6.24 ジョシュア・フランコ vs. 井岡一翔第2戦：勝敗予想、オッズ

（時事通信）

6月24日（土）、WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチが行われる。ドローに終わった昨年大晦日に続く再戦は、WBA王者のジョシュア・フランコにとっては手慣れたシリーズマッチだが、丸腰の挑戦者になってまで実現させた井岡一翔にとっては進退をかけた大一番だ。

圧倒的実力差のない同カードだが、有利不利の要素はいくつか見いだせる。スポーツベッティングが盛んな海外ブックメーカーでのオッズからこの試合の行方を占っていく。名門誌『The Ring』（リングマガジン）出身で本誌格闘技部門副編集長のトム・グレイが解説する。

※編集部注（6/23 15:00）：前日計量で王者ジョシュア・フランコが3.1kg超過し、再計量も2.9kg超過で終えた。井岡は計量を-160gでパスしていた。このため、試合は行われるが、フランコは王座剥奪で勝っても空位、井岡が勝てば新王者になるという結論になった。

井岡の「幸運」はまだ続くのか、それとも…

井岡一翔はベルトを返上してまでWBA世界スーパーフライ級王者ジョシュア・フランコとのダイレクトリマッチを求めた。その気概は称賛に値する。この注目の一戦は、6月24日に東京の大田区総合体育館で行われる。

昨年の大晦日、やはり大田区総合体育館で行われたスーパーフライ級2団体統一王座戦で、フランコは井岡をギリギリのところまで追い詰めた。12ラウンドの息詰まる攻防の末、ジャッジの裁定は0−1のドローだった。

井岡は幸運にもWBO同級王座を防衛した。試合後の反応を見ると多くの人はそう感じた印象だった。

その試合直後、WBOは井岡に指名挑戦者である同国人の中谷潤人との対戦を命じた。しかし、34歳の井岡はあくまでもフランコと決着をつけることを望み、自らの王座を返上して、サンアントニオ出身の軽量級スター候補と再戦することを選んだ。

第1戦では井岡はやや衰えを感じさせた。プロデビューから14年を過ぎ、4階級で世界王者となった井岡は、これまでに世界タイトル戦を23試合戦っている。驚異的な業績であるが、それゆえに長年の戦いによるダメージの蓄積は大きい。

井岡が時（とき）の流れを逆転させ、最盛期のようなパフォーマンスをもう一度見せることはできるだろうか。それとも27歳のフランコが若い力を証明するだろうか。

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試合の予想は、ブックメーカー各社のオッズからある程度うかがえる。スポーツベッティングで最大手のブックメーカー『Bet MGM』によると、ジョシュア・フランコが「-110」で有利、井岡一翔が「+100」で不利となっている。

これは、「100ドル」を賭けた場合、フランコなら110ドル（儲けは10ドル）、井岡なら200ドル（儲けは100ドル）戻ってくるという計算になる。今回のオッズは僅差だ。

下のオッズは勝ち方別のオッズがつく『BetFair』によるものだ。こちらは完全に互角だ。しかし、ドローにはならないだろうという予想が見えてくる。

第1戦で114-114（ラウンドリード：6-6）の採点を下したジャッジは、その夜の体調がおかしかったのではないか。115-113（ラウンドリード：7-5）でフランコを支持したスタンリー・クリストドゥロウ氏にしても僅差に過ぎた。

フランコは井岡にパンチを浴びせ続け、有利に試合を進めた。確かにフランコの有効打はさほど多くなかったし、井岡はあえて戦術的に後退したように見えた。それでも井岡の攻撃は多くの局面で明らかに後手に回っていたのだ。

井岡の能力的に余力がまったく残っていなかったというわけではない。5度目のWBO世界スーパーフライ級タイトル防衛戦において、井岡は2018年に敗れたことがあるドニー・ニエテスに雪辱をはたした。ここでの違いは、ニエテスがそのとき40歳であり、全盛期を過ぎていたということだ。

ところが、27歳のフランコは今まさにキャリアの全盛期を迎えている。そしてボクシングとはタイミングがすべてなのだ。

我々スポーティングニュースの予想では、この再戦は第1戦と似た展開になる。井岡は全力を尽くすだろうが、それでも王者より多くのラウンドを制することはないだろう。そして今回は王者側がスコアカードで前回よりは「多くの敬意」を払われることになるはずだ。

スポーティングニュースの予想：勝者フランコ（12回3-0判定、オッズ+140）

原文：Joshua Franco vs Kazuto Ioka 2 odds, predictions, best bets for 2023 boxing fight
翻訳：角谷剛
編集：スポーティングニュース日本版編集部神宮