富永啓生のNBA入りの可能性は? ホイバーグHC一問一答「彼には素晴らしい未来が待ち受けている」|米大学バスケNCAA

2023-03-05
読了時間 約2分
(YOKO B)

米国大学バスケットボールNCAAディビジョン1(D1)のネブラスカ大学に所属する富永啓生は、日本時間2月20日(現地19日)のメリーランド大戦まで、20得点以上を5試合連続で記録し、BIG10カンファレンスで旋風を巻き起こしていた。

日本時間26日(現地25日)のミネソタ大戦で惜しくもその記録は途絶えたが、それでも7試合連続の二桁得点(11得点)、自己最多の4スティールをあげてネブラスカ大は78-67で勝利し、6試合で5勝1敗という快進撃に大きく貢献した。

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この日はまた、富永の両親(富永啓之さんとひとみさん)が日本から初めて試合観戦に訪れており、その様子がピナクル・バンク・アリーナのスクリーンに映されるたびに、富永のネブラスカ大での活躍を喜ぶファンからは歓声と拍手が沸き起こっていた。

そのミネソタ大との試合後、フレッド・ホイバーグ・ヘッドコーチに富永の活躍と成長、そしてNBA入りの可能性について聞いた。以下、一問一答の抜粋(質問は要約)を紹介する。


「最も成長したのはディフェンス」

——富永の家族が海外から見に来ていることについて。

ホイバーグHC:家族の前でプレイできるのは本当に特別だ。実は昨日、娘がシカゴから富永家のフライトに同乗していて「これは本当に啓生のお父さんなの?」と聞いたんだ。うちの息子たちと似たような状況で、彼らも身長は母親譲りなんだ(笑)。

ご両親らが初めてここに来れたことはとても特別だ。啓生が(スターターで)紹介されたときにはすごい大声援を受けた。彼がショットを決めるたびに観客は熱狂する。スクリーンにご両親が映し出されたときには観客は大歓声だった。あれは本当に素晴らしかった。ここしばらくで一番良い時期に家族が来れて試合を見ることができたというのが、また最高だね。

——今シーズン、富永選手が最も成長したところは?

ホイバーグHC:ディフェンスが最も成長したと思う。短大からPower 5のカンファレンス(NCAA5大カンファレンス)に属する大学に移れば、それが最大の調整になる。 昨年はディフェンスに苦しんだ時期もあったが、今はよくやっている。

彼はオフスクリーンから相手を追い詰めるのがとてもうまい。今年はそこでマッチアップさせるようにしたが、そこで大きな飛躍を遂げた。オフ・ザ・ドリブルもそうだ。今シーズンの彼のオフ・ザ・ドリブルはとても良いと思う。

「ステフィン・カリーがメッセージを送ったことが相当なこと」

——昨シーズンのインタビューで富永選手にNBA入りのチャンスはあると話してくれたが、今はどう感じているか。NBAを目標にするなら、今の彼は何を強化すべきか。

ホイバーグHC:(富永の憧れの選手であるNBAゴールデンステイト・ウォリアーズの)ステフィン・カリーが今年、大学バスケに所属する人に対してツイートした数はそう多くないと思う。彼自身のアイドルが、世界中の何百万人ものフォロワーに見える形でメッセージを送ったことがまず、相当すごいことだ。

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知っておいてほしいことは、今のリーグを見ると、分析、シューティング、スペーシングなどの面でNBA選手はとても優秀なんだ。NBAではもっとスペースがあるので、高いレベルでシュートを打てる選手にはチャンスがある。

啓生にとっての最大の課題はサイズだ。ただ、スペシャリストになってNBAに入った選手もいる。 啓生が単なるシューターではないことはこれまで何度も話してきた通りだ。彼のカッティング、IQ、あの競い方を見ればわかると思う。

彼が取り組んでいかなければならないのは身体の強化だと思っている。それでも、彼は今(現地2月25日現在)7試合連続で二桁得点を記録していて、試合に出るたびにどんどん良くなり続けている。

だから、一生懸命競う選手を決して侮ってはいけないし、ショットを決められる選手を決して見過ごしてはいけない。啓生はそれができる選手だからね。

「彼には素晴らしい未来が待ち受けていると思う」

——富永選手のどこが気に入っているか。

ホイバーグHC:私は啓生のすべてが大好きだ。まず第一に、人として、彼は本当に誠実な子なんだ。今は彼の活躍で観客の反応もすごくて、多くの注目が集まっているが、それでも彼はとても謙虚で、決して自惚れたりしない。彼はソーシャルメディアを多用するタイプでもないから、自分のことをあれこれ投稿することもない。彼のそういうところも気に入っている。

彼はただ、自分のやるべきことをやる。明日は2回ジムで練習し、その後また戻って練習をする。選手としては、彼の今の活躍がそのすべてを物語っていると思う。私は、それ以上に人として、彼を指導することが大好きだし、彼のことを知ることが大好きなんだ。

彼には素晴らしい未来が待ち受けていると思う。


この取材の2日後の日本時間3月1日(現地2月28日)、ネブラスカ大はミシガンステイト大とホームで対戦し、67-80で敗れている。富永は30分の出場で、20得点(フィールドゴール11本中7本成功、3ポイントショット8本中4本成功、フリースロー3本中2本成功)、2リバウンドをあげ、8試合連続の二桁得点を記録した。

次戦、ネブラスカ大は日本時間3月6日(現地5日)にアイオワ州アイオワシティのカーバーホークアイ・アリーナでアイオワ大とのレギュラーシーズン最終戦を迎える。

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