ツール・ド・フランス歴代優勝者一覧:ポガチャルが自身3度目の優勝でダブルツール達成|自転車ロードレース

2024-07-22
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2024年で111回目を迎えた世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス(Tour de France)は7月21日(日)の最終ステージ、モナコからニースにかけての33.7km個人タイムトライアルでタデイ・ポガチャル(スロベニア)がステージ6勝目をマーク、3年ぶりとなる自身3度目の総合優勝ならびに1998年以来となるジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの『ダブルツール』を達成した。

ここでは、過去111回のツール・ド・フランスの優勝者についてまとめる。

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111年の歴史で通算5勝を挙げた『クラブサンク』メンバーは4人のみ

111年を数えるツール・ド・フランスの歴史で、通算最多勝利数はジャック・アンクティル(フランス/1957、1961~1964年)、エディ・メルクス(ベルギー/1969~1972、1974年)、ベルナール・イノー(フランス/1978~1979、1981~1982、1985年)、ミゲル・インデュライン(スペイン/1991~1995年)の4人がマークした5勝だ。この4人の功績は『クラブサンク』(5勝クラブ)の通称で讃えられ、高く評価されている。

4人に次ぐ、4勝をあげているのがクリス・フルーム(イギリス/2013、2015~2016、2018年)、さらに今年優勝のポガチャル、グレッグ・レモン(アメリカ)ら3人が3勝で並んでいる。

ツールの歴史に燦然と名を残す『カンニバル』(人食い鬼)

『クラブサンク』の中でも圧倒的な強さを発揮したのがエディ・メルクスだ。その勝利への貪欲さから『カンニバル』(人食い鬼)の異名をとったメルクスは、ツール・ド・フランスの5度の優勝に加え、ジロ・デ・イタリアも5回優勝、プエルタ・ア・エスパーニャも1回優勝と、3つのグランツールを全て制覇し、同じ年にツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアを制する『ダブル・ツール』を3度にわたって成し遂げている(1970、1972、1974年)。

ツール・ド・フランスでもメルクスは歴代1位タイの通算5勝に加え、マイヨジョーヌ通算着用日数111日という前人未到の大記録を打ち立てているほか、1大会でのステージ優勝回数8回、区間優勝回数34回も歴代1位タイという記録も保持している。

国別の優勝回数ではフランスがトップ、ついでベルギー、スペインがTOP3

ツール・ド・フランスの優勝者を国別で見ていくと、アンクティル、イノーを輩出したフランスが36回で1位、次いでメルクスの母国ベルギーが18回、インデュラインの母国スペインが12回と、『クラブサンク』のメンバー4人がTOP3に大きく貢献している。

111年の歴史にポッカリとあいた空白の7年間

過去111年の歴史の中で第86回〜92回大会(1999~2005年)の7年間はポッカリと穴が開いている。この7年間はランス・アームストロング(アメリカ)が前人未到の7連覇を達成した大会だった。若くして患ったがんを克服し、ツールで頂点を極めて7連覇の偉業を達成というストーリーは全世界の注目を集める英雄伝となった。

だが、引退後にUSADA(全米反ドーピング機関)からドーピング容疑で告発を受けると、1998年8月1日以降のツール7連覇を含む全てのタイトルを剥奪され、トライアスロンを含むロードレース界からの永久追放処分を受けるという転落の憂き目を味わうこととなった。

