競馬の予想に必要なものといえば、過去のレースのデータだ。なかでも、多くの競馬ファンが注目するG1レースの過去の成績は、その歴史と傾向を知り、予想に役立てるためにも必ずチェックしておきたいデータと言える。
ここでは、中央競馬の古馬マイル女王決定戦、ヴィクトリアマイル(G1)を制した歴代優勝馬・騎手及び2~3着のレース結果を一覧にまとめる。
ヴィクトリアマイル レース結果・歴代優勝馬・騎手一覧
開催 | 年度 | 優勝馬(騎手) | 2着(騎手) | 3着(騎手) |
第19回 | 2024年 | テンハッピーローズ(津村明秀) | フィアスプライド(C.ルメール) | マスクトディーヴァ(J.モレイラ) |
第18回 | 2023年 | ソングライン(戸崎圭太) | ソダシ(D.レーン) | スターズオンアース(C.ルメール) |
第17回 | 2022年 | ソダシ(吉田隼人) | ファインルージュ(C.ルメール) | レシステンシア(横山武史) |
第16回 | 2021年 | グランアレグリア(C.ルメール) | ランブリングアレー(吉田隼人) | マジックキャッスル(戸崎圭太) |
第15回 | 2020年 | アーモンドアイ(C.ルメール) | サウンドキアラ(松山弘平) | ノームコア(横山典弘) |
第14回 | 2019年 | ノームコア(D.レーン) | プリモシーン(福永祐一) | クロコスミア(戸崎圭太) |
第13回 | 2018年 | ジュールポレール(幸英明) | リスグラシュー(武豊) | レッドアヴァンセ(北村友一) |
第12回 | 2017年 | アドマイヤリード(C.ルメール) | デンコウアンジュ(蛯名正義) | ジュールポレール(幸英明) |
第11回 | 2016年 | ストレイトガール(戸崎圭太) | ミッキークイーン(浜中俊) | ショウナンパンドラ(池添謙一) |
第10回 | 2015年 | ストレイトガール(戸崎圭太) | ケイアイエレガント(吉田豊) | ミナレット(江田照男) |
第9回 | 2014年 | ヴィルシーナ(内田博幸) | メイショウマンボ(武幸四郎) | ストレイトガール(岩田康誠) |
第8回 | 2013年 | ヴィルシーナ(内田博幸) | ホエールキャプチャ(蛯名正義) | マイネイサベル(柴田大知) |
第7回 | 2012年 | ホエールキャプチャ(横山典弘) | ドナウブルー(C.ウィリアムズ) | マルセリーナ(田辺裕信) |
第6回 | 2011年 | アパパネ(蛯名正義) | ブエナビスタ(岩田康誠) | レディアルバローザ(福永祐一) |
第5回 | 2010年 | ブエナビスタ(横山典弘) | ヒカルアマランサス(内田博幸) | ニシノブルームーン(北村宏司) |
第4回 | 2009年 | ウオッカ(武豊) | ブラボーデイジー(生野賢一) | ショウナンラノビア(柴田善臣) |
第3回 | 2008年 | エイジアンウインズ(藤田伸二) | ウオッカ(武豊) | ブルーメンブラット(後藤浩輝) |
第2回 | 2007年 | コイウタ(松岡正海) | アサヒライジング(柴田善臣) | デアリングハート(藤田伸二) |
第1回 | 2006年 | ダンスインザムード(北村宏司) | エアメサイア(武豊) | ディアデラノビア(岩田康誠) |
ヴィクトリアマイルの過去の優勝馬とレースレコード
ヴィクトリアマイルは牝馬の強豪たちにとっての春の目標の一つにされることも多く、ダンスインザムード(2008年)、ウオッカ(2009年)、ブエナビスタ(2010年)、アパパネ(2011年)、アーモンドアイ(2020年)、グランアレグリア(2021年)、ソダシ(2022年)、ソングライン(2023年)らはG1馬としてこのレースに挑み、見事勝利を収めタイトルを積み重ねている。
ヴィルシーナ(2013年・2014年)とストレイトガール(2015年・2016年)はこのレースを連覇した名牝。ヴィルシーナは3歳時に挑戦したG1レースで4戦連続2着と苦杯を喫するも、明け4歳時のこの舞台で待望のG1初制覇。翌年連覇を達成するまでの1年間は6戦全てで着外と、キャリアにおいてヴィクトリアマイルが戴冠、復活の契機となっている。ストレイトガールは4歳夏から頭角を表し始めると短距離界の実力馬として活躍し、6歳でのヴィクトリアマイル制覇でG1馬の仲間入りを果たした遅咲き。翌年に「7歳牝馬の中央G1制覇」という史上初の快挙をもって連覇を成し遂げると、このレースを最後に現役引退を発表しターフを去った。
安田記念(G1)はヴィクトリアマイルと同じ東京競馬場・芝1,600メートルの条件で行われるレースだが、この2つのマイルG1を同一年に連勝した馬はウオッカ(2009年)とソングライン(2023年)の2頭のみ。ヴィクトリアマイルから安田記念までは中2週と間隔が詰まっており、また安田記念には牡馬の一流マイラーも多数参戦してくることから偉業達成は高難度になっている。
レースレコードはノームコア(2019年)が記録した1:30.5で、これは東京競馬場・芝1,600メートルのコースレコードでもある勝ちタイム。中団からレースを進めると直線でグングンと末脚を伸ばし、最後は迫るプリモシーンの猛追を振り切って勝利を収めた。
ヴィクトリアマイルの歴史
※文中の競走馬の年齢は満年齢(例:旧4歳→3歳)で表記する。
東京優駿(G1)に90年以上、天皇賞に100年以上の歴史がある一方で、ヴィクトリアマイルは比較的新しく創設されたG1レース。競走成績の優秀な牝馬は早期に引退して繁殖入りさせるべきというのが従来の考え方であったが、1996年にエリザベス女王杯(G1)が古馬も出走可能になったのを皮切りに、中央競馬では牝馬が競走馬としての価値を高められるためのローテの整備、番組の充実が図られてきた。
2006年に新設されたヴィクトリアマイルは春の4歳以上牝馬ナンバーワン決定戦としての役割を担っており、歴史は浅いながら東京競馬場・芝1600メートルを舞台に毎年激戦が繰り広げられている。