日本ダービーの歴代優勝馬・騎手一覧|競馬G1レース過去データ集

2024-05-30
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(Getty Images)

ここでは、中央競馬のクラシック三冠レースの第二弾、東京優駿(G1)(日本ダービー)を制した歴代優勝馬・騎手及び2~3着のレース結果を一覧にまとめる。

数々の名勝負が繰り広げられ、現在も多くのファンの注目を集める中央競馬のG1レース。競馬は「血のスポーツ」とも呼ばれ、過去の名馬の血を受け継ぎ活躍している現代の強豪馬たちも多い。レースの過去の優勝馬や好走馬、好成績を収めているジョッキーなどの記録・傾向は、予想にも活かせる要チェックのデータだ。

日本ダービー レース結果・歴代優勝馬・騎手一覧

開催 年度 優勝馬(騎手) 2着(騎手) 3着(騎手)
第91回 2024年 ダノンデサイル(横山典弘) ジャスティンミラノ(戸崎圭太) シンエンペラー(坂井瑠星)
第90回 2023年 タスティエーラ(D.レーン) ソールオリエンス(横山武史) ハーツコンチェルト(松山弘平)
第89回 2022年 ドウデュース(武豊) イクイノックス(C.ルメール) アスクビクターモア(田辺裕信)
第88回 2021年 シャフリヤール(福永祐一) エフフォーリア(横山武史) ステラヴェローチェ(吉田隼人)
第87回 2020年 コントレイル(福永祐一) サリオス(D.レーン) ヴェルトライゼンデ(池添謙一)
第86回 2019年 ロジャーバローズ(浜中俊) ダノンキングリー(戸崎圭太) ヴェロックス(川田将雅)
第85回 2018年 ワグネリアン(福永祐一) エポカドーロ(戸崎圭太) コズミックフォース(石橋脩)
第84回 2017年 レイデオロ(C.ルメール) スワーヴリチャード(四位洋文) アドミラブル(M.デムーロ)
第83回 2016年 マカヒキ(川田将雅) サトノダイヤモンド(C.ルメール) ディーマジェスティ(蛯名正義)
第82回 2015年 ドゥラメンテ(M.デムーロ) サトノラーゼン(岩田康誠) サトノクラウン(C.ルメール)
第81回 2014年 ワンアンドオンリー(横山典弘) イスラボニータ(蛯名正義) マイネルフロスト(松岡正海)
第80回 2013年 キズナ(武豊) エピファネイア(福永祐一) アポロソニック(勝浦正樹)
第79回 2012年 ディープブリランテ(岩田康誠) フェノーメノ(蛯名正義) トーセンホマレボシ(C.ウィリアムズ)
第78回 2011年 オルフェーヴル(池添謙一) ウインバリアシオン(安藤勝己) ベルシャザール(後藤浩輝)
第77回 2010年 エイシンフラッシュ(内田博幸) ローズキングダム(後藤浩輝) ヴィクトワールピサ(岩田康誠)
第76回 2009年 ロジユニヴァース(横山典弘) リーチザクラウン(武豊) アントニオバローズ(角田晃一)
第75回 2008年 ディープスカイ(四位洋文) スマイルジャック(小牧太) ブラックシェル(武豊)
第74回 2007年 ウオッカ(四位洋文) アサクサキングス(福永祐一) アドマイヤオーラ(岩田康誠)
第73回 2006年 メイショウサムソン(石橋守) アドマイヤメイン(柴田善臣) ドリームパスポート(四位洋文)
第72回 2005年 ディープインパクト(武豊) インティライミ(佐藤哲三) シックスセンス(四位洋文)
