史上初の主要4団体ヘビー級アンディスピューテッド・チャンピオンとして、ボクシング界の最も華やかな階級で名実ともに頂点に立った、オレクサンドル・ウシク。
先の5月18日、サウジアラビアのリヤドにおいて、3団体&リング誌統一王者ウシク(22勝0敗、14KO)は、タイソン・フューリーにプロキャリア初の黒星を味あわせ、ヘビー級の最後のトロフィーとなるWBCタイトルをコレクションに加えた。主要3団体時代最後のアンディスピューテッド王者レノックス・ルイス以来、約24年ぶりにこの階級の絶対的チャンピオンとなり、本誌ヘビー級およびパウンド・フォー・パウンドのランキングで1位に君臨している。
ただ、12月の再戦を待つ前に、ウシクが4本のベルトの内、IBFのベルトを放出したことで、暫定王者だったダニエル・デュボアがIBF正規王者に昇格した。そして、9月22日、英国ウェンブリー・スタジアムで、その若き王者にかつての統一王者アンソニー・ジョシュアが、3度目の世界王者返り咲きを狙う。このタイトルマッチの結果で本ランキングの順位も入れ替わるだろう。
なお、7月29日付の集計において、ベテランのデレク・チゾラに0-3判定で敗れたジョー・ジョイスが、デオンテイ・ワイルダーに続いてトップ12から脱落した。
ランキングの空白を埋めたのは、ナイジェリア出身の強打者エフェ・アジャグバ。ジョイスの退場に伴い、マーティン・バコレ、フィリップ・フルゴヴィッチ、ジャレッド・アンダーソン、フランク・サンチェスがいずれも1つ順位を上げた。
ヘビー級シーンは、「4強時代」(ウシク/フューリー/ジョシュア/ワイルダー)から着実に変わりつつある。
注目記事:大谷翔平の最新成績&ランキングまとめ(外部配信)
ヘビー級ランキング:スポーティングニュース選出Top 12
順位 | 選手名 | 保持タイトル | 戦績 | 順位変動(7月29日策定) | |
1 | オレクサンドル・ウシク |
WBA/WBC/WBO/リング誌 |
22-0 (14KO) |
- | |
2 | タイソン・フューリー | 34-1-1 (24 KO) |
- | ||
3 | アンソニー・ジョシュア | 28-3 (24 KO) |
- | ||
4 | ジョセフ・パーカー | WBO暫定 | 35-3 (22 KO) |
- | |
5 | 張志雷(チャン・ジーレイ) | 27-2-1 (22 KO) |
- | ||
6 | アギット・カバエル | WBC指名挑戦者 | 25-0 (16KO) |
- | |
7 | ダニエル・デュボア | IBF | 21-2 (20 KO) |
- | |
8 | マーティン・バコレ | 20-1 (15 KO) |
+1 | ||
9 | フィリップ・フルゴビッチ | IBF指名挑戦者 | 17-0 (14KO) |
+1 | |
10 | ジャレッド・アンダーソン | 17-0 (15KO) |
+1 | ||
11 | フランク・サンチェス |
|
+1 | ||
12 | エフェ・アジャグバ | 20-1 (14 KO) |
new |
世界ヘビー級最高ボクサー:オレクサンドル・ウシク
ウクライナの魔術師オレクサンドル・ウシクがクルーザー級で躍進を続けていた頃、この無敗のチャンピオンはヘビー級でも大活躍すると目されていた。実際、その期待を裏切らず、アンソニー・ジョシュアから3本のベルトを奪い取り、2つの印象的なポイント勝利を収めた。
ロシアとウクライナの紛争もあって、ウシクはしばらく選手活動を休止していた。37歳のテクニシャンは昨年8月に復帰し、イギリスのダニエル・デュボアを9ラウンドで打ち負かすと、件の通り、ヘビー級史上初の主要4団体王座統一という絶対的な栄光を目指した。
ウシクのタイソン・フューリーに対する勝利は、殿堂入り確実の彼のキャリアの中でも最高の功績になるだろう。卓越した技術を持ちながらも、国を背負う兵士のような勇気を持つウシクは、今やこの競技における史上最高の選手として確固たる地位を築いている。
原文:Top 12 best heavyweights in boxing: Rankings for weight class starring Fury, Usyk, Joshua, Wilder
翻訳/編集:スポーティングニュース日本版編集部 神宮泰暁