ノルディック複合団体、お家芸復活をめざす日本が3位で28年ぶりメダル:北京五輪第14日目

2022-02-17
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北京冬季オリンピック第14日目の2月17日夜、ノルディックスキー複合の団体(ラージヒル:ヒルサイズ140メートル)が行われ、日本代表の渡部暁斗、渡部善斗、永井秀昭、山本涼太が3位に食い込み、同種目として1994年リレハンメル五輪以来の28年ぶりのメダル獲得となった。

現長野市長・荻原健司氏らの全盛期だった90年代にお家芸ともいわれた日本のノルディック複合が、ようやく復活を兆しをみせた。

かつては日本人の身体の小ささを活かした飛躍(ジャンプ)でできるだけ稼ぎ、欧州勢からの距離(クロスカントリー)における猛追をどれだけ食い止めることができるかという戦略だったが、ルール改定などもあり、現代では通用せず、低迷が続いていた。日本勢は唯一世界レベルで戦う渡部暁斗が崩れると上位入りは難しくなるが、今回は違った。

飛躍でエース渡部暁斗が125メートルの109.1点と伸びなかったものの、実弟の善斗が133.5メートルで124.5点、永井秀昭が128.メートルで111.6点、山本涼太が135メートルで121.4点をあげ、チームで前半4位をキープ。後半距離のタイム差補正を+12秒におさえた。

日本の弱点である距離だが、ノルウェー、ドイツ、オーストリアの3強に近づくため、代表クラスのメンバーはクロスカントリーの強化練習を積んできた。1番滑走の渡部善斗がトップ集団に追いつくと、2番手のベテラン永井が粘り、3番手の渡部暁斗が暫定2位に並ぶ形でアンカーの山本につないだ。山本はドイツのビンツェンツ・ガイガーに食らいつき、3位でフィニッシュ。4人一丸となっての銅メダルをつかんだ。

渡部善斗は「やっとここまで来れた」と感無量で話し、兄の暁斗は「皆に助けてもらった。団体戦のメダルはチームの皆で喜べて、個人で取るよりも何倍もうれしさがある」と喜んだ。1994年リレハンメル五輪の金メダル以来、28年ぶりのメダル獲得により、お家芸復活の兆しをつかんだ。とくに24歳の山本は強豪ガイガーと競り合うなど、日本ノルディックの底上げを感じさせる貴重な銅メダルとなった。