第71回 2004年 キングカメハメハ(安藤勝己) ハーツクライ(横山典弘) ハイアーゲーム(蛯名正義)
第70回 2003年 ネオユニヴァース(M.デムーロ) ゼンノロブロイ(横山典弘) ザッツザプレンティ(安藤勝己)
第69回 2002年 タニノギムレット(武豊) シンボリクリスエス(岡部幸雄) マチカネアカツキ(K.デザーモ)
第68回 2001年 ジャングルポケット(角田晃一) ダンツフレーム(河内洋) ダンシングカラー(江田照男)
第67回 2000年 アグネスフライト(河内洋) エアシャカール(武豊) アタラクシア(四位洋文)
第66回 1999年 アドマイヤベガ(武豊) ナリタトップロード(渡辺薫彦) テイエムオペラオー(和田竜二)
第65回 1998年 スペシャルウィーク(武豊) ボールドエンペラー(河内洋) ダイワスペリアー(菊沢隆徳)
第64回 1997年 サニーブライアン(大西直宏) シルクジャスティス(藤田伸二) メジロブライト(松永幹夫)
第63回 1996年 フサイチコンコルド(藤田伸二) ダンスインザダーク(武豊) メイショウジェニエ(河内洋)
第62回 1995年 タヤスツヨシ(小島貞博) ジェニュイン(岡部幸雄) オートマチック(加藤和宏)
第61回 1994年 ナリタブライアン(南井克巳) エアダブリン(岡部幸雄) ヤシマソブリン(坂井千明)
第60回 1993年 ウイニングチケット(柴田政人) ビワハヤヒデ(岡部幸雄) ナリタタイシン(武豊)
第59回 1992年 ミホノブルボン(小島貞博) ライスシャワー(的場均) マヤノペトリュース(田原成貴)
第58回 1991年 トウカイテイオー(安田隆行) レオダーバン(岡部幸雄) イイデセゾン(柴田政人)
第57回 1990年 アイネスフウジン(中野栄治) メジロライアン(横山典弘) ホワイトストーン(田面木博)
第56回 1989年 ウィナーズサークル(郷原洋行) リアルバースデー(菅原泰夫) サーペンアップ(田村正光)
第55回 1988年 サクラチヨノオー(小島太) メジロアルダン(岡部幸雄) コクサイトリプル(柴田政人)
第54回 1987年 メリーナイス(根本康広) サニースワロー(大西直宏) ニホンピロマーチ(田原成貴)
第53回 1986年 ダイナガリバー(増沢末夫) グランパズドリーム(田原成貴) アサヒエンペラー(中舘英二)
第52回 1985年 シリウスシンボリ(加藤和宏) スダホーク(田原成貴) スクラムダイナ(岡部幸雄)
第51回 1984年 シンボリルドルフ(岡部幸雄) スズマッハ(大崎昭一) フジノフウウン(増沢末夫)
第50回 1983年 ミスターシービー(吉永正人) メジロモンスニー(清水英次) ビンゴカンタ(岡部幸雄)
第49回 1982年 バンブーアトラス(岩本市三) ワカテンザン(小谷内秀夫) アズマハンター(小島太)
第48回 1981年 カツトップエース(大崎昭一) サンエイソロン(小島太) コーラルシー(田中清隆)
第47回 1980年 オペックホース(郷原洋行) モンテプリンス(吉永正人) テイオージャ(蓑田早人)
第46回 1979年 カツラノハイセイコ(松本善登) リンドプルバン(嶋田功) テルテンリュウ(西浦勝一)
第45回 1978年 サクラショウリ(小島太) アグネスホープ(久保敏文) カンパーリ(福永洋一)
第44回 1977年 ラッキールーラ(伊藤正徳) ハードバージ(武邦彦) カネミノブ(加賀武見)
