『インフルエンサーボクサー』の顔役であるジェイク・ポールは、ここ最近強豪ファイターと対峙していないことから、その異質なボクシングキャリアに関する世間の注目度が下がっていたが、このユーチューバーはファンの期待、そしてアンチの批判に応えた。かの『問題児』(The Problem Child)は、ボクシング界のスーパーレジェンド、マイク・タイソンと戦うことを発表したのだ。
この賛否両論の対決は、当初は現地時間7月20日に実施予定だったが、タイソンの健康状態回復を待つ形となり、11月15日に延期された。
ジェイク vs. タイソンの試合は、テキサス州アーリントンにあるAT&Tスタジアムで行われ、米国と英国では動画配信大手の『ネットフリックス』(Netflix)で配信される。なお、これはネットフリックスの初めての格闘技中継コンテンツとなる。
英語圏以外でもネットフリックスで配信されるかは明らかになっていないものの、注目の対決であることを考えると何らかのプラットフォームで中継が行われる可能性はあるだろう(プロモートするMVP社とDAZNは新人発掘番組で提携関係にある)。
この試合をプロモートするMVP(モスト・バリュアブル・プロモーションズ)社の創設者ナキサ・ビダリアンは、「ジェイク・ポール vs. マイク・タイソンは一生に一度の夢のようなマッチアップで、近年のボクシング史上最も注目されるイベントになるだろう。Netflixで中継を配信するということは、異例の規模で世界に届ける前代未聞の機会になる。スポーツ界で最も大きなネームバリューを持つ両者の激しい戦いを届けられることを我々は楽しみにしている。6つの世代(1980〜2020年代)に渡るボクシングファンたちがこの試合の結果に賭け、『悪童』ジェイク・ポールが、『地上最凶の男』マイク・タイソンに全力をぶつける姿を目撃するだろう」と述べた。
■復活したタイソン、その前座で話題になったジェイクとの対決が実現
『地上最凶の男』として知られるマイク・タイソンは、1985年にプロデビューした。リングの中でも、そして外でも恐れられるタイソンは、44のKO勝ちを記録し、文字通り対戦相手を粉砕してきた。主要3団体時代における最も有名なヘビー級アンディスピューテッド王者は、トレバー・バービック、マイケル・スピンクス、バスター・ダグラス、イベンダー・ホリフィールドらとの試合を通して成功や挫折を経験している。
タイソンは2005年、ケビン・マクブライドに敗れたのを機に現役を引退した。しかし、史上最高のボクサーは2020年、かつてのライバルであるロイ・ジョーンズ・ジュニアとのエキシビションマッチのためリング上に復活を果たした。同大会にはプロボクシングに進出したばかりのジェイクも出場し、元NBAスターのネイト・ロビンソンと戦った。
ロビンソン戦後のジェイクは、MMAファイターのベン・アスクレン、タイロン・ウッドリー(2度)、アンデウソン・シウバ、ネイト・ディアスらにも勝利していった。2023年には初めてプロボクサーとの試合に挑戦し、現WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリーの異母弟トミー・フューリーに敗れたが、アンドレ・オーガストにKO勝利を収め、同年を締めくくった。
今年の3月初旬、元ディズニースター(ジェイクは10代の頃、ディズニーのいたずら番組の出演者だった)はライアン・ボーランドにTKO勝利したが、多くの人々は彼の型通りのパフォーマンスと長いブランクで動きの鈍った対戦相手を批判した。
そうした批判的な声を黙らせるべく、ジェイクは『地上最凶の男』に挑む。
「プロ2戦目でマイク・タイソンの前座として戦い、ネイト・ロビンソンをKOしたことでオレは有名になったんだよ。それから4年も経たずして、今の自分がボクシング史上最も悪名高いファイターであり最大のアイコンを倒せるだけの力があるか、それを確かめるため、タイソンとの試合に挑戦する」
■タイソンの潰瘍再発で11月15日に延期も、健康不安は尽きず
試合決定発表後、UFCのCEOダナ・ホワイト氏や人気格闘家コナー・マクレガーなどの格闘技関係者やファンの間で、57歳のタイソンの健康不安が懸念され続けていた。そんな最中の5月26日、タイソンがマイアミからロサンゼルスへの飛行機移動中に吐き気とめまいを訴え、機上で治療を受けたというニュースが世界を駆け巡った。
ロサンゼルス空港着陸直後、ほかの乗客が降りる前に救急隊員が乗り込み治療を行ったというほど緊急性の高いものだったが、症状は潰瘍の再発だった。2日後には自身のX(旧Twitter)に「今の調子は100%。まあジェイク・ポールを倒すのにそんなに必要ないがね」と投稿し、無事を報告している。
