2024年パリ・オリンピックのマラソン日本代表選考競技会『マラソングランドチャンピオンシップ』(MGC)が2023年10月15日(日)に東京都内で行われ、男子は小山直城(Honda)と赤﨑暁(九電工)、女子は鈴木優花(第一生命グループ)と一山麻緒(資生堂)が上位2位以内に入り、パリ五輪マラソン代表に内定した。
雨足の強い中、男子は8時、女子は8時10分にスタートを切る。男子は、この日が130回目のフルマラソンとなるベテランの川内優輝(AD損保)が序盤から一人抜け出し、30kmを過ぎても大きなリードを奪う。しかし、35km付近で2位集団の6名に吸収されると、その後は7名の先頭集団でレース終盤に。39km手前でスパートをかけた小山直城(Honda)が一人抜け出し、続いて赤﨑暁(九電工)、大迫傑(Nike)、粘りを見せる川内優輝(AD損保)がデッドヒートを繰り返し、競技場内のトラックに入ったが、そのままの順位でフィニッシュ。大迫は、4年前のMGCに続き、連続3位となった。また、上位候補だった日本記録保持者の鈴木健吾(富士通)、其田健也(JR東日本)、細谷恭平(黒崎播磨)は途中棄権となった。
一方の女子は序盤から10名以上の先頭集団を形成し、駆け引きを繰り返すなか、25km過ぎからは一山麻緒(資生堂)、細田あい(エディオン)が集団から抜け出す。だが30kmを超えてから3位グループの鈴木優花(第一生命グループ)と加世田梨花(ダイハツ)が徐々に二人との差を縮め、4人の争いに。33km過ぎには一山が抜け出すも、39km過ぎに鈴木が一山を捉え、そのまま先頭で後続との差を広げフィニッシュ。激しい2位争いは一山が逃げ切る形で制し、細田は3位、4位は8月のブダペスト世界選手権にも出場した加世田が入った。
MGC 2023最終成績(上位8名)
男子成績
1位 小山直城(Honda)2時間08分57秒 パリ五輪代表内定
2位 赤﨑暁(九電工)2時間09分06秒 パリ五輪代表内定
3位 大迫傑(Nike)2時間09分11秒
4位 川内優輝(AD損保)2時間09分18秒
5位 作田直也(JR東日本)2時間09分42秒
6位 堀尾謙介(九電工)2時間09分53秒
7位 井上大仁(三菱重工)2時間09分55秒
8位 大塚祥平(九電工)2時間09分56秒
女子成績
1位 鈴木優花(第一生命G)2時間24分09秒 パリ五輪代表内定
2位 一山麻緒(資生堂)2時間24分43秒 パリ五輪代表内定
3位 細田あい(エディオン)2時間24分50秒
4位 加世田梨花(ダイハツ)2時間25分29秒
5位 松下菜摘(天満屋)2時間25分57秒
6位 谷本観月(天満屋)2時間26分40秒
7位 前田穂南(天満屋)2時間27分02秒
8位 池田千晴(日立)2時間27分14秒
レース経過・ハイライト
10:30 女子は鈴木優花(第一生命グループ)が1位でフィニッシュ、一山麻緒(資生堂)が2位でパリ五輪代表内定。鈴木選手は初、一山は2大会連続のオリンピック代表内定。3位の細田あい(エディオン)は有力代表候補に。4位は8月のブダペスト世界選手権も完走している加世田梨花(ダイハツ)。
10:08 男子は競技場内のトラックへ。小山直城(Honda)が1位!! 赤﨑暁(九電工)が2位に入り、共に初のオリンピック代表内定。大迫傑(Nike)は4年前に続き連続3位で有力代表候補に。4位はレースを沸かせた川内優輝(AD損保)。
10:05 男子は41km過ぎで小山直城(Honda)が一人抜け出し、2位に11秒差で赤﨑暁(九電工)、3位に3秒差で大迫傑(Nike)と川内優輝(AD損保)。
10:04 女子は33.5km近辺で一山麻緒(資生堂)が抜け出す。
10:01 男子は39.5km近辺で小山直城(Honda)が抜け出す。小山と約4秒差で、赤﨑暁(九電工)、大迫傑(Nike)、川内優輝(AD損保)の順で2位争い。
10:00 女子は32km過ぎで一山麻緒(資生堂)と細田あい(エディオン)の二人に、3位集団の加世田梨花(ダイハツ)、鈴木優花(第一生命グループ)は6秒と差を縮める。
9:58 男子は39km過ぎで、小山直城(Honda)、大迫傑(Nike)、赤﨑暁(九電工)、川内優輝(AD損保)が縦並びの先頭集団に。小山はスパートを仕掛ける。
