北京冬季オリンピックは現地時間2月20日夜、閉会式が行われ、17日間の熱闘に幕を閉じた。同日昼には日本代表ロコ・ソラーレが悔しい銀メダルとなったカーリング女子決勝や、フィギュアスケートのエキシビションが行われ、男子シングル4位だった羽生結弦やメダリストたちが最後の舞をみせた。
2月4日に開幕した北京五輪が17日間(+2日間)の競技期間を終え、終幕した。日本選手団は、スキー男子モーグルの堀島行真の銅がメダル1号に、スキー男子ジャンプの小林陵侑のノーマルヒル優勝が金メダル1号だった。平野歩夢は東京五輪でスケートボードに挑戦した半年後にスノーボード・ハーフパイプで金メダル獲得を成し遂げ、スピードスケート女子の高木美帆は5種目出場して金1、銀3で個人通算獲得数も日本女子最多の7個に到達した。
最終日のこの日、カーリング女子日本"ロコ・ソラーレ"の悔しい銀メダルとなったが、日本の同競技史上初の快挙だった。昼には鍵山優真の銀、宇野昌磨、坂本花織の銅と日本勢も活躍したフィギュアスケートのエキシビションが行われ、4回転半ジャンプへの挑戦を貫いた羽生結弦も参加し、北京のリンクで感謝の舞を演じた。
閉会式は開会式と同様に、通称・鳥の巣と呼ばれる国家体育場で、中国の限られた観客が見守るなか始まった。オープニングパフォーマンス後、シンプルに選手入場が始まり、日本選手団は真っ赤なジャケットと白のロングパンツの制服で登場した。
旗手は開会式に続き、スピードスケートの郷亜里砂が務め、同競技男子500メートル銅の森重航や、藤澤五月らロコ・ソラーレの面々やフィギュアの鍵山や坂本らが参加。記念撮影をしながら入場し、複数の国の選手たちと大勢で輪になって走り回る姿もあった。
国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長は、「五輪の仲間たちは外見、出身、信条などに関わらず平等であるということを示した」と熱弁し、中国語で北京市民にも感謝した。
式中のパフォーマンスは閉会式同様、映画監督チャン・イーモウ氏が演出を務めた。氷をイメージしながらも最後は雪の結晶が太陽い染まるような壮麗な内容となり、後半のパフォーマンスは大会中の選手のハグを編集してつなぎ合わせたハートフルな映像も流れ、感動的なフィナーレを彩った。
日本は今大会で金3、銀6、銅9のメダルを獲得し、冬季五輪では過去最多の18個を記録したが、開会前はウイグル自治区の人権侵害問題で米国を中心とした外交的ボイコットがあり、開催中にはロシアとウクライナの軍事的衝突の危機がくすぶっていた。競技面でもショートトラックの中国勢に対する有利な処置や、スキージャンプ混合団体では高梨沙羅ら5選手が不可解なスーツ規定違反で涙を飲み、フィギュアスケートではカミラ・ワリエワ(ロシアオリンピック委員会)のドーピング発覚後の出場容認など、運営面で疑問を残す大会にもなった。
次回、2026年の冬季五輪は、イタリアのミラノとコルティナ・ダンペッツォの2都市併催大会となる。