アームストロングはその後、テレビ、ドキュメンタリーなどを通じ、自らドーピングを認めている。

🚲ツール・ド・フランス歴代優勝者一覧

回数 優勝者
第1回 1903年 モリス・ガラン フランス
第2回 1904年 アンリ・コルネ フランス
第3回 1905年 ルイ・トルゥスリエ フランス
第4回 1906年 ルネ・ポティエ フランス
第5回 1907年 ルシアン・プティブルトン フランス
第6回 1908年 ルシアン・プティブルトン フランス
第7回 1909年 フランソワ・ファベール ルクセンブルグ
第8回 1910年 オクタブ・ラピーズ フランス
第9回 1911年 ギュスタブ・ガリグー フランス
第10回 1912年 オディル・ドフレイエ ベルギー
第11回 1913年 フィリップ・ティス ベルギー
第12回 1914年 フィリップ・ティス ベルギー
第13回 1919年 フィルマン・ランボー ベルギー
第14回 1920年 フィリップ・ティス ベルギー
第15回 1921年 レオン・シウール ベルギー
第16回 1922年 フィルマン・ランボー ベルギー
第17回 1923年 アンリ・ペリシエ フランス
第18回 1924年 オッタビオ・ボテッキア イタリア
第19回 1925年 オッタビオ・ボテッキア イタリア
第20回 1926年 ルシアン・ビュイス ベルギー
第21回 1927年 ニコラ・フランツ ルクセンブルグ
第22回 1928年 ニコラ・フランツ ルクセンブルグ
第23回 1929年 モリス・デワール ベルギー
第24回 1930年 アンドレ・ルデュック フランス
第25回 1931年 アントナン・マーニュ フランス
第26回 1932年 アンドレ・ルデュック フランス
第27回 1933年 ジョルジュ・スペシュ フランス
第28回 1934年 アントナン・マーニュ フランス
第29回 1935年 ロマン・マース ベルギー
第30回 1936年 シルベール・マース ベルギー
第31回 1937年 ロジェ・ラペビー フランス
第32回 1938年 ジーノ・バルタリ イタリア
第33回 1939年 シルベール・マース ベルギー
第34回 1947年 ジャン・ロビック フランス
第35回 1948年 ジーノ・バルタリ イタリア
第36回 1949年 ファウスト・コッピ イタリア
第37回 1950年 フェルディナント・キュプラー スイス
第38回 1951年 ユーゴ・コブレ スイス
第39回 1952年 ファウスト・コッピ イタリア
第40回 1953年 ルイゾン・ボベ フランス
第41回 1954年 ルイゾン・ボベ フランス
第42回 1955年 ルイゾン・ボベ フランス
第43回 1956年 ロジェ・ワルコビャック フランス
第44回 1957年 ジャック・アンクティル フランス
第45回 1958年 シャルリー・ゴール ルクセンブルグ
第46回 1959年 フェデリコ・バーモンテス スペイン
第47回 1960年 ガストネ・ネンチー二 イタリア
第48回 1961年 ジャック・アンクティル フランス
第49回 1962年 ジャック・アンクティル フランス
第50回 1963年 ジャック・アンクティル フランス
第51回 1964年 ジャック・アンクティル フランス
第52回 1965年 フェリーチェ・ジモンディ イタリア
第53回 1966年 ルシアン・エマール フランス
第54回 1967年 ロジェ・バンジョン フランス
第55回 1968年 ヤン・ヤンセン オランダ
第56回 1969年 エディ・メルクス ベルギー
第57回 1970年 エディ・メルクス ベルギー
第58回 1971年 エディ・メルクス ベルギー
第59回 1972年 エディ・メルクス ベルギー
第60回 1973年 ルイス・オカーニャ スペイン
第61回 1974年 エディ・メルクス ベルギー
第62回 1975年 ベルナール・テヴネ フランス
第63回 1976年 ルシアン・ファンインプ ベルギー
第64回 1977年 ベルナール・テヴネ フランス
第65回 1978年 ベルナール・イノー フランス
第66回 1979年 ベルナール・イノー フランス
第67回 1980年 ヨープ・ズートメルク オランダ
第68回 1981年 ベルナール・イノー フランス
第69回 1982年 ベルナール・イノー フランス
第70回 1983年 ローラン・フィニョン フランス
第71回 1984年 ローラン・フィニョン フランス
第72回 1985年 ベルナール・イノー フランス
第73回 1986年 グレッグ・レモン アメリカ
第74回 1987年 ステファン・ロシュ アイルランド
第75回 1988年 ペドロ・デルガド スペイン
第76回 1989年 グレッグ・レモン アメリカ
第77回 1990年 グレッグ・レモン アメリカ
第78回 1991年 ミゲル・インデュラン スペイン
第79回 1992年 ミゲル・インデュラン スペイン
第80回 1993年 ミゲル・インデュラン スペイン
第81回 1994年 ミゲル・インデュラン スペイン
第82回 1995年 ミゲル・インデュラン スペイン
第83回 1996年 ビャルヌ・リース デンマーク
第84回 1997年 ヤン・ウルリッヒ ドイツ
第85回 1998年 マルコ・パンターニ イタリア
第86回 1999年  -  -
第87回 2000年  -  -
第88回 2001年  -  -
第89回 2002年  -  -
第90回 2003年  -  -
第91回 2004年  -  -
第92回 2005年  -  -
第93回 2006年 オスカル・ペレイロ スペイン
第94回 2007年 アルベルト・コンタドール スペイン
第95回 2008年 カルロス・サストレ スペイン
第96回 2009年 アルベルト・コンタドール スペイン
第97回 2010年 アンディ・シュレク ルクセンブルグ
第98回 2011年 カデル・エヴァンス オーストリア
第99回 2012年 ブラッドリー・ウィギンス イギリス
第100回 2013年 クリス・フルーム イギリス
第101回 2014年 ヴィチェンツォ・ニバリ イタリア
第102回 2015年 クリス・フルーム イギリス
第103回 2016年 クリス・フルーム イギリス
第104回 2017年 ゲラント・トーマス イギリス
第105回 2018年 クリス・フルーム イギリス
第106回 2019年 エガン・ベルナル コロンビア
第107回 2020年 タデイ・ポガチャル スロベニア
第108回 2021年 タデイ・ポガチャル スロベニア
第109回 2022年 ヨナス・ヴィンゲゴー デンマーク
第110回 2023年 ヨナス・ヴィンゲゴー デンマーク
第111回 2024年 タデイ・ポガチャル スロベニア

※第86~92回大会(1999~2005年)に優勝したランス・アームストロング(アメリカ)の記録はドーピング違反のため公式記録から抹消されている。