【WBC 2023】内野手陣 戦力ランキング:日本代表 侍ジャパンの順位は?

2023-03-06
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2023年3月、野球世界一を決める国際大会、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(2023 World Baseball Classic™|以下WBC)が開催される。

ここでは、本誌『スポーティングニュース』のライアン・フェイガン記者が各国の内野手陣の戦力状況を分析し、トップ7をランキングする。

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WBC史上類を見ない内野手による最高のプレイ

ワールド・ベースボール・クラシック(以下、WBC)の歴史で内野手による最高の瞬間あるいはパフォーマンスは何かと考えたとき、他に類を見ないたったひとつのプレイがある。

2013年にドミニカ共和国代表をWBC初優勝へ導き、大会MVPに輝いたロビンソン・カノが演じたパフォーマンスを挙げる人はいるだろう。あるいは2017年にアメリカ代表の遊撃手だったブランドン・クロフォードと一塁手のエリック・ホズマーを推す人もいるはずだ。まったく同じ打率.385を挙げたこの2人の活躍なしには、アメリカの初優勝はありえなかった。

しかし、個人の瞬間に話を限ると、2017年WBCでプエルトリコのハビアー・バエズが見せた伝説の「ノールック」タッチを外すわけにはいかない。ネルソン・クルーズが盗塁を試み、ヤディアー・モリーナが2塁へ矢のような送球をした。するとベースカバーに入ったバエズはランナーにまったく目を向けることもなく、タッチする前にはモリーナを指さして喜びを爆発させていたのだ。

素晴らしい瞬間だった。野球というスポーツがいかに楽しいかを我々はWBC期間中にいくども再認識することができる。

今回は2023年WBCの各チームの内野陣を評価し、トップ7を格付けする。

7位 メキシコ

  • 一塁手:ロウディ・テレス(ミルウォーキー・ブルワーズ)
  • 二塁手:アラン・トレホ(コロラド・ロッキーズ)
  • 遊撃手:ルイス・ウリアス(ミルウォーキー・ブルワーズ)
  • 三塁手:イサーク・パレデス(タンパベイ・レイズ)
  • 捕手:アレハンドロ・カーク(トロント・ブルージェイズ)

格付けの理由: メキシコ代表チームのベンジー・ギル監督はMLBで現役選手だった頃は内野のすべてのポジションを守った。このチームの内野陣に選択肢が多いことも自然な流れだ。パレデスは複数のポジションを守ることができる。トレホも同様だ。ウリアスもそうだが、このチームでは遊撃手が最も適しているだろう。

一塁手または指名打者として、メキシコは左打ちのテレス(2022年35本塁打)か右打ちのジョーイ・メネセス(ワシントン・ナショナルズ、昨シーズン240打数で165 OPS+)のどちらかを選ぶことができる。捕手にはブルージェイズのスター、カークがいるが、その控えにはロサンゼルス・ドジャースのベテラン、オースティン・バーンズもいる。

6位 韓国

  • 一塁手:朴炳鎬(パク・ビョンホ)
  • 二塁手:トミー・エドマン(セントルイス・カージナルス)
  • 遊撃手:金河成(キム・ハソン/サンディエゴ・パドレス)
  • 三塁手:崔廷(チェ・ジョン)
  • 捕手:梁義智(ヤン・ウィジ)

格付けの理由: 二遊間を固めるエドマンと金はアメリカでもよく知られた選手だ。2人とも安定した打撃と優れた守備力を備えている。それ以外の3ポジションもKBO(韓国プロ野球)の実績あるベテランを集め、彼らはまだ全盛期にあると思われている。

ミネソタ・ツインズのファンは2016年に在籍した朴については良い印象を持っていないかもしれないが、この36歳のベテランは今でも打線の中軸を打てるパワーを持っている。昨シーズンは124試合に出場して、35本の本塁打を打ち、OPS .909の成績を残した。崔は今月末で36歳になるが、121試合で26本の本塁打、OPS .891だった。梁は35歳で、20本の本塁打、OPS .861だ。

5位 プエルトリコ

  • 一塁手:ホセ・ミランダ(ミネソタ・ツインズ)
  • 二塁手:ハビアー・バエズ(デトロイト・タイガース)
  • 遊撃手:フランシスコ・リンドーア(ニューヨーク・メッツ)
  • 三塁手:エマヌエル・リベラ(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)
  • 捕手:マーティン・マルドナード(ヒューストン・アストロズ)

格付けの理由: リンドーアは超一流選手だ。バエズは2022年の成績が本来のものではなかったことをWBCで証明したいだろう。ここまではいい。だがプエルトリコは両コーナーに上位チームほどの実績ある選手がいない。ミランダもリベラも才能はあるが、まだ若い有望株選手だ。

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マルドナードを先発捕手としたのはリード能力を買ったからだ。短期決戦ではベテラン捕手の価値は非常に大きい。しかし、カンザスシティ・ロイヤルズの若きスター、M.J.メレンデスが代わりを務めることがあるかもしれない。

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4位 ベネズエラ

  • 一塁手:ルイス・アラエス(マイアミ・マーリンズ)
  • 二塁手:ホセ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)
  • 遊撃手:アンドレス・ジメネス(クリーブランド・ガーディアンズ)
  • 三塁手:エウヘニオ・スアレス(シアトル・マリナーズ)
  • 捕手:サルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)

格付けの理由: かなりの好選手が揃った内野陣だ。最も有名な選手はアルトゥーベだろう。昨年のアメリカン・リーグMVP投票では5位に入った。そのひとつ下だったのがジメネスだ。MVP投票トップ6に入った選手が2人いるとはなかなかだが、それだけには留まらない。アラエスは昨年のアメリカン・リーグ首位打者であるし、ペレスはMLB直近2シーズンで71本の本塁打を打っているし、スアレスも同じく31本ずつの本塁打を打っているのだ。

3位 日本

  • 一塁手:山川穂高(埼玉西武ライオンズ)
  • 二塁手:牧秀悟(横浜DeNAベイスターズ)
  • 遊撃手:源田壮亮(埼玉西武ライオンズ)
  • 三塁手:村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)
  • 捕手:中村悠平(東京ヤクルトスワローズ

格付けの理由: 日本が第3位にいるのは、なにも大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)が急に内野を守り始めたからというわけではない。日本の内野陣はそれだけ優れているのだ。三塁手の村上は昨シーズン記録的な56本の本塁打を打っただけでなく、打率.318と134打点でNPB(日本プロ野球)の三冠王を獲得した。しかもそれを22歳のシーズンで成し遂げたのだ。一塁手の山川は昨シーズン41本の本塁打を打った。源田は抜群の守備力を持った遊撃手だ。牧は昨年24歳のシーズンで24本の本塁打を打っている。

2位 ドミニカ共和国

  • 一塁手:ブラディミール・ゲレーロ・ジュニア(トロント・ブルージェイズ)※
  • 二塁手:ケーテル・マルテ(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)、ジーン・セグラ(マイアミ・マーリンズ)
  • 遊撃手:ジェレミー・ペーニャ(ヒューストン・アストロズ)、ワンダー・フランコ(タンパベイ・レイズ)、ウィリー・アダメス(ミルウォーキー・ブルワーズ)
  • 三塁手:マニー・マチャド(サンディエゴ・パドレス)、ラファエル・デバース(ボストン・レッドソックス)
  • 捕手:ゲイリー・サンチェス(ミネソタ・ツインズ)、フランシスコ・メヒア(タンパベイ・レイズ)

格付けの理由: ドミニカ共和国の内野陣こそがトップだとする意見も多いだろう。信じがたいほど豪華なメンバーだ。なにしろ最近レッドソックスと3億1300万ドル(約420億円)の巨額契約を結んだばかりのデバースが指名打者に回るのだ。さらに、毎年のようにMVP有力候補になるマチャドが三塁にいるからだ。

遊撃手の競争はさらに激しい。アメリカン・リーグ・チャンピオンシップ・シリーズとワールドシリーズのMVPに選出されたペーニャ、強打のアダメス、そして若きトップスター選手のフランコだ。二塁手と捕手はそれに比べると「弱点」と言えるかもしれないが、それでも好選手が両ポジションにひしめいている。

ゲレーロは3月5日(現地4日)にWBCを欠場することが決まった。

1位 アメリカ

  • 一塁手:ポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カージナルス)
  • 二塁手:ジェフ・マクニール(ニューヨーク・メッツ)
  • 遊撃手:トレイ・ターナー(フィラデルフィア・フィリーズ)
  • 三塁手:ノーラン・アレナド(セントルイス・カージナルス)
  • 捕手:J.T.リアルミュート(フィラデルフィア・フィリーズ)

格付けの理由:アメリカ代表チームを1位とする理由とは、上に挙げた先発メンバーと目される選手たちだけではなく、その「控え選手」たちの層の厚さにある。2022年ナショナル・リーグMVP受賞者ゴールドシュミットの影には昨シーズン40本塁打、131打点のピート・アロンソ(メッツ)が控えている。遊撃手ではオールスターに2回選出され、直近4シーズンの通算打率.318のティム・アンダーソン(シカゴ・ホワイトソックス)がターナーの影にいる。昨シーズン、新人ながら20本塁打、30盗塁、80打点を達成したボビー・ウィット・ジュニア(カンザスシティ・ロイヤルズ)は三塁手も遊撃手もこなせる。

史上最高の三塁手アレナドが休息をとりたくなっても心配はない。マクニールは2022年ナショナル・リーグ首位打者だ。まさに超一流の布陣である。そしてアメリカとドミニカ共和国を決定的に分けるのは捕手のレベルだ。アメリカ代表チームにはリアルミュートだけではなく、隠れた実力者であるウィル・スミス(ロサンゼルス・ドジャース)も名を連ねているのだ。

原文: 2023 World Baseball Classic: Ranking the top seven infield groups
翻訳:角谷剛

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