WBCで採用される大谷ルールとは? MLBでは昨年からNPBでも今年から採用

2023-02-28
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(GettyImages)

3月8日(木)に台湾で開幕する第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、「大谷ルール」(通称)が採り入れられた。その「大谷ルール」とはどんなものなのだろうか。

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「大谷ルール」で先発投手と指名打者の兼任が可能に

端的に言うと、「大谷ルール」は先発投手が指名打者(DH)を兼任できるというもの。これにより、先発投手が降板した後も指名打者として打順に残しておくことができる。

指名打者制度(以下、DH制度)において指名打者は投手の代わりに打順に入り、「打撃専門の選手」としてプレーする。しかし、従来のルールでは先発投手と指名打者は兼任することができず、試合中に指名打者を変更することもできなかった。そのため、大谷翔平のように打力に優れた投手が先発する際、打席に立たせたいのであれば、指名打者を起用せず、投手を打順に組み込む必要があった。

DH制度はNPBでも1975年からパ・リーグが採用しており、日本のファンにも馴染みがあるだろう。今大会でも第4回大会までと同じくDH制度が採用されている。

しかし大谷の出現によってルールが改正され「大谷ルール」が誕生。先発投手が降板後も、そのまま指名打者としてプレーすることが可能となったのである。

ちなみにMLBでは大谷ルールが2022年から採用されており、NPBでも今年からの採用が決まっている。

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侍ジャパンには大きな恩恵

侍ジャパンで例えてみる。仮に大谷が「1番・投手」で先発出場した際、大谷が降板した後も指名打者として打席に立つことが可能ということだ。

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「大谷ルール」が採用されていない前回大会までであれば、大谷が先発した試合で2つの選択肢から戦い方を選ばなければならなかった。

ひとつは、指名打者を採用せず、大谷が降板した後は中継ぎ投手に打順が回るたびに代打策(もちろん投手が打席に立つことも可)を用いるというもの。NPBでいうセ・リーグの戦い方に近い。

そうなると大谷に長いイニングを任せたいところだが、WBCには球数制限がある。特に一次ラウンドでは65球と少ない。内容によっては5回すら投げきれずに降板することも考えられる。それでは大谷の打撃力を試合序盤でしか活かせない。

もうひとつは、大谷とは別に指名打者を組み込むというもの。中継ぎ投手が打順に組み込まれることはないため、ベンチワークに大きな影響はないが、大谷の打撃力を最初から捨てることになってしまう。

それが「大谷ルール」の採用によって大谷が降板後も、指名打者として打席に立つことが可能となった。つまり大谷が先発する試合での起用法に関して悩む必要がなくなったわけだ。侍ジャパンにとって恩恵は非常に大きい。

大谷以外の選手への恩恵は?

もちろん侍ジャパン以外でも、打力を兼ね備えている先発投手がいるチームは「大谷ルール」の恩恵を受けることができる。しかし現実的に大谷ルールの恩恵を受けるチームは、侍ジャパンしか、さらに言えば大谷しかないだろう。


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