現地時間3月16日(日本時間17日)、北京冬季五輪フィギュアスケート男子シングル金メダリストのネイサン・チェン(米国)が、同23日開幕のISU(国際スケート連盟)世界フィギュアスケート選手権(フランス・モンペリエ)を欠場すると発表した。チェンは同大会の4連覇がかかっていたが、"慢性的なけが"により、出場を断念した。日本勢でも三浦佳生の負傷欠場が発表された。
同選手権を2018年、2019年、2021年(2020年度は中止)をそれぞれ制し、3連覇を果たしていたチェンは、今年は2月の北京オリンピックで悲願の金メダルを手にした勢いで4連覇を狙っていたが、けがで欠場することになった。
チェンは米国スケート協会を通じ、「世界選手権を欠場しなくてはならないことは残念です」と述べ、その理由についても触れている。「北京から戻って以来、この大会のために練習してきましたが、私はこれまで慢性的なけがを抱え、それに対処してきました。(そのけがを)今後の練習や試合で悪化させるリスクを冒したくないのです」と説明した。
多くのメディアの報道でもけがの詳細は伝えられておらず、本人も復帰時期について明かしていない。22歳のチェンは、北京五輪のため米イェール大学を2年間休学していたが、その北京五輪のエキシビション後、「まずは大学に戻らないと。これから2年はそれが中心になる」と話し、学業に専念する意向を明かしていた。
学業復帰に触れる前に、今後の競技生活について「まだわかりません。今から決めることになります」と慎重な考えを示していたことから、将来のキャリアも踏まえて今回の決断にいたったようだ。
チェンの欠場を受け、世界選手権の米国男子代表にはカムデン・プルキネンが加わり、ビンセント・ジョウ、イリヤ・マリニンとともに出場する。
また、日本からは北京五輪銀メダルの鍵山優真、銅メダルの宇野昌磨に加え、右足首故障で代表を辞退した羽生結弦に代わり16歳の三浦佳生が出場予定だったが、左大腿四頭筋肉離れのため欠場となり、代替として友野一希が出場することになった。
米スポーツメディア『Bleacher Report』は、チェン不在により鍵山が男子シングルを制する可能性が高いと報じている。