北京冬季オリンピック第14日目となる2月17日、スピードスケートの女子1000メートルが行われ、高木美帆が五輪記録となる1分13秒19で優勝。3大会目にして初の個人種目金メダルを獲得し、日本女子五輪最多メダル数を通算7個に伸ばした。大会直前からのケガを抱えていた小平奈緒は10位だった。
高木美帆は、15組中最後から3番手の13組での滑走となり、1分13秒19の五輪新記録でフィニッシュ。11組のユッタ・レールダム(オランダ)の1分13秒83を上回り、暫定1位に浮上する。最終組のブリタニー・ボウ(米国)が1分14秒61となり、高木の優勝が決まった。
高木にとっては2014年ソチ五輪、2018年平昌五輪を含め、個人種目で初の金メダル獲得。今大会は1500メートル、500メートル、団体追い抜きで3つの銀メダルを獲得しており、1大会で4メダルは日本女子最多。キャリア通算7個も夏冬合わせて日本女子最多となる。
レース後、「自分のすべてを出し切ることができた」と話し、ここまでの努力が形となった悲願の個人金メダルに喜んだ高木だが、5種目を戦い抜いたことから「結構、咳が出て内臓の方がギリギリだった。無事に走り切れてよかった」とフィジカル面では限界まできていたことを告白した。そんなシビアな2週間で数々の偉業達成に成し遂げた高木は、重圧から解放された笑顔で北京五輪を終えた。
一方、本命の500メートルで17位に終わっていた小平奈緒は、14組での滑走となったが、1分15秒65で10位となった。レース後、年明けに国内での大雪の道路で転倒した際に右足首を捻挫し、競技もままならない状況にあったことを告白した。
大会には間に合ったが、本調子を出すまでには回復しきっておらず、「左足でしか滑れなくて」と苦しい胸の内を明かした。「成し遂げることはできなかったですけど、しっかりと自分なりにやり遂げることはできた」と話したが、現役生活については一旦休養をとってから再開する意向を語った。