この事態を受けて、7月20日に予定されていた試合は、11月15日に延期された。7月のイベント自体は中止にはならず、会場をアマリーアリーナ(テキサス州タンパ)に変更して実施する。ジェイクはタイソンの代役として、元UFC戦士で『BKFC』(ベアナックルファイトチャンピオンシップ)を主戦場にするマイク・ペリーとボクシング公式戦(8回戦)を行うことになった。
そもそもジェイクvsタイソンがボクシング公式戦となるか、エキシビションマッチとなるか、開催地のテキサス州アスレティック・コミッションが、「30歳差」(27歳と57歳)の試合をどういう形で承認するのかについては最初の決定報道直後は明確にされていなかったが、脳波・心電図などの検査を条件に承認したとされる。タイソン陣営は、『公式戦』であることを主張している。
しかし、6月30日に58歳を迎えるタイソンには、さらなる健康不安が懸念される。過去にはアルコール依存症で苦しみ、坐骨神経痛で車椅子生活を送っていた時期もある。またジェイクとの試合では『クリーン』な状態が求められるため、常用していた大麻(居住地のロサンゼルスでは合法)をやめたことで痛みがでてきた(耐えられなくなった)のではないかとも囁かれている。
『世界最凶の男』の健康状態は今後も不安視されることになる。
スポーティングニュースは、ジェイク・ポール vs. タイソンの試合について、開始時間・視聴方法・PPV価格・参考オッズ・対戦カードなど、知るべき全ての情報を提供する。
ジェイク・ポールvsマイク・タイソン:試合日程
ジェイク・ポール vs. マイク・タイソンの試合は、2024年11月15日に行われる。見込まれる試合開始時間は判明次第更新する。現地での試合時間が夜の場合、日本では翌日朝から昼の時間帯になる。
地域 | 日付 | メインカード開始時間 | メインイベント入場時間 |
アメリカ・カナダ(東部時間) | 11月15日(金) | 未公表 | 未公表 |
アメリカ・カナダ(太平洋時間) | 11月15日(金) | 未公表 | 未公表 |
イギリス・アイルランド | 11月15日(金) | 未公表 | 未公表 |
オーストラリア | 11月15日(金) | 未公表 | 未公表 |
日本 | 11月16日(土) | 未公表 | 未公表 |
ジェイクvsタイソン:視聴方法(テレビ中継・インターネット配信)
地域 | テレビ中継 | インターネット配信 |
アメリカ | — | ネットフリックス |
カナダ | — | ネットフリックス |
イギリス・アイルランド | — | ネットフリックス |
オーストラリア | — | ネットフリックス |
日本 | — | 不明 |
ジェイク・ポール vs. マイク・タイソンの試合は、ネットフリックスでライブ配信予定である。ただし、日本向けネットフリックスでの中継配信については現時点で発表がなく、別のプラットフォームでの配信についても不明だ。
ジェイクvsタイソン:いくらで視聴できるか?
ネットフリックスでのライブ配信は、ペイパービューではなく、月額サービス(サブスクリプション)内で視聴可能とアナウンスされている。
日本向けの配信は現時点で発表がなく、視聴放送・視聴料金を含めて不明となる。
参考:ネットフリックス(日本向け)の月額料金
- 広告付きプラン: 月額790円
ベーシック:月額990円(2023年10月に受付終了)- スタンダード: 月額1490円
- プレミアム: 月額1980円
ジェイクvsタイソン:試合会場
ジェイク・ポール vs. タイソンの試合は、テキサス州アーリントンにある「AT&Tスタジアム」で行われる。NFLダラス・カウボーイズのホームスタジアムで、80000人以上収容可能である。
ジェイクvsタイソン:参考オッズ
この試合のオッズはまだ公表されていない。
ジェイク・ポール:プロフィール・戦績
- 国籍:アメリカ
- 生年月日:1997年1月17日(27歳)
- 身長:183cm
- リーチ:193cm
- プロ総試合数:10
- プロ公式戦戦績:9勝1敗(6KO)
マイク・タイソン:プロフィール・戦績
- 国籍:アメリカ
- 生年月日:1966年6月30日(57歳、試合時には58歳)
- 身長:178cm
- リーチ:180cm
- プロ総試合数:56
- プロ公式戦戦績:50勝6敗(44KO)
ジェイクvsタイソン:対戦カード
- ジェイク・ポール vs. マイク・タイソン
※その他のカードは判明次第掲載予定