フェザー級暫定王座戦直前のフィゲロア、フルトンとの再戦、フルトン vs. 井上戦についても語る

2023-03-03
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3月4日(日本時間5日)、カリフォルニア州オンタリオのトヨタ・アリーナにおいて、元世界チャンピオン同士であるブランドン・フィゲロア(米国)とマーク・マグサヨ(フィリピン)によるWBC世界フェザー級暫定王座決定戦が行われる。

業界屈指のベイビーフェイスを持つフィゲロアは、唯一の黒星の相手フルトンとの再戦や、5月実現が濃厚のフルトン vs. 井上戦についての持論をスポーティングニュースに語った。本誌格闘技部門副編集長のトム・グレイが伝える。

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フィゲロア(23勝1敗、18KO)は元WBA・WBC世界スーパーバンタム級王者だ。異名である『ハートブレイカー』にはふたつの意味が込められている。このテキサス出身の26歳は、温厚な性格と、類まれな美貌で知られ、女性ファンからの視線は熱い。その一方で、フィゲロアは執拗かつ積極果敢な攻撃で対戦相手の心を砕くファイターとしても知られているのだ。『悪童』ルイス・ネリ(メキシコ)が初黒星を喫した試合はまさに好例だろう(下記動画参照)。

対するマグサヨ(24勝1敗、16KO)も強打の持ち主だ。この27歳のフィリピン人スターは、WBC世界フェザー級正規王座に短い間だけ就いたことがある。しかし、昨年7月にラスベガスで行われた初防衛戦でメキシコのレイ・バルガスに敗れ、タイトルを失った。世界タイトル再挑戦のチャンスを熱望するマグサヨにとって、世界クラスの対戦相手は望むところだろう。

「マグサヨは良いファイターだよ。けっして侮ってはいけない。フェザー級では危険な相手だ。激しいトレーニングを積んでいるしね。だから僕はそれ以上に激しくトレーニングして、自分を高めるだけだよ。最高のコンディションで試合に臨まないといけない。彼のパンチは強力だから、それを食らわないように気をつける。賢い戦い方をしたいね」と、フィゲロアはスポーティングニュースに語った。

「作戦としては、少しアウトボクシングを仕掛けて、マグサヨがどう対応するかを見るつもりだ。もし上手く行くようなら、そのスタイルを続ける。もしインファイトが有効なら懐に入るだけさ。マグサヨは速く、爆発的なファイターだし、それだけでなく後半ラウンドになっても強力なパンチを放つスタミナもある。僕としては少し距離を取ってボディーを攻め、ロープを背負わせたら、僕の強いパンチを叩き込みたいね」

動画:ブランドン・フィゲロア vs. ルイス・ネリ:WBA, WBCスーパーバンタム級王座統一戦

今回のマグサヨ戦が決まる前、フィゲロアはプロキャリアで唯一の敗北を喫した対戦相手であるスティーブン・フルトン(米国)との再戦が噂されていた。2021年11月、『クールボーイ』の異名を持つフルトンは、12ラウンドの激しい打ち合いの末に判定でフィゲロアを下し、スーパーバンタム級のWBA・WBO世界統一王者の座に就いた。両者とも判定を受け入れ、そして再戦を願っていた。

「フルトンと再戦できたら、それは素晴らしいファイトになるだろうね。年間最高試合の候補になるくらいの。たくさんの人が見に来ることは間違いないし、僕らはきっと前の試合より良いファイトを見せられると思う。チャンピオン同士が再戦して、年間最高試合を繰り広げる。素晴らしいと思わないかい」とフィゲロアは熱っぽく話した。

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「再戦はもう少しで決まるところだった(WBC世界フェザー級暫定王者戦として交渉されていた)。だけど、井上(尚弥)がスーパーバンタム級に移ってきたことで、すべてが変わってしまった。僕は誰とでも戦う準備はある。それがスティーブン・フルトンである必要はない。それでもこの試合は実現したかったけどね。僕は誰からも逃げたことはない。フルトンにはイエスと何回も言った。だけど、井上が階級を上げたことで予定が変わってしまった」

フルトンと井上の一戦は、現在、ボクシング界が最も待ち望んでいる試合のひとつである。まだ正式発表はされていないが、交渉が急速かつ前向きに進んでおり、5月のどこかで日本においてこの大試合が実現すると見られている。

「(フルトン vs. 井上戦は)とても良いファイトになるだろうし、そして接戦になるだろうね。井上の方が有利だと思うけど、フルトンだって最高の準備をして試合に臨むだろうしね」と、フィゲロアは注目カードの予想を口にした。

「井上には弱点はない。だからフルトンが勝ちたいのなら、自分が最も得意とする戦いに徹するしかないのさ。井上が『ザ・モンスター』と呼ばれるにはそれだけの理由がある。2人のスタイルが嚙み合うと、とても面白いことになるだろうね。僕の予想では、最初にミスをした方が負けると思う」

動画:ブランドン・フィゲロア vs. マーク・マグサヨ予告

スーパーバンタム級同様、フェザー級戦線の動きも激しい。元王者のフィゲロアは昨年7月にこの階級でのデビューを果たし、カルロス・カストロを7回TKOで下した。階級を上げたことは良い選択だったと考えている。

「僕はこの階級に向いていると思う。力強くなったし、鋭くなったし、自信もついた。体重増に上手く身体が反応してくれたようだよ。僕の身長は173cmもあるから、オフ期間には150ポンド(約68kg)や160ポンド(約73kg)にまで体重が増えてしまう。122ポンド(約55kg、スーパーバンダム級のリミット体重)に落とさなくて良いのは助かるよ。僕は細く見えるけど、筋肉はしっかりつけているからね。126ポンド(約57kg、フェザー級のリミット体重)が僕には最適だと思う」とフィゲロアは話し、自己分析する。

「僕とマーク・マグサヨの試合は年間最高試合の候補になるような激しい戦いになると思うよ。正真正銘のどつきあいだよ。僕らは2人とも爆発的なパワーパンチャーだからね。ファンにはきっと楽しんでもらえると思う。マグサヨは下がらないし、僕だって下がらない。リングの中で全力を尽くすよ」

この試合の勝者は空位のWBC世界フェザー級暫定王者となり、正規王者であるレイ・バルガスへの挑戦権を得る。

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原文:Brandon Figueroa primed for Mark Magsayo challenge, discusses Stephen Fulton rematch and Fulton-Inoue
翻訳:角谷剛
編集:スポーティングニュース日本版編集部

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