今、バンタム級は素晴らしい試合が目白押しだが、ひとりだけ別次元に立つファイターがいる。その男はわずか1試合だけで、その頂点に立ったと言っても過言ではない。
スポーティングニュース格闘技部門が選出した現在のバンタム級世界トップ12人【2024年冬】を、名門誌『The Ring』元編集人のトム・グレイが紹介する。
2月24日、ボクシング界はバンタム級一色となり、東京では2人の日本人が世界戦に出場した。
初防衛戦に臨んだWBA王者の井上拓真は、元スーパーフライ級V9世界王者ジェルウィン・アンカハスを9ラウンド、ボディブローでノックアウトし、キャリア最大の勝利を挙げた。一方、そのアンダーカードでは、中谷潤人がWBC王者アレクサンドロ・サンティアゴを6回TKOで下し、3階級制覇を達成した。
118ポンド(53.524kg以下)のバンタム級は、軽量級セクションの中でも世界各国の多くのタレントがひしめく興味深い階級だが、中谷はこの階級に加わったばかりにもかかわらず、まばゆいばかりの輝きを放ち、1位の座に就いた。
破壊的パンチと恵まれた体格を持つ日本の新たな118ポンド級スターは、他団体王者相手との統一戦に進むのか、それとも再び階級を上げるのか?
バンタム級ランキング:スポーティングニュース選出Top 12
順位 | 選手 | タイトル | 戦績 | 順位変動 (2024/2/29) |
1 | 中谷潤人(日本) | WBC | 27勝0敗(20KO) | - |
2 | ジェイソン・モロニー(豪州) | WBO |
27勝2敗(19KO) |
- |
3 | エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ) | IBF | 22勝2敗(13KO) | - |
4 | 井上拓真(日本) | WBA | 19勝1敗(5KO) | - |
5 | ビンセント・アストラビオ(フィリピン) | 19勝4敗(14KO) | - | |
6 | アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ) | 28勝4敗5分(14KO) | - | |
7 | ノニト・ドネア(フィリピン) | 42勝8敗(28KO) | - | |
8 | ポール・バトラー(英国) | 36勝3敗(17KO) | - | |
9 | 西田凌佑(日本) | 8勝0敗(1KO) | - | |
10 | 比嘉大吾(日本) | 21勝2敗1分(19KOs) | - | |
11 | アントニオ・バルガス(米国) | 18勝1敗(10KO) | - | |
12 | 石田匠(日本) | 34勝3敗(17KO) | - |
バンタム級世界最強は?:中谷潤人
中谷潤人は階級を上げるたびに強くなっているように見えるが、その事実は対戦候補たちにとってはまさしくバッドニュースだろう。2月24日のアレハンドロ・サンティアゴを6ラウンドで完全に仕留めた試合は、キャリア最高のパフォーマンスであり、正当なパウンド・フォー・パウンド・ランキング入りを目前にしていることをさらに証明してみせた。
中谷はスピード、パワー、そして非常に高いリングIQを持っている。距離に対する判断力も抜群で、破壊的な攻撃力だけでなく、打たれ強さもすべて兼ね備えている。この階級で(その多くを証明したサンティアゴ戦)1試合戦っただけで、彼は118ポンド部門で頭ひとつ抜け出してしまった。
フライ級ではミラン・メリンド、スーパーフライ級ではフランシスコ・ロドリゲス・ジュニア、アンドリュー・モロニー、アルヒ・コルテスといった実力者を倒してきたことでも、その実力を裏付けている。
著:トム・グレイ
※本記事は国際版記事を日本向けに翻訳・編集したものとなる。翻訳・編集:スポーティングニュース日本版編集部 神宮泰暁
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