3月1日、国際スケート連盟はロシアによるウクライナ軍事侵攻への措置として、ロシアおよびベラルーシ籍の選手のISU主催大会および国際アイススケート競技会への参加禁止を発表した。
2月28日に国際オリンピック委員会(IOC)が発表したロシアおよびベラルーシ籍の選手・関係者の大会参加禁止勧告を受け、スイス・ローザンヌで行われたISU評議会では、ISUメンバーや周辺の意見を聞いた上で、大会や参加者の安全性を保つため、ISU主催大会、国際アイススケート大会への両国の選手の即時参加禁止を決めた。選手やコーチだけでなく、同国ISU職員や関係者の参加も禁止される。ISU管轄の種目は、フィギュアスケート、シンクロナイズドスケート、スピードスケート、ショートトラックとなる。
ロシア・ベラルーシへの参加禁止期限は追って通知があるまでとし、必要に応じて追加措置を講じるともしているが、オリンピック時のような個人や団体名義での参加についての言及がなく、現段階でも完全な参加禁止になるとみられる。
北京オリンピックでは、カミラ・ワリエワのドーピングが発覚したにもかかわらず、15歳であることから保護対象として暫定的に女子シングル出場が認められていた。ワリエワ陣営は処分が確定していないグレーな状態のなか、3月21日開幕の世界選手権(フランス・モンペリエ)にも参加する意向をみせたことで、周辺から不満の声が聞こえていたが、今回の決定により出場の道は絶たれた。
フィギュアスケートにおいては、ワリエワ以外にも北京五輪女子シングル金のアンナ・シェルバコワ、銀のアレクサンドラ・トルソワのみならず、アイスダンス、ペアの部門でも有力選手を擁している。
ロシアスケート連盟のアレクサンダー・コーガン事務局長は「差別的」な決定だと非難したが、ロシア勢の参加禁止により、各部門の表彰台の顔ぶれは様変わりすることになりそうだ。