井上尚弥vsノニト・ドネア 放送予定・展望|4団体統一に進むのは"モンスター"か"閃光"か?

2022-06-07
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Getty Images

6月7日、ボクシングのWBAスーパー・IBF世界バンタム級王者の"モンスター"井上尚弥と、WBC同級王者"フィリピンの閃光"ノニト・ドネアの統一戦が、さいたまスーパーアリーナで行われる。2019年11月以来の再戦となる両雄は、それぞれが4団体王座統一戦に向け勝利をつかもうとしている。注目の一戦の放送予定やみどころや展望を紹介する。

井上尚弥vsノニト・ドネア INOUE vs DONAIRE 2:放送配信予定

  • 配信日時:2022年6月7日(火)18:30~
  • 井上vsドネア戦の予定時間:21:00前後
  • 配信元:Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)
  • 視聴料金:Prime(プライム)会員なら誰でも視聴可能
    ※配信時間は当日の試合進行次第で変更される可能性がある

約2年半ぶりとなる井上尚弥vsノニト・ドネアは、地上波TVでの試合中継がない。通販大手の『Amazon』のインターネット動画配信サービス『Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)』で、独占ライブ配信される。

同社でのスポーツライブ中継は、今年4月9日の村田諒太vsゲンナジー・ゴロフキン戦に続く第2弾となる。その村田はゲストとして決戦を見守るほか、番組MCには、くりぃむしちゅーの上田晋也氏、元テレビ朝日の竹内由恵アナウンサー、元世界3階級王者長谷川穗積氏と元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏が解説を務める。

『プライム会員』であれば、井上尚弥vsノニト・ドネアのライブ番組(第4試合から配信開始)を追加料金なしで誰でも視聴が可能となっている。ライブ配信後、見逃し配信もいつでも視聴できる。井上vsドネアのメインイベントは21:00前後からのライブ配信予定だが、当日の試合進行次第で時間が変更される可能性がある。

プライム会員』とは、Amazonの買物での無料配送のほか、Prime Video以外にもAmazon Music Prime(音楽配信)、Prime Reading(雑誌書籍配信)などが利用できるサブスクリプションサービス。30日間の無料体験期間があり、月額税込500円年間プランなら税込4900円で実質月額408円になる。学生の場合さらにお得となり、6か月間の無料期間に加え、その後の月額も税込250円で利用できる。

井上尚弥vsノニト・ドネア INOUE vs DONAIRE 2:概要・日程

  • 開催日程:2022年6月7日(火)16:00開場/16:50試合開始
  • 試合会場:さいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市中央区)

有観客で行われる今大会のチケットは、SRS:220000円、RS:110000円、プレミアムチェア付RS:165000円、指定A:77000円、指定B:55000円、指定C:33000円、指定D:22000円、指定E:11000円、車いす:22000円の席種が販売された。SRS、RS、プレミアムチェア付RSは完売した。チケットは大橋ジム公式サイトから購入できる。

チケットの転売は販売元から禁止されており、チケット転売サイト、フリマ等からの購入は来場時にトラブルになる可能性がある。抽選・一般販売で完売となった席種でも公式リセールで扱われている場合がある。公式にチケットを取り扱う楽天チケットのリセールを利用しよう

観戦チケット付の全国各地発着の応援ツアー(観戦チケット付)も日本旅行から企画・販売され、こちらは完売している。

井上尚弥vsノニト・ドネア INOUE vs DONAIRE 2:予定対戦カード

  • メイン:WBA・IBF・WBC世界バンタム級王座統一戦12回戦
    井上 尚弥 (WBA・IBF王者、大橋) vs ノニト・ドネア (WBC王者、フィリピン)

  • セミ:日本スーパーライト級タイトルマッチ
    平岡 アンディ (日本王者、大橋) vs 赤岩 俊 (同級8位、マナベ) 

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  • 第4試合:WBOアジアパシフィック・日本スーパーバンタム級王座統一戦12回戦
    井上 拓真 (WBO王者、大橋) vs 古橋 岳也 (日本王者、川崎新田)

