チームメイトが語る富永啓生「彼のプレイスタイルはチームに合っている」

2021-12-09
読了時間 約2分

富永啓生が今秋から所属するNCAAディビジョン1のネブラスカ大学男子バスケットボールの2021-22シーズン公式戦が、11月9日(日本時間10日)に開幕した。

公式戦の最初の3試合は、富永本来の持ち味の3ポイントショットがなかなか決まらないどころか、富永がボールに触れるチャンスすらほとんどなかった。

しかし、公式戦4試合目となった11月19日(同20日)のアイダホステイト大戦で、富永は、今季自己最長(※)の17分出場し、同じく今季自己最多(※)の11得点(フィールドゴール7本中4本、3P4本中1本成功、FT3本中2本成功)という活躍を見せた(※記録はいずれもこの試合時点)。

富永の復調を予感させたその試合の後、チームメイトのトレイ・マギャウワンズが『スポーティングニュース』との単独インタビューに応じてくれた。

トレイ・マギャウワンズは、1年生でチームの主力選手として活躍するブライス・マギャウワンズの兄で、昨季ピッツバーグ大からネブラスカ大に転入してきた3年生のガード。ピッツバーグ大での2年間は32%だった3P成功率を、昨季は37%にまで伸ばしている。

チームのリーダー的存在で、オンボールでもオフボールでもプレイできる選手として今季も活躍が期待されていたが、公式戦第2戦目の16日(同17日)のクレイトン大戦で右足の第5中足骨を骨折。手術後、4週間から6週間の戦線離脱を余儀なくされているなか、常にベンチでチームを見守っている姿が印象に残る選手だ。

今回のインタビューでは、二桁得点を記録した富永の試合の感想をはじめ、富永のプレイスタイルや人柄、新加入選手の多いチームのことなどについて話を聞いている。


3年生でチームのリーダー的存在であるトレイ・マギャウワンズ。富永と同じく今季新加入(1年生)のブライス・マギャウワンズの実兄(撮影:Yoko B)

「啓生がノっているときは、僕らは間違いなく最高の状態にある」

――今日の富永選手の試合をどう思いましたか?

マギャウワンズ:良いプレイをしたと思います。でも、これまでの練習や夏の間に僕らが見てきたことと何も変わりません。とにかく僕らは「シュートを打て」と啓生に言い続けています。

打とうと思ったらいつだって、彼は自分が好きなスポットに行けます。彼は相手を出し抜くのもうまいんです。啓生がようやく自分らしくプレイできるようになってきて、とにかく興奮しています。

――富永選手がコートに出てくると声援が大きくなりますが、あれはどうしてでしょうか?

マギャウワンズ:みんな彼が大好きなんです。でも(声援が大きくなることについては)正直に言って全くわかりません。ただ、コーチたちが僕らに「啓生にボールを持たせろ」とよく言うのは確かで、彼が3ポイントショットを打つと、大学のファンはもちろん、日本にいるファンが喜びますよね。

彼が本気になるとそれがチームの力になります。啓生がノっているときは、僕らは間違いなく最高の状態にあると思います。

――富永選手のプレイスタイルについてどう思いますか?

マギャウワンズ:彼のプレイスタイルはチームに合っています。シーズン後半になるともっと見えてくると思います。もちろんまだシーズン序盤で、僕らは努力している途中ですが、ディフェンスがもっと良くなって、今のチームのペースがあれば、トランジションで走る機会が増えるでしょう。そうしたら、あのシュート力のある啓生はもっと活躍するようになると思います。

それに啓生はすごくパスがうまいんです。彼にできるのはシュートだけだと思っている人が多くて、あまり知られていないかもしれませんが、彼にはプレイメイキングの能力もあります。

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「NCAAトーナメントには絶対に行きたい」

――コート上とコートの外での富永選手の印象は?

マギャウワンズ:コート上では、とにかく飛び回っていますね。カットもするし、とにかく楽しんでいます。コートの外でも同じような感じです。 ロッカールームでもどこにいても、いつも笑顔で楽しそうにしています。

彼は嘘偽りのない誠実な人で、いつも楽しそうで、常に笑っています。

――彼はよく話すほうですか?

マギャウワンズ:うーん、よく話すような気がしますが…僕らほどおしゃべりじゃないかもしれませんが、でも、啓生がよく話す人であるのは間違いありません。

――英語でのコミュニケーションに問題は?

マギャウワンズ:全く問題ないですね。

――富永選手だけでなく、ハスカーズの選手たちはとにかく楽しそうにプレイしていますね。

マギャウワンズ:そうですね、僕もとてもワクワクしています。でも、自分たちの可能性を知っているだけに、うまく噛み合っていないときはフラストレーションを感じることもあります。

――富永選手をはじめ、新しいリクルートのメンバーも多いですが、うまく噛み合わない部分はそれも影響していますか?

マギャウワンズ:それは確かにその通りだと思います。みんなが超一流の才能を持っているからこそ、お互いに納得して取り組む必要があります。どんなに望んでも、一度に全面的な賛同を得られないことはわかっていて、そのためにはケミストリーを構築しなくてはいけません。練習中でのケミストリー、スクリメージでのケミストリー、エキシビション(ゲーム)のときのケミストリーという感じといった具合にです。

そして最終的には、『毎試合、違う誰かが活躍する』ってことを理解して、一度それに気づいたら、お互いのために喜び合えることが大事なんです。それができれば、すべては自ずとうまくいくと思います。

未来は確実に明るいと思います。僕たちのグループの良いところは、お互いを思いやり、お互いの成功を願う気持ちが強くて、一緒に苦難を乗り越えていけると思えるところなんです。

――将来的に富永選手に期待していることは?

マギャウワンズ:NCAAトーナメントには絶対に行きたいと思っています。啓生はその重要なピースです。

ヘッダー写真提供:ネブラスカ大学
Header photo courtesy by University of Nebraska

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