9:54 男子は37km過ぎで先頭集団は7人。川内優輝(AD損保)、堀尾謙介(九電工)、赤﨑暁(九電工)、小山直城(Honda)、大迫傑(Nike)、井上大仁(三菱重工)、作田直也(JR東日本)の7人で先頭集団を形成。
9:52 女子は30km過ぎで一山麻緒(資生堂)と細田あい(エディオン)が先頭集団、10秒差の3位集団は、加世田梨花(ダイハツ)、鈴木優花(第一生命グループ)、8秒差で5位に前田穂南(天満屋)。
9:46 男子は、35km過ぎでで2位集団が川内優輝(AD損保)を捉える。堀尾謙介、赤﨑暁の九電工、小山直城(Honda)、大迫傑(Nike)、井上大仁(三菱重工)、作田直也(JR東日本)の7人で先頭集団を形成。
9:43 女子は28km手前、一山麻緒(資生堂)と細田あい(エディオン)が先頭集団でマッチアップ。
9:42 男子は34km過ぎ、川内優輝(AD損保)と2位グループの差は7秒に縮まった様子。
9:40 男子は32km過ぎ、堀尾謙介、赤﨑暁の九電工コンビに大迫傑(Nike)が続き、ペースを上げる。川内優輝(AD損保)との差は22秒と縮まる。
9:34 女子は25km過ぎて、一山麻緒(資生堂)、細田あい(エディオン)が集団から抜け出す。前田穂南(天満屋)が3位、少し空いて鈴木亜由子(JP日本郵政G)、加世田梨花(ダイハツ)らが4位集団。
9:29 29km過ぎ、男子は大迫傑(Nike)が2位集団からペースを上げ縦長の集団の先頭に。堀尾謙介(九電工)、鎧坂哲哉(旭化成)が続き川内優輝(AD損保)との差は270m(推定)。30km通過は1時間32分15秒で、大迫は34秒差で追う。
9:26 27km付近で細谷恭平(黒崎播磨)が転倒。足を痛め模様で、立ち上がれず。
9:21 男子は26km過ぎで、大きな2位集団から西山雄介(トヨタ自動車)が遅れ始める。
9:17 女子は19km過ぎ、阿部有香里(京セラ)が先頭集団から遅れ始める。20km過ぎで先頭集団は松下菜摘(天満屋)、前田穂南(天満屋)、岩出玲亜(デンソー)、細田あい(エディオン)、安藤友香(ワコール)、一山麻緒(資生堂)、鈴木亜由子(JP日本郵政G)、加世田梨花(ダイハツ)、池田千晴(日立)、鈴木優花(第一生命グループ)の10名。
9:13 男子は第2集団からブダペスト世界選手権の終盤まで善戦した山下一貴(三菱重工)が遅れ始める。
9:11 女子は松下菜摘(天満屋)が集団を引っ張り、上杉真穂(スターツ)が遅れ始める。
9:11 女子は18km手前で先頭集団が11名となった後、第2集団から上げてきた松下菜摘(天満屋)が合流。一気に先頭に出る場面も。
9:07 女子は先頭集団から市田美咲(エディオン)が遅れ始める。
9:03 男子は川内優輝(AD損保)が1時間3分33秒で中間点を通過。2番手は44人の第2集団を引っ張る武田凜太郎(ヤクルト)33秒差。
9:02 女子は15kmを51分02秒で通過。先頭集団は14名。折り返しで市田美咲(エディオン)が転倒。すぐに立ち上がる。
8:54 男子は19km手前で第2集団から安井雄一(トヨタ自動車)ら4〜5人が抜け始めて、川内優輝(AD損保)を追う。
8:50 男子では出場選手中4位の自己ベストを誇る其田健也(JR東日本)が途中棄権。其田は8月のブダペスト世界選手権にも出走した。
8:48 女子は10kmを33分58秒通過。先頭集団は14名。
8:44 男子は川内優輝(AD損保)が15kmを44分44秒で通過。ただ一人抜け出し、武田凜太郎(ヤクルト)がリードする第2集団は40人近いが、川内との差は28秒に広がる。
8:41 女子は9km通過。先頭集団15名は変わらず。
8;37 男子は日本記録保持者の鈴木健吾が11km過ぎで歩き、途中棄権に。
8:35 女子は7km過ぎ。前田穂南(天満屋)、岩出玲亜(デンソー)、細田あい(エディオン)、安藤友香(ワコール)、一山麻緒(資生堂)、鈴木亜由子(JP日本郵政G)らが先頭集団。
8:31 女子は5km通過が17分。先頭は岩出玲亜(デンソー)で先頭集団は15人。
8:29 9km手前。鈴木健吾(富士通)は前方の集団から遅れ56位。険しい表情。川内優輝(AD損保)と第2集団は12秒差。10km通過は29分41秒。
8:22 男子は7.5km付近で変わらず川内優輝(AD損保)が先頭。第2集団とは7秒差。日本記録保持者の鈴木健吾(富士通)が集団から一人遅れ始める。
8:17 女子は集団が15人、9人と大きく二つ形成される。先頭集団は前回MGC優勝の前田彩里(ダイハツ)、安藤友香(ワコール)が引っ張る。3km通過は10分24秒前後。
8:15 男子は5km14分46秒で通過。川内優輝(AD損保)が先頭、54人の大集団が続き、神野大地(セルソース)、今井正人(トヨタ自動車九州)らの第3集団が7人。
8:12 男子は4km通過で11分49秒前後で通過。川内優輝(AD損保)が変わらず先頭。続く集団は縦長となり、田口雅也(Honda)が先頭で引っ張る。
8:10 女子がスタート。
8:07 2km過ぎて大集団から神野大地(セルソース)が遅れ始める。川内優輝(AD損保)が一人抜け出し、先頭に。作田将希(JR東日本)は大集団の先頭につけてレースを進める。川内と集団の差は約5秒。
8:05 男子は川内優輝(AD損保)、作田将希(JR東日本)が二人で先頭集団、距離を置いて大集団が続く。下り基調のコースで、1km2分56秒くらいで通過。
8:04 女子は選手入場が開始。
8:03 川内優輝(AD損保)が集団の先頭で、競技場外へ。川内は130回目のフルマラソン!
8:00 男子のレースがスタート!
7:50 男子選手が会場に入場。スタートラインへ。
※以下、レース前の情報。
大会概要
- 大会名:マラソングランドチャンピオンシップ(兼 パリ2024オリンピック競技大会日本代表選手選考競技会/兼 第107回日本陸上競技選手権大会・マラソン)
- 日程:2023年10月15日(日)
- 男子スタート時間:8:00
- 女子スタート時間:8:10
賞金
前回のMGCでは賞金はなかったが、今回は男女それぞれの優勝者に1000万円、2位の選手に500万円、3位の選手に250万円の賞金が設けられた。
放送予定(テレビ中継・ネット配信)
2023年のMGCは、テレビ地上波では男子がTBSテレビ系列全国ネット、女子がNHKで生中継が予定されている。インターネット配信サービスのTver(ティーバー)、U-NEXTでは男子、NHKプラスでは女子のレースの生配信が予定されている。
2023年MGC放送チャンネル一覧
- テレビ地上波:TBSテレビ系列(男子)、NHK(女子)
- テレビBS/CS:未定
- インターネット:Tver、U-NEXT(男子)、NHKプラス(女子)
パリ五輪日本代表は男女各3枠。どうやって決まる?
MGCのレース結果で、男女共に1位、および2位の選手がまずはパリ五輪日本代表に内定となる。
残り1枠は、MGC後に開催される『マラソングランドチャンピオンシップファイナルチャレンジ』(MGCファイナルチャレンジ)に指定された男子3大会、女子2大会(以下参照)の結果を踏まえて決定する。MGCファイナルチャレンジにおいて、日本陸連が設定するMGCファイナルチャレンジ設定記録を突破した記録最上位の選手1名が日本代表に内定。もし該当者がいない場合はMGC3位の選手が日本代表に内定する。ただし、MGCにおける3位選手の記録がファイナルチャレンジ設定記録より速かった場合は、それより1秒速い記録がファイナルチャレンジ設定記録となる。
★MGCファイナルチャレンジ大会日程
【男子】
- 2023年12月3日(日) 福岡国際マラソン
- 2024年2月25日(日) 大阪マラソン
- 2024年3月3月(日) 東京マラソン
【女子】
- 2024年1月28日(日) 大阪国際女子マラソン
- 2024年3月10日(日) 名古屋ウィメンズマラソン
【MGCファイナルチャレンジ設定記録】
- 男子:2時間05分50秒
- 女子:2時間21分41秒
※ただし、MGC において 3 位の競技者が上記に定める MGC ファイナルチャレンジ設定記録を上回った場合、その記録より 1 秒早い記録を新たな MGC ファイナルチャレンジ設定記録とする。