6月以来、リブゴルフへの移籍報道が度々伝えられた松山英樹が、8月28日に米PGAツアー残留を明言した。松山が断った新リーグからの移籍契約金は、フィル・ミケルソンら先発離脱組を超える、タイガー・ウッズに次ぐ巨額なものだったという。ケビン・スカイバー(Kevin Skiver)記者が伝える。
松山英樹は「やり残したことがある」としてPGA残留を宣言
リブゴルフがまたビッグネームの獲得に失敗したことが報じられた。2021年のマスターズ・トーナメント優勝者である松山英樹が巨額のオファーを断り、ゴルフ界の勢力図を書き換えようとしている新リーグへの参加を拒絶した。
松山は米PGAツアーに留まることを現地時間8月28日に明言した。現在の世界ランキングは16位で、日本人ゴルファーとしては最高位にある。秋頃に行われているZOZOチャンピオンシップと年明け開催のソニー・オープンを含め、これまでにPGAツアーで8回の優勝歴がある。
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松山が米PGAツアーに残留する決断は、全英オープンでキャメロン・スミス(オーストラリア)と優勝を争った若手有望株キャメロン・ヤング(米国)に続くものだ。25歳の今季ルーキー・オブ・ザ・イヤー候補として注目されるヤングには、リブゴルフの巨額契約金に対抗するための何らかの公約が米PGAツアーからあったことを示唆している。
松山の今季メジャー最高順位は全米オープンの第4位だ。米PGAツアーに残留するであろうという噂は以前から囁かれていた。松山は「(米)PGAツアーでまだ自分のやりたいことが多く残っている」とし、移籍するとしても今はタイミングではないとコメントしていた。
松山英樹が拒絶したオファーの金額とは
リブゴルフに参加したほかのゴルファー同様、松山は米PGAツアー離脱に見合うような巨額のオファーを受けていた。
その金額は公には確認されていないが、米スポーツWebメディア『Barstool Sports』のゴルフ記者であるダン・ラパポート氏によれば、3億ドルから4億ドル(約416億円から約555億円)だったということだ。
ダン・ラパポート氏のツイート:
もう一度よく考えてみよう。松山英樹が断った金額とはとてつもなく馬鹿げたものだ。3億ドルから4億ドル(約416億円から約555億円)だったと私は聞いた。
松山はあとになってから気を変えることはできる。それでも容易な決断ではなかったはずだ。
リブゴルフがかくも巨大な資金を用意できるのは、この新リーグがサウジアラビア政府の支援を受けているからだ。すでに参加を表明したフィル・ミケルソン(米国)は2億ドル(約277億円)を受け取ったと報じられているし、ダスティン・ジョンソン、ブライソン・デシャンボー、ブルックス・ケプカ(いずれも米国)、キャメロン・スミス、それ以外の選手たちも1億ドル(約139億円)以上の契約を結んだということだ。
松山がリブゴルフ参加拒絶にあたって受け取らなかった金額は、離脱組のスター選手らよりも高い、タイガー・ウッズが拒絶したとされる7億ドル~8億ドル(約971億円~約1110億円)に次ぐ高額なものだ。
新リーグのCEO兼コミッショナーのグレッグ・ノーマン(オーストラリア)は、暗に認めていたウッズへのオファー金額に関する報道を否定にかかっているが、リブゴルフがさらなる大会規模の拡大に走っていることは事実である。仮に松山へのオファーが実際に報じられているような金額に近いものだったとしても、驚くには値しない。
原文:Hideki Matsuyama turns down massive contract offer from LIV Golf to stay with PGA Tour, per report
翻訳:角谷剛
編集:スポーティングニュース日本版編集部