  • 第3試合:55.8キロ契約8回戦
    石井 渡士也 (REBOOT.IBA) vs 福永 輝 (沖縄ワールドリング)

  • 第2試合:ライトフライ級6回戦
    坂間 叶夢 (ワールドスポーツ) vs 石垣 芙季 (UNITED)

  • 第1試合:ミドル級4回戦
    岡村 弥徳 (八王子中屋) vs 松野 晃汰 (神奈川渥美)

  • 予備試合:58キロ契約4回戦
    岩下 千紘 (駿河男) vs 山名 生竜 (HKスポーツ)

井上尚弥vsノニト・ドネア INOUE vs DONAIRE 2:展望

今から2年7か月前の2019年11月7日、さいたまスーパーアリーナでの『ワールドボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)』のバンタム級トーナメント決勝戦。"モンスター"と称される強烈なハードパンチャーとして快進撃を続ける井上尚弥はWBA正規・IBF王者として、"フィリピンの閃光"の異名通り、静から動のフレキシブルなスタイルで知られるノニト・ドネアはWBAスーパー王者として臨んだ。当時短期勝負が続いていた井上にとっては久々の消耗戦となったが、11回に得意の左ボディでドネアからダウンを奪い、フルラウンドにもつれながらも3-0の判定勝ちを収めた。

WBAスーパー・IBF統一王者となった井上だが、死闘の代償として右目眼窩底と鼻を骨折し、復帰には時間を要した。2020年10月にジェイソン・モロニー(オーストラリア)戦でラスベガスデビューを果たし、快勝。その後も2021年6月にマイケル・ダスマリナス(フィリピン)、同12月にアラン・ディパエン(タイ)を下し、防衛を重ねてきた。

一方、敗れたドネアはノルディーヌ・ウバーリ(フランス)の持つWBC王座獲得に動いた。ウバーリの新型コロナウイルス感染により紆余曲折があったものの、2021年5月の直接対決を制し、WBC王者となった。WBO王者のジョンリール・カシメロ(フィリピン)との統一戦が同8月に予定されるも、カシメロ陣営とのトラブルでキャンセル。12月にWBC暫定王者レイマート・ガバリョ(フィリピン)に勝利し、団体内王座統一に成功した。

井上陣営もカシメロとの統一戦を計画していたが、素行不良のカシメロに対し、WBCによる王座剥奪の動きもあり(のちに剥奪)、対決後も良好な関係にあるドネア戦に切り替え、6月7日の再戦が決定した。ここまでの戦績は、29歳の井上が22勝(19KO)無敗、39歳のドネアが42勝(28KO)6敗となっている。井上は3階級制覇王者だが、ドネアはアジア人初の5階級制覇を成し遂げている。

井上が身長165.2 cm、リーチは170.6 cm、ドネアが身長170cmでリーチ174cmと、フィジカル面ではドネアに分がある。2019年の初戦では、井上がキャリア史上初めて苦戦した試合としても記憶されており、井上自身も「あそこまでの戦いをしたことがなかった」と振り返っている。もっとも、ドネアは39歳になりかつて猛威を振るったスピード感に衰えがある。前回落としきれなかった井上としてはきっちりKOで勝ちたいだろう。対するドネアも今度こそ勝利をつかもうとしており、井上の左ボディ対策は講じているはずだ。

それぞれの勝利の先には、「4団体統一」、「Undsiputed Champion(絶対王者)」という目標がある。3日の会見ではドネアが「キャリア最大の一戦。4団体統一に近づくための試合」と話せば、井上も「4団体統一に向けた通過点にすぎない」と応戦している。両者が狙う"次の標的"WBO王者ポール・バトラー(英国)も、この一戦を視察すると報道されている。

4団体統一に向けてどちらが勝つのかも気になるところだが、バンタム級世界最高峰といえる両者だけに、前回の対戦を超えるような、一瞬も見逃せない戦いとなりそうだ。