日本時間7月14日（日）に米ペンシルバニア州で行われるボクシング・IBF世界ウェルター級タイトルマッチ「ジャロン・エニスvsダビッド・アバネシヤン」の勝敗予想・参考オッズを、名門誌『The Ring』の元編集人で本誌格闘技部門副編集長トム・グレイが解説する。
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🏟地元凱旋の若き王者にロシアのベテランが挑む
現地時間7月13日、世界で最も才能のある若きファイターが故郷のリングに戻ってくる。ジャロン・『ブーツ』・エニス（米国）が、フィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・センターにて、世界タイトル挑戦経験のあるダビッド・アバネシヤン（ロシア）を相手に、2度目のIBF世界ウェルター級王座防衛戦を行う。このタイトルマッチに加えアンダーカードの試合は、『DAZN』（ダゾーン）にて独占生配信される。
エニス（31勝0敗、28KO）は、輝かしいアマチュアエリートとして2016年にプロに転向して以来、次世代のスーパースターになることが期待されてきた。ロイマン・ビジャ（コロンビア）に10回KO勝ちを収め初防衛を達成したあとに英大手プロモーター「マッチルーム」と契約を結び、今回彼のキャリアを決定づけるであろう大舞台に臨む。
「アバネシヤンはエニスにとって強敵となるだろうが、我々はそのような激しい試合を望んでいた。受けてくれたアバネシヤンには感謝する。彼にはネームバリューがあり、タフで一歩も引かず、前向きな男だ」と、試合を手掛けるマッチルーム社の会長エディー・ハーンはそう述べた。
アバネシヤン（30勝4敗1分、18KO）は、当初の挑戦者であったコーディ・クロウリー（米国）が目に問題を抱え辞退することになったため、IBFランキング13位ながら世界王座挑戦が認められた。
ロシア生まれアメリカ育ちのアバネシヤンは、2022年12月、ウェルター級王者でパウンド・フォー・パウンドの常連テレンス・クロフォードに挑戦したが、6ラウンドKO負けを喫した。その1年後にカメルーンの無名選手相手にほぼミドル級の体重で再起戦を行い、相手の4回での棄権で勝利している。
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スポーティングニュースは、ジャロン・エニスvsダビッド・アバネシヤンの一戦について参考オッズや勝敗予想をまとめる。
💰ジャロン・エニスvsダビッド・アバネシヤンの参考オッズ
米大手ブックメーカー『BetMGM』によるエニスvsアバネシヤンのオッズは以下のようになっている。
- エニスの勝利：-1400
- アバネシヤンの勝利：+700
- 引き分け：+2500
このオッズはアメリカンオッズ式となり、「-1400」は100ドルの配当を手にするのに1400ドルをかける必要があり、当たった場合は1400+100=1500ドルの払い戻し。「+700」は100ドルを賭けて当たれば700ドルの配当となり、100+700=800ドルの払い戻しとなる。
💰ジャロン・エニスvsダビッド・アバネシヤンのプロップベット
この試合のプロップベット（成績・試合内容等に基づく賭け）は以下の通りだ。
- エニスのKO/TKO、テクニカルデシジョンまたは失格による勝利：-500
- エニスの判定勝利：+450
- アバネシヤンのKO/TKO、テクニカルデシジョンまたは失格による勝利：+1400
- アバネシヤンの判定勝利：+2500
- 引き分け：+2500
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🥊エニスvsアバネシヤン：勝敗予想（トム・グレイ評）
この試合は、『ブーツ』ことIBF王者ジャロン・エニスにとって地元フィラデルフィアでの凱旋祭りとして宣伝されており、実質的には「ジャロン・エニス・ショー」となる。
オッズ（-1400）が示すように、エニスはただ姿を現すだけで、勝利は約束されたようなものだ。27歳のエニスは、35歳のアバネシヤンに比べより速くて強く、技術があり、ディフェンス面でも優れている。
挑戦者のアバネシヤンに唯一希望があるとすれば、それは一撃のパンチだろう。ただ、アバネシヤンは強打を放てるものの、彼が収めてきたKOのほとんどはパンチの蓄積によるものであり、攻守に優れたエニスを倒せるほどのダメージを与えられるかについては疑問が残る。
エニスはどんな形であれこの試合に勝利することが予想される。彼の技術とスピードはアバネシヤンを圧倒し、もし挑戦者が攻撃的になりすぎるとその隙を突かれ、「罰」を受けることになる。
エニスが強力な一発でアバネシヤンを仕留めるまで、一方的な試合になるだろう。もしくは、レフェリーが慈悲のストップをかける必要がでてくる。
過去の対戦やテレンス・クロフォードが対戦を避けた事実から、エニスを倒すには特別なファイターが必要であることを我々は分かっている。アバネシヤンは勇敢でタフだが、特別な選手とはいえない。