしている間、大谷は指名打者としても十分すぎるほどの活躍をしている。32試合のOPSは.964、8本の本塁打、24打点、4本の2塁打、2本の3塁打、そして3個の盗塁を挙げ、出塁率は .394である。

しかし、マイク・トラウトの言葉を再び借りるなら、「大谷翔平が何を成し遂げても、私はもう驚かない」だろう。

原文:Mike Trout on Shohei Ohtani's ever-more-incredible exploits: 'I don’t get surprised anymore'

翻訳:角谷剛

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