【ボクシング】寺地拳四朗インタビュー|目標は今も4団体統一王者、もし無理ならロドリゲス戦のためフライ級転向も

2024-01-19
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Naoki Fukuda

165cm、49kg、ライトフライ級で熱い戦いを繰り広げる寺地拳四朗は、現在のボクシング界屈指のファイターだ。1月23日(火)、エディオンアリーナ大阪でトップコンテンダーのカルロス・カニサレスを迎え討つ寺地のタイトルマッチならびにアンダーカードは、『Prime Video Presents Live Boxing 6』として同日、Amazonプライムビデオで独占ライブ配信される。

注目の一戦を前に、名門『The Ring』誌(リングマガジン)元編集人で本誌格闘技部門副編集長のトム・グレイが、寺地にこの試合、さらには噂される『バム』ロドリゲス戦について尋ねた。

【告知】1.23当日、天心第3戦、寺地&阿久井のダブル世界戦をライブ速報予定!

元王者は「タフな相手」だが、「自分がすべて上」と自信の寺地

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寺地はここまで対峙してきたファイターを全てなぎ倒し、現在WBA/WBC/『リング』誌ライトフライ級王者を保持している。2021年、コロナ陽性判定のために延期された矢吹正道との防衛戦で一度は敗れたものの、ダイレクトリマッチでは3ラウンドKOの圧倒的勝利を収めた。

直近の試合は昨年9月、過去に2階級制覇を果たしてきた挑戦者ヘッキー・ブドラーを相手に9回TKO勝ち。日本のファンの前で身上とする多彩なパンチとスピードを見せつけた。

「いい試合だったと思います」

寺地は日本での取材協力者を通じてスポーティングニュース(TSN)のインタビューにそう答えた。

「ブドラーがフットワークを駆使してきたので、仕留めるのがなかなか難しかったですが、ブドラーにはアンソニー・オラスクアガのような強いパンチはないので、インファイトする方が楽でした。もちろん、どちらもタフな対戦相手でしたが」

1月23日の相手であるカニサレス(26勝1敗1分、19KO)は、寺地が目指す高みの前に立ちはだかるグッドファイターだ。ベネズエラ出身の挑戦者は、現在TSNのライトフライ級ランキングでは第8位、直近の試合では評価の高かったダニエル・マテリョン相手に勝利を収めている。

対日本人戦績は2勝1分け。全盛期にあった頃の田口良一と引き分け、WBA世界ライトフライ級レギュラー王座決定戦で小西伶弥、2度目の防衛戦で木村翔を下している。

「この試合が楽しみで仕方がないです。カニサレスもまたタフな相手ですから」と寺地は自身15度目となる世界戦への期待を語った。

「パンチも強いし、フットワークのテクニックも優れた選手。でも、全てにおいて自分の方が上だと思っていますけどね」

レギュラータイトルながら元世界王者であるカニサレスに対し、ライトフライ級最強と目される寺地は自信をあらわにした。寺地はこの試合の先に実現したいことを見据えているからだ。

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Naoki Fukuda

大阪決戦後は4団体統一の夢を継続? それともフライ級転向?

寺地がここ数年、4団体統一戦の実現に向けて尽力していたことはボクシングファンなら周知の事実だろう。彼の目標は、ライトフライ級史上初となるアンディスピューテッド・チャンピオンになることだ。

しかしながら、現WBO王者のジョナサン・ゴンサレスはマイコプラズマ肺炎のために決定していた寺地との統一戦を欠場。残るIBFタイトルもシベナティ・ノンティンガを番狂わせで破ったエイドリアン・クリエルの手に移っている。この両者は今年2月16日にダイレクトリマッチを行う予定だ。

もし今後も統一戦の実現が難航するようですれば、寺地はフライ級にステップアップし、WBO/IBF世界フライ級統一王者のジェシー『バム』ロドリゲスと対戦したいと公言している。『バム』は昨年12月、それまで無敗を誇っていたIBF王者サニー・エドワーズを相手に衝撃的なTKO勝利を収めた。

32歳の日本人王者は目前のカニサレス戦に集中しているのだろう。『バム』との対戦の可能性については多くを口にしなかった。それでも必要になれば、海を渡ってのアメリカ・デビューを果たす意向があることは明言してみせた。

「現時点では、(ロドリゲスとの)試合がどうなるかは想像できません。もし日本以外で戦いたいならどこであって喜んで試合しますよ」

「もちろん、(ライトフライ級の)アンディスピューテッド・チャンピオンになりたいと思っていますが、階級を上げるのもそれと同じくらい面白そうだと思っています。統一戦が実現しないなら、階級を上げることになるでしょうね。できる限り多くのベルトを手にしたいんです」

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2階級4団体統一の井上尚弥に刺激、タパレス戦での強さに感服

ベルトと言えば、井上尚弥は昨年12月のマーロン・タパレス戦で10回TKO勝ちを収め、新たに2本のベルトを手に入れた。寺地を触発する存在の井上は、この勝利によって、スーパーバンタム級でもアンディスピューテッド王者となった。

「タパレスは倒されないことを意識して戦っていたように見えました。井上選手はそれだけ優れていたということです」と、寺地はあの試合を振り返ってそう語った。

井上に限らず、寺地、井岡一翔(WBA世界スーパーフライ級王者)、中谷潤人(前WBO世界スーパーフライ級王者)、重岡兄弟(WBA世界ミニマム級王者の優大とIBF世界ミニマム級王者の銀次朗)といった日本人ファイターがみなトップクラスの戦いを見せているのを見れば、日本のボクシングが『それだけ優れている』ことが分かる。疑問の余地はないだろう。

※本記事は国際版記事を翻訳し、編集した記事となる。翻訳・編集:石山修二、編集:スポーティングニュース日本語版編集部 神宮泰暁