第43回 1976年 クライムカイザー(加賀武見) トウショウボーイ(池上昌弘) サンダイモン(稲部和久)
第42回 1975年 カブラヤオー(菅原泰夫) ロングフアスト(松田幸春) ハーバーヤング(岡部幸雄)
第41回 1974年 コーネルランサー(中島啓之) インターグッド(笹倉武久) キタノカチドキ(武邦彦)
第40回 1973年 タケホープ(嶋田功) イチフジイサミ(津田昭) ハイセイコー(増沢末夫)
第39回 1972年 ロングエース(武邦彦) ランドプリンス(川端義雄) タイテエム(須貝四郎)
第38回 1971年 ヒカルイマイ(田島良保) ハーバーローヤル(藤本勝彦) フイドール(松本善登)
第37回 1970年 タニノムーティエ(安田伊佐夫) ダテテンリュウ(宇田明彦) ホースメンテディ(油木宣夫)
第36回 1969年 ダイシンボルガード(大崎昭一) ミノル(保田隆芳) ハクエイホウ(森安重勝)
第35回 1968年 タニノハローモア(宮本悳) タケシバオー(森安弘明) アサカオー(加賀武見)
第34回 1967年 アサデンコウ(増沢末夫) ヤマニンカツプ(藤本勝彦) シバフジ(丸目敏栄)
第33回 1966年 テイトオー(清水久雄) ソロモン(古山良司) ナスノコトブキ(森安弘明)
第32回 1965年 キーストン(山本正司) ダイコーター(栗田勝) イチヒカル(古山良司)
第31回 1964年 シンザン(栗田勝) ウメノチカラ(伊藤竹男) オンワードセカンド(松本善登)
第30回 1963年 メイズイ(森安重勝) グレートヨルカ(保田隆芳) イロハ(藤本勝彦)
第29回 1962年 フエアーウイン(高橋英夫) スズホープ(八木沢勝美) ヤマノオー(古山良司)
第28回 1961年 ハクシオウ(保田隆芳) メジロオー(八木沢勝美) チトセホープ(伊藤修司)
第27回 1960年 コダマ(栗田勝) ヤマニンモアー(浅見国一) シーザー(伊藤修司)
第26回 1959年 コマツヒカリ(古山良司) カネチカラ(森安弘明) メイタイ(八木沢勝美)
第25回 1958年 ダイゴホマレ(伊藤竹男) カツラホウシユウ(蛯名武五郎) タイセイホープ(渡辺正人)
第24回 1957年 ヒカルメイジ(蛯名武五郎) カズヨシ(山本勲) ギンヨク(古山良司)
第23回 1956年 ハクチカラ(保田隆芳) キタノオー(勝尾竹男) ヘキラク(蛯名武五郎)
第22回 1955年 オートキツ(二本柳俊夫) カミサカエ(八木澤勝美) ケゴン(野平好男)
第21回 1954年 ゴールデンウエーブ - -
第20回 1953年 ボストニアン - -
第19回 1952年 クリノハナ - -
第18回 1951年 トキノミノル - -
第17回 1950年 クモノハナ - -
第16回 1949年 タチカゼ - -
第15回 1948年 ミハルオー - -
第14回 1947年 マツミドリ - -
第13回 1944年 カイソウ - -
第12回 1943年 クリフジ - -
第11回 1942年 ミナミホマレ - -
第10回 1941年 セントライト - -
第9回 1940年 イエリユウ - -
第8回 1939年 クモハタ - -
第7回 1938年 スゲヌマ - -
第6回 1937年 ヒサトモ - -
第5回 1936年 トクマサ - -
第4回 1935年 ガヴアナー - -
第3回 1934年 フレーモア - -
第2回 1933年 カブトヤマ - -
第1回 1932年 ワカタカ - -

※第1~21回の2着以下は公式記録を確認できなかったため未記載。

日本ダービーの過去の優勝馬とレースレコード

広大な東京競馬場の芝コースを一周するように走る2,400メートルコースが舞台。スタート地点は正面スタンド前の直線半ば辺りで、地響きのような歓声がスタートを送り出し、残り525.9メートル地点からの最終直線で再び出走馬たちをファンの応援が迎え入れる。皐月賞から400メートル延長される距離をこなせるだけのスタミナとレースセンス、府中の長い直線で弾けるスピードとキレ味が求められ、まさに世代最強を決めるにふさわしいコース形態となっている。

「最も幸運に恵まれた馬が勝つ」とも言われている日本ダービーだが、前述の通り東京競馬場・芝2,400メートルコースは競走馬としての高い総合力が問われる舞台。有利な内目の枠順を引けるかなどの運は存在するものの、やはり求められるのは実績と能力の高さと言っていいだろう。

実際、2004年から2023年までの20年間の日本ダービーの優勝馬を人気別で見てみると、二桁人気での優勝馬は12番人気で制したロジャーバローズ(2019年)しかおらず、最も優勝馬が多いのは1番人気で8頭、次いで3番人気で5頭、2番人気と4番人気に2頭ずつ、5番人気と7番人気に1頭ずつと、世代の上位勢がそのままダービー馬の栄誉を勝ち取っている傾向にあることがわかる。

他にも日本ダービーに関しては「ダービー馬はダービー馬から」と古くから言われており、これは『ダービーを勝つ馬は父にダービー馬を持っている』という意味の格言である。親子制覇の好例として真っ先に挙げられるのがディープインパクト(2005年)で、自身が現役時代に2着馬に5馬身差をつけて日本ダービーを圧勝しただけでなく、引退後には種牡馬として7頭のダービー馬を送り出した。その内の1頭であるコントレイル(2020年)は日本ダービーの親子制覇にとどまらず、無敗のクラシック三冠も親子で達成している。

ヒサトモ(1937年)、クリフジ(1943年)、ウオッカ(2007年)は牝馬ながら日本ダービーを制した稀代の名牝たち。ヒサトモとクリフジは太平洋戦争以前の活躍馬であり、1984年の中央競馬のグレード制導入以降の牝馬の優勝馬はウオッカしかいない。そのウオッカは2007年の開催でたった1頭の牝馬の出走馬として挑み、好スタートから内目の中団で上手くレースを進めると、東京競馬場の長い直線で自慢の末脚が炸裂。並いる牡馬を全く相手にせず後続に3馬身差をつけ、64年ぶりの日本ダービー牝馬制覇、中央競馬史上初となる同一G1の父娘制覇(父タニノギムレットは2002年の優勝馬)の大偉業を成し遂げた。

日本ダービーのレースレコードはドウデュース(2022年)が記録した2:21.9となっている。2歳王者として挑んだ3歳シーズンは弥生賞ディープインパクト記念(G2)、皐月賞(G1)で連敗を喫するも、迎えた日本ダービーでは道中中団後方で溜めた脚を直線で一気に解放。残り200メートルを過ぎた辺りで先頭に変わると脚色全く衰えずダービーレコード更新のゴールイン。鞍上の武豊もこの勝利で複数の日本ダービー記録を塗り替えており、歴代最多勝の6勝目、53歳2ヶ月15日での歴代最年長勝利、史上初の50代での制覇を達成するなど記録づくめの開催となった。

日本ダービーの歴史

※文中の競走馬の年齢は満年齢(例:旧4歳→3歳)で表記する。

東京優駿(日本ダービー)は中央競馬五大クラシック競走の一つ。3歳牡馬・牝馬たちによって争われるクラシック三冠レースの第二弾として行われ、その歴史は1932年に『東京優駿大競走』として目黒競馬場・芝2,400メートルの条件で行われた第1回開催を始まりとしている。

1934年に舞台が東京競馬場に移ると、以降一度も開催場、コース、距離が変更されることなく現在まで東京競馬場・芝2,400メートルの条件で世代最強を決める一戦が老若男女、全国の競馬ファンを沸かせ続けている。レース名に関しては何度か変更があった後、1950年に『東京優駿競走』とし(日本ダービー)の副題をつけるように。それから14年経った1964年に『東京優駿(日本ダービー)』と改称され今に至っている。

イギリスで行われるダービーステークスをモデルとしており、「ダービー」とは1780年にダービーステークスを創設した第12代ダービー卿エドワード・スミス・スタンレーにちなむもの。ダービーの名を冠するレースは日本含む全世界で行われており、一般に3歳馬の頂点を決めるレースとして施行されている。