愛知県で開催された「平成30年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会」(東海インターハイ2018)の最終日。男女の決勝戦が行なわれ、男子は開志国際(新潟)が創部5年目で初優勝を遂げると、女子は桜花学園(愛知)が2年ぶり23回目の優勝を果たした。同時に桜花学園は女子として史上初となる開催県のチームでインターハイを制した。
開志国際が創部5年目で初優勝
開志国際の富樫英樹コーチは「46対46で第3Qが終わったとき、ベンチに戻ってきた選手たちがまったく焦っていなかったことが、最後にチームカラーであるディフェンスからのファストブレイクにつながって、優勝できたのだと思います」と振り返る。
その言葉通り、同点で始まった第4Qは開志国際が20点をあげたのに対し、地元インターハイでの初優勝を狙った中部大学第一(愛知)は9得点に留まっている。開志国際のディフェンスが機能した証拠であり、体力的に苦しい場面でも攻守の切り替えを早くしたことで勝利につながった。
「大事な場面でファストブレイクが出たのはチームの勝利。選手たちもベンチに戻ってくると『走るぞ、走るぞ』とみんなが言っていたので、これはチームの勝利だと思います」と富樫コーチは語った。
桜花学園が2年ぶり23回目の優勝
女子の桜花学園はナイジェリアからの留学生、オコンクゥオ・スーザン・アマカが17得点、21リバウンドのダブルダブルでチームをけん引。最終的にはファウルアウトしてしまったが、井上眞一コーチが「はじめて(ほぼ)40分間ゲームに出た」と言う彼女の存在感がゲームに大きな影響をもたらした。
特にディフェンスで岐阜女子の留学生に対抗できるようになり、周りの選手たちが後手を踏まずに済むようになった。岐阜女子の安江満夫コーチも「アマカさんが入ったことで桜花学園のディフェンスの考え方が変わったように思います」と認めている。
「周りの選手たちがヘルプに寄らなくなって、それに我々が対応できませんでした」。
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桜花学園の井上コーチはアマカの成長を「想像以上」と言いつつ、一方でキャプテンの坂本雅ら周りの選手たちの「気持ちの強さ、相手をやっつけてやろうという心の成長が一番大きな勝因」と語る。
大会直前にエースの伊森可琳が大きなケガを負い、エントリーから外れるという緊急事態に陥った桜花学園。しかしアマカが台頭し、坂本がチームをまとめあげたことでその困難を克服し、23回目の優勝へとつなげた。
開志国際と桜花学園の優勝で幕を下した2018年度の東海インターハイ。しかし今年度の高校バスケットは始まったばかりである。秋の国体を経て、冬のウインターカップに向けて、各チームはさらに自分たちのバスケットに磨きをかけていく。
東海インターハイ2018 決勝結果
男子
中部大学第一(愛知) 55-66 開志国際(新潟)
女子
岐阜女子(岐阜) 61-70 桜花学